ロシアによるウクライナ侵攻を巡って今、戦争拡大の懸念が急速に高まっています。背景にあるのは、アメリカの方針転換。どうも、ドナルド・トランプ氏を意識してのことのようです。
■「長距離ミサイル」米国は、なぜ方針転換?
CNN記者
「私の周りを見てください、誰もいません。ヨーロッパの同盟国の大使館も機能を制限しています」
大規模な空爆があるとの情報で、キーウのアメリカ大使館をはじめ、スペイン、ギリシャの大使館も一時閉鎖。
また、スウェーデン政府が国民に配布したのは「戦争や危機に備えて」という冊子。シェルターへの逃げ方や止血方法などを紹介しています。
一方、ロシア国内のクルスク州では、赤い炎と共に白い煙があがっていました。空爆と見られます。先日、バイデン政権は、アメリカが供与した長距離ミサイルでロシア国内を攻撃することを承認したばかり。そして…。
CNN記者
「アメリカに加え、英国も承認したようです。24時間以内に、ストームシャドーミサイルがクルスクに着弾しました」
イギリスメディアによると、ロシア住民がミサイルの破片とみられるものを見つけたそうです。
ここ数日、方針転換したようにみえるバイデン政権。何が起きているのでしょうか。
テレビ朝日 外報部
斉木文武デスク
「トランプ次期大統領の存在が大きいと思います」
■結束強めるロシアと北朝鮮
これまで消極的だったアメリカ製のミサイルを使ったロシア攻撃の承認。そして、対人地雷も承認。なぜ、バイデン政権は方針転換したのでしょうか?
先月下旬、北朝鮮の兵士がロシア軍に配属され、一部が戦闘に参加したと伝えられています。
そんな北朝鮮に、プーチン大統領から贈り物です。
檻の中でイライラとした様子をみせるライオン。さらにクマやオウムも、ロシアから平壌の動物園に送られました。
結束を強める両国。
斉木デスク
「今回の決断の直接のきっかけは、北朝鮮兵士のロシアへの派兵です。今回の派兵で、ロシアが戦争を一段階エスカレートさせたので、欧米側も一段レベルをあげた。ただ、背景にはトランプ次期大統領の存在が大きいと思います。トランプさんは、ウクライナ軍事支援に消極的ですから」
トランプ次期大統領(去年)
「私が大統領なら、24時間以内に和平合意成立だ」
来年1月に控えた政権交代。
斉木デスク
「強引に停戦交渉を求められた時、これまでのアメリカの支援が無駄にならないように、ウクライナがなるべく交渉で優位な立場に立てるように、バイデン政権としては打てる手はすべて打っておく思惑だろう」