“早起きは三文の徳”。グルメグランプリ11年連続金賞のお店には究極の朝ごはんがありました。さらに、早朝から行列ができるお店、皆さんのお目当ては「一生に一度しか味わえない」絶品ラーメン。早起きしても食べたくなる秘密に迫りました。
【画像】「一生に一度しか味わえない」限定ラーメン、早朝から並んで食べる理由は?
■トロトロ食感 豚バラ肉「魯肉」の台湾粥
浅草寺からほど近い場所に今年ニューオープンした行列店があります。人気観光地とあってランチタイムは大混雑ですが、狙い目は朝。並ぶことなくゆっくりと食事ができるんです。
頂けるのは、朝にピッタリの台湾粥セット。セイロには、蒸し野菜とシューマイがつまっています。
お粥(かゆ)は、シイタケとエビのダシが決め手。5種類のスパイスで煮込んだ豚バラ肉「魯肉(ルーロー)」は、トロトロ食感が楽しめます。
初めて来店の客
「おいしい。温かい」
「(早起きして)のんびり歩いて、おいしく朝食をいただいた」
■11年連続金賞 なめろうの「まかない丼」
湘南に絶品の朝ごはんがあります。その店は、開店前から客が殺到していました。
午前8時に開店。海鮮料理の人気店「江ノ島小屋(こや)」。湘南の海を眺めながら絶品グルメを堪能できます。
静岡から
「景色が最高じゃん」
東京から
「朝ごはんがおいしいと聞いて並びました」
栃木から
「朝早起きして食べたいって」
店内には、朝ごはんを求める外国人の姿もあります。
オーストラリアから
「ファンタスティック。アリガトウゴザイマス」
お店の名物「まかない丼」です。大きなのりをめくると現れるのは、数種類の魚をなめろうにした丼です。
わざわざ遠方から朝ごはんを食べに来る人も…。
東京から
「このあいだ違う所でなめろうを食べたけど全然違う」
この日の魚はアジ、イナダ、マダイ、カンパチを使用。
江ノ島小屋料理長 小宮山伸之さん
「なめろうはたたくイメージだが、食感がなくなってしまう。食感を残すためにあえてたたかずに」
みそ、ショウガ、ネギを混ぜて味付けしています。実はこの料理「全国丼グランプリ」の海鮮丼部門で11年連続金賞を受賞しているんです。
オーストラリアから来た女性はのりをちぎると、そのまま頬張りました。
オーストラリアから
「のりね。のりに目がないの」
おいしい食べ方があることを伝えると…。
オーストラリアから
「Good」
金賞受賞の丼は、3通りの食べ方ができるのがポイント。まずは、のりをちぎってそのまま海鮮丼として。続いて、少し大きめにちぎって手巻きに。最後は、カツオなど数種類の魚のアラでとっただしを加えてお茶漬け風にして頂きます。
平塚から
「ダシうま、これ」
「ダシいいよね」
■元は漁師の食べ方 煮汁をかけるTKG
そしてこの店には、早起きした人だけが味わえる究極の朝ごはんがあるんです。
地元客
「朝と言えば“卵かけごはん”ですよね」
「卵かけごはん」が1460円!?と思いますが…、実はこれ、そんじょそこらのTKGとは違うんです!
東京から
「卵が元気。卵が普通の卵じゃない」
使われているのは、福岡県産の「つまんでご卵(らん)」。その名の通り、黄身をつまんでも割れず、濃厚な味が特徴です。その卵をアツアツのご飯ヘ。この店では醤油ではなく特製の煮汁をかけるんです。
栃木から
「お魚のダシは初めて」
相模湾でとれたキンメダイをベースに、数種類の魚のアラを1時間ほど煮込んで作った煮汁。
江ノ島小屋 広報
苅米政彦さん
「うまみが増している(煮汁)を卵にかけるのはウチでしか食べられない」
さらにこだわりが。客の前で削るのは、鹿児島県産の半生のカツオ節。削りたてを提供するのは、しっとりした食感を実感してもらいたいからだといいます。
県外からやってきた2人。早起きしたかいがあったようです。
東京から
「(煮汁をかけて)食べたことないもんね。卵とお魚がすごく合う」
「こんなイイお天気でこんな朝ごはん食べられて幸せ」
朝だけしか味わえない究極の卵かけご飯。実は、早朝まで働く漁師の食べ方だったのです。
苅米さん
「オーナーが漁師の家系で、漁師がもともと食べていた食べ方。色々な魚を煮魚にして、余った煮汁を煮詰めてご飯に卵と一緒にかけて食べる。一番おいしい食べ方を知っているのは漁師さん」
早起きした人だけが味わえる絶品朝ごはんです。
■“一生に一度”の限定ラーメン
所変わって東京・目黒。
常連客
「(Q.お目当ては?)限定ラーメン」
「スペシャルなので、それ目当てで来ました」
午前6時ごろにオープンする目黒にある「えーちゃん食堂」。普段は、豚と魚介系のダブルスープの「しょうゆラーメン」などを提供していますが、この日は限定ラーメンのみ。
早朝から並んで食べる理由は、月に数回の提供で毎回メニューが違うため、店主いわく“一生に一度”しか味わえないといいます。
この日の限定ラーメンは「牡蠣ラーメン」。カキを使った特製スープは手間がかかるため120食限定です。
常連客
「(スープは)あっさりだけど、コクも油もあるのでバランスがよくておいしい」
見れば、お客さんのほとんどがスープを飲み干していました。
■なぜ朝早くから限定ラーメン?
ラーメンの仕込みは毎回午前2時すぎから。限定ラーメンのスープには、比内地鶏の鶏ガラに、広島産のカキの身を30キロも使います。
えーちゃん食堂店主 佐藤栄市さん
「メチャメチャぜいたく」
他にも、ネギやショウガ、ジャガイモ、タマネギを入れたうえ…柿!?
佐藤さん
「甘みを出すためにきょうは柿を。カキと柿をかけている」
この後名古屋コーチンも加え、3時間ほどじっくりと煮込みます。
味の決め手は、唐辛子や昆布などを混ぜて作った自家製のしょうゆダレ。こだわりぬいた、究極の牡蠣ラーメンの完成です!
早起きした人だけが味わえる一杯。
アメリカからやって来た男性はかなりのラーメン通でした。
アメリカから
「ウ~ン。SO GOOD!おいしい、おいしい」
すると、追加で注文した生卵にラーメンを。すき焼きじゃないんですけど…。
アメリカから
「いいね。卵につけるとより味わい深くなる」
なんと常連さんも。実はこれ、マイルドに味変できる店主オススメの食べ方なんです。
それにしても、なぜこんなに朝早くから限定ラーメンを出しているのでしょうか?
佐藤さん
「そっちにかづ屋さんってすごい有名なお店があって、奥には二郎さんがあって」
実はこの辺りは有名店がいくつも立ち並ぶラーメン激戦区なんです。そこで…。
佐藤さん
「ボクが福島出身なので、喜多方とか朝から(店を)やっていたりする。『じゃあ一回、朝やってみよう』って」
この日の限定ラーメンは、午前9時半には完売。早起きした人だけが味わえる絶品グルメです。