藤井聡太王位・棋聖、史上初の「10代三冠」達成!豊島将之叡王からタイトル奪取 最年少19歳1カ月は羽生善治九段の記録を3年以上も更新
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 将棋藤井聡太王位・棋聖(19)が9月13日、叡王戦五番勝負の最終第5局で、豊島将之叡王(竜王、31)に111手で勝利、シリーズ3勝2敗の成績で、タイトル奪取に成功した。これで藤井王位・棋聖は従来の記録を3年以上更新する、史上最年少の19歳1カ月で三冠達成。2016年10月のデビューから5年足らずで、史上初の「10代三冠」となった。

【中継】叡王戦 五番勝負 第四局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖

 藤井王位・棋聖の先手番で始まった一局は、両者の対局としては4局連続の相掛かりでスタート。開局からともに早いペースで指し手が進み、どんどんと展開するかと思われたが、その後は序盤・中盤と非常にじっくりとした進行に。両者とも各4時間の持ち時間が残り40分になっても互角のまま終盤にすら入らなかったが、藤井王位・棋聖がじりじりとリードを確保。最終盤は、持ち前の終盤力をフルに発揮し、粘る豊島叡王を振り切った。

 将棋界のレジェンドが作り上げた記録を、またも塗り替えた。最年少三冠の従来の記録は、羽生善治九段(50)が保持していた22歳3カ月。藤井王位・棋聖は、これを3年以上も更新。10代で一冠を保持するだけでも快挙ではあるが、今年度は棋聖、王位と2つのタイトル防衛にも成功。3つ目のタイトル戦は、番勝負で自身初のフルセットにもつれ込んだが、タイトルを獲得した後も対局する度に強さを増していく成長力も見せ、三冠を達成した。これで渡辺明名人(棋王、王将、37)とともに、現在最多の三冠保持者となり、さらに将棋界をリードしていく存在となった。

 かつては「天敵」とも呼ばれた先輩棋士との、熱くて長い戦いの末につかんだ三冠だ。豊島叡王とは、お~いお茶杯王位戦七番勝負でも戦い「ダブルタイトル戦」とも呼ばれた。タイトル戦開幕前までは、通算成績で1勝6敗と大きく負け越し、藤井王位・棋聖にとっては大きな壁と言われもしたが、王位戦第2局での逆転勝利をきっかけに、対豊島戦で3連勝。本局を含め、今年度だけで計10局指したが、7勝3敗(王位戦4勝1敗、叡王戦3勝2敗)と勝ち越し、また一つ上のステージに上がった印象だ。

 対局後、藤井王位・棋聖は、対局を振り返ると「かなり難しい中盤が続いていたと思います。なんとかバランスを保てたのかなと思います。(終盤は)6二金と打って勝っていると思いました」とコメント。新叡王については「全く実感はないんですが、フルセットは自分にとって初めてなので、その中で結果を出せたのはよかったです」と息をついた。また、羽生九段の記録を抜く最年少三冠には「本局では全く意識はしていなかったんですが、これからも対局は続くので、結果は気にせず前を向いていけたらと思っています。あまり年少記録は気にしていないです」と、対局内容の充実を目指すのみと繰り返した。シリーズ全体について話が及ぶと、「第4局はこちらが完敗だったので、内容的には課題を感じる部分もあったんですが、フルセットまで指せて勉強になったシリーズでした」と充実感を口にしていた。

 藤井王位・棋聖のタイトル戦ロードはまだ続く。10月からは竜王戦七番勝負が開幕。最年少での四冠を狙う。将棋界最高峰タイトルでもあり、これを奪取すれば棋士の序列でも1位となり、いよいよ本格的な「藤井時代」の到来を感じさせるものになる。今年度であれば、いずれも渡辺名人が保持する王将、棋王への挑戦も可能で、全て奪取となれば六冠まで増える。将棋界のレジェンド、羽生九段が「七冠独占」を達成した1996年から四半世紀。令和の天才棋士が、さらに新たな歴史を刻んでいく。
ABEMA/将棋チャンネルより)

第6期 叡王戦 五番勝負 第四局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖
第6期 叡王戦 五番勝負 第四局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖
第6期 叡王戦 五番勝負 第五局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖
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お~いお茶presents第4回ABEMAトーナメントチーム藤井VSチーム木村
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