季節外れの暖かさが続く列島。秋の味覚にも追い風が吹いています。
【画像】1カ月遅れの大豊作 去年より2割安…秋の味覚の王様マツタケ
■紅葉の京都見頃 “穴場の絶景”
京都市内を一望できるお寺では葉が赤く色づき、まもなく紅葉が見頃を迎えます。古都・京都。各地で遅れる紅葉も、ここなら楽しめます。
静岡から
「紅葉だが『混まない』というコンセプトで」
市街地から離れた山にある、知る人ぞ知る“穴場の紅葉スポット”善峯寺。京都市内を一望できる境内。初夏は“天空のアジサイ”など、四季折々の表情を見せます。
そしてこの時期は、1000本のモミジが赤く染まり山を彩ります。6日連続20℃を超えた京都。季節外れの暖かさも、ここでは少し早く楽しめます。
静岡から
「グリーンと(赤の)グラデーションが夫は好きで。早めに来た」
西山 善峯寺 掃部光淳副住職
「善峯寺は標高が300メートルほどの所にあるので、ふもとと比べて気温が2、3℃低く、ふもとと比べると色づきが早く、早くから紅葉を楽しんでもらえる」
去年の見頃を迎えた時期の山々。見頃を迎えれば、眼下に絶景が広がります。
昇る朝日が照らす境内。赤く染まった木々の間を、太陽が昇ります。今週末と来週末は開門が朝6時半となり、早朝の静寂な紅葉狩りも楽しめます。
掃部副住職
「11月17日前後に見頃を迎えそう。紅葉、お堂、眺望のコラボレーションを楽しめる」
■紅葉が見える川床で京ランチ
紅葉狩りで、おなかがすいたら京都グルメもあります。
兵庫から(60代)
「静けさとたたずまいと風情。静かに食事できるところがいい」
川のせせらぎを聞きながら吊橋を渡ると、紅葉で知られる高雄に佇む旅館が見えました。その名も「もみぢ家」。
自家製だしで楽しむ湯豆腐や湯葉、旬な野菜を使った京ランチを川床で楽しめます。神戸から女子旅でやってきた3人組も喧噪(けんそう)を忘れるひと時を過ごします。
神戸から
「紅葉がちょうど目の前で、川に映った紅葉と素晴らしい」
「(Q.夫は?)家で食べてる。一人寂しく。大丈夫、たまには連れていくので」
泊りでも、日帰りでも楽しめる宿。雄大な自然を眺める露天風呂で、疲れも癒されます。
紅葉は少し遅れているものの、見頃を迎えれば、赤く染まった木々が、里山風情を感じさせます。
もみぢ家 女将 浜田いづみさん
「来週ぐらいが見頃。今は赤・緑・黄色が混ざっているので、それはそれで今の時期もきれい」
■11月なのに夏日 紅葉比べてみると…
都内も“季節外れの暖かさ”が続きます。2年前、ちょうど同じ時期の映像。イチョウ並木で知られる昭和記念公園。この暖かさで紅葉は少し遅れているようです。
ダックスフント仲間のみなさん
「(犬も)暑いと思う。例年より薄着させている。いつもならもっと厚着させている」
ここ数日の平年の気温と比べると、20℃を超える日が続き、夏のスイーツもまだまだ人気です。ソフトクリームを食べている人もいます。
90代
「歩いてきたら暑くて」
店員
「多い時で300~400個出る」
昭和記念公園 広報 黒岩慈音さん
「(見頃は)今月下旬になる。色づいてから落ちるまで早いので12月の頭までだと思う」
■マツタケ豊作 秋の味覚に“追い風”
秋の味覚の王様・マツタケにも、季節外れの暖かさの影響が色濃く出ています。ズラッと並べられたマツタケは、今年…。
田辺中央青果 濱江滋課長
「大豊作です」
「珍しいですね。20年近く市場勤めていますけど初めてのような状況です」
ただ、異常なのはマツタケの「量」だけではありませんでした。
秋の味覚の王様・マツタケにも、異変が起きています。和歌山県田辺市にある青果市場。マツタケの周りは、“季節外れの熱気”に包まれていました。
マツタケのセリが始まりました。「せり人」からは、切れ目ない早口で言葉が続き…どのタイミングで落札されたのか、判別がつきません。このなかで、ハッキリと聞き取れたのが…。
せり人
「本日高値です。はい。5万5000円」
そう、今シーズンのマツタケは…。
濱江課長
「大豊作です」
ただ、異例なのは「量」だけではないようです。14日は、この市場の周辺も、最高気温23.7℃と“季節外れの暖かさ”となりましたが、実は、季節外れはマツタケも同じです。
濱江課長
「10月いっぱいぐらいまでの出荷。いつもはそうなんですけど、下手したら11月いっぱいまで出荷があるかも」
なんと旬の時期が、およそ1カ月もズレていたのです。
■1カ月遅れ「旬」 2割も安い!
濱江課長
「この気温の暖かさ。あとは適度な雨が一番影響しているんじゃないか」
田辺市では、今月に入ってからも、25℃以上の夏日が「6日」を数え、観測史上最も多くなっています。
産直市場よってって いなり本館
船山和久館長
「去年は軸が細かった。今年軸が太い。だから良質なマツタケができている」
近くにある直売所の館長。いつもは生産者から直接持ち込まれるマツタケを、この日は市場から仕入れていました。異例の「1カ月遅れの大豊作」に、関係者も困惑気味です。
船山館長
「結構長いことやっているが、この時期にあるのは初めて」
現在は、100グラム4000円から6000円ほどで販売。去年の価格よりも2割ほど安いということです。
マツタケを購入(80代)
「買う予定は全然なかった。もう終わっていると思った」
遅れて旬を迎えた「秋の味覚の王様」。気になる香りは…?
鮨・割烹鮨康 関下康店主
「車の中に(マツタケを)入れたら、その匂いでいっぱいになる」
そのまま焼くだけで、さらにマツタケ特有の香りが引き立ちます。この寿司店では「焼き」の他にも「土瓶蒸し」などでマツタケを提供しています。11月いっぱいは楽しめそうです。