将棋界に新たなスターが生まれ、近年大きな盛り上がりを見せる中、今後の普及について深く考えている棋士がいる。日本将棋連盟棋士会副会長・糸谷哲郎八段(32)だ。順位戦A級棋士として活躍、タイトル挑戦も目指しながら戦う一方で、コロナ禍の中でもSNSなどを活用して将棋の普及に努めている。いろいろ手応えが得られたものはあったが最近、世界的な注目を集めるメジャーリーグのエンゼルス大谷翔平投手について、思うところがあった。「大谷翔平投手のインパクトに匹敵するのは、なかなか難しいじゃないですか」。また、同時に人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のワンシーンでも、棋士に通じる点を見つけた。藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)の大活躍という強い追い風を受けながら、他の棋士たちに求められるのは何なのか。