誰が初戦でCBとしてピッチに立つのか

ガレス・サウスゲイトを監督に招聘し、近年は2018年のワールドカップ・ロシア大会で4位、2021年のEURO2020では準優勝と好成績を残しているイングランド代表。11月に開催されるワールドカップ・カタール大会でも期待されているチームだ。

しかし英『THE SPORTSMAN』はカタール大会での躍進は難しくなるかもしれないと持論を展開している。その根拠は守備の要であるセンターバックの各チームでの現状だ。EURO2020ではハリー・マグワイア、ジョン・ストーンズ、ベン・ホワイト、タイロン・ミングス、コナー・コーディの5人が主にそのポジションを務めたが、プレミアリーグ開幕戦でCBとして先発したのはマグワイアのみだ。選手それぞれに事情はあったとはいえ、サウスゲイト監督としては心配な状況といえる。

そのマグワイアもチームでは絶対的な存在ではない。ブライトンとの開幕戦では2失点を許しており、いつ先発から外されてもおかしくない状況だ。シティのストーンズが持つ実力は確かだが、度重なる離脱の影響からチームでの序列を落としてしまっている。

本大会前の大きな変更はチームの安定感を損なう可能性もあるが、新たな人材を試すのも悪くない。

例えばミランのフィカヨ・トモリがそうだ。チェルシーのアカデミー出身の24歳で、ミランでは昨季リーグ戦31試合に出場して10-11シーズン以来のリーグタイトル獲得に貢献している。代表での経験は少ないが、イングランドのCBの中で最も市場価値が高いのは、5000万ユーロのトモリである。

若手でいえばクリスタル・パレスのマーク・グエーイも素晴らしい選手だ。トモリと同じくチェルシーアカデミーで育っており、昨季パレスに移籍した。ヨアキム・アンデルセンと共にCBで絶対的な地位を確立しており、フル代表ではすでに3試合プレイしている。

若くはないが、トッテナムで評価を高めるエリック・ダイアーも面白い存在だ。アントニオ・コンテには3バックの中央で起用され、プレミア開幕戦サウサンプトン戦では4-1の勝利に貢献している。直近の代表メンバーに招集されていないが、「私たちのプランに含まれている」と英『football.london』にてサウスゲイト監督が話している。

自国開催である1966年以来W杯での優勝がないイングランド代表。今のメンバーであれば優勝を狙うことは可能であり、そのためにもCBの起用は慎重になる必要がある。