生レバー風味とうたい販売されていたこの商品、実は十分な加熱処理がされていない牛レバーでした。
さらに、ふるさと納税の返礼品でもありました。
【写真】「レバ刺しがハム加工でよみがえる」とうたい販売した牛レバー
■“加熱不十分”牛レバー販売 男逮捕
赤い色とツヤ感は生食が禁止となっている牛の生レバーそのものですが、販売会社のホームページには「生レバーの風味をそのまま再現した画期的なハム」。
低温加熱された牛のレバーのハムだといいますが…
食品衛生法違反の疑いで逮捕されたのは、大分県中津市の食肉加工会社社長・桝田治基 容疑者ら2人です。
桝田治基 容疑者(66)(警察に対し)
「法律の通り加熱しているから違反していない」
今年1月、京都府警に「伏見区内の飲食店で生レバーが提供されている」と情報提供があったといい、鑑定したところ加熱処理がされていないと判明しました。
基準では、牛のレバーは「中心部を63度で30分以上加熱」が必要です。
しかし、まるで生の牛レバーのように見えるこの「牛レバーハム」は、47~48度という、生レバーの見た目が変わらないぎりぎりの線をねらった不十分な加熱だったとみられています。
牛のレバーについては、2011年に富山県の飲食店で生レバーを食べ、死者が出たことなどを受け、生食が禁止になった経緯があります。
そんな中、「レバ刺しがハム加工でよみがえる」とうたっていたこの商品、会社のホームページで販売されていて、昨年度は32万個、約1億円を売り上げる人気商品でした。
さらに、こんな入手方法もありました。
■「生レバー風味」うたい ふるさと納税にも
年末も近づき、駆け込み申請も多くなるふるさと納税ですが…
問題となった牛のレバーハムはこの企業の地元・大分県中津市でふるさと納税の返礼品に採用されていました。
この企業の商品は2020年から採用されたといいますが、20日午後に不十分な加工の疑いが浮上したことで、中津市は17種類すべての返礼品としての受付を停止。
事実関係を確認中で、確認次第対応を考えるとしています。
大分県では事実確認が取れ次第、この牛のレバーハムの回収命令を出す予定だとしています。