障がいの有無や体格などにかかわらず、誰もがファッションを楽しめる「インクルーシブファッション」の取り組みを取材しました。
「様々な服が並んでいます。例えば、下までファスナーが付いていて、車いすに乗った方や寝たきりの方でも着やすいデザインになっています」(リポーター)
都内の百貨店で開かれていたのは、インクルーシブファッションの展示会です。
「寝たきりの方がベッドにこれをまずひいていただいて、その上に寝てファスナーを閉めるだけという」(大手アパレル「アダストリア」大谷知加子さん)
そで下にファスナーがついたジャケットを試着してみました。
「着やすいですし、実際に腕をあげたりさげたり動かしやすいですね」(リポーター)
大手アパレルの「アダストリア」では、2021年からインクルーシブファッションのプロジェクトに取り組んでいます。障がいのある人でも着やすい加工をした服の試着会や受注を行い、当事者の意見を聞いています。
車いすで訪れていたのは、プロジェクトに協力している茶田ゆきみさんです。試着したのはブルゾンです。
「車いすで着ると悩みなのが、すそとか袖がタイヤにすっちゃって真っ黒になっちゃうんですよ。これだと丈も座ったときにちょうどいい」(茶田さん)
実はこちらの服は子どもサイズのもので、特別な加工をしているわけではありません。
「こういう着やすくておしゃれという服が増えてくると、すごいわくわくします」(茶田さん)
プロジェクトでは、このブルゾンのように普段売っている商品の中にも着やすい服があると発信もしています。
「ひとりでも多くの方がファッションを楽しめるように、このプロジェクトは続けていかないと意味がないと思っています」(アダストリア・大谷さん)
アパレル業界では、ファッション通販大手「ZOZO」などが車いすでも着やすいパンツの受注生産を始めるなど、取り組みが広がっています。着やすい服というだけでは、必ずしも売り上げにつながらず、「誰もが楽しめる服」として持続可能なビジネスモデルを確立していくことが目標だということです。(ANNニュース)