友好国にも容赦はありません。関税で脅しをかけ、交渉を優位に進めようとする姿勢を鮮明にしたアメリカのトランプ氏。名指しされた国は何とかトランプ氏と面談をし、懐柔しようと模索しています。日本はどうなるでしょうか?
【画像】石破総理との面会を「就任前だから」と断ったトランプ氏がカナダのトルドー首相と会談
■トランプ氏、カナダ首相と会談
石破茂総理大臣(先月16日)
「現時点において、トランプ次期大統領との会談はいずれの国とも行わないと説明を受けておるところでございます」
石破総理はG20の後にトランプ氏との会談を模索していましたが、かないませんでした。
大統領に就任するまで会談を断ったトランプ氏でしたが、満面の笑みで会談するトランプ氏とカナダのトルドー首相。先月29日、自身の邸宅で3時間ほど話をしていたということです。
トルドー首相
「素晴らしい会話でした」
笑顔の2人ですが、どんな話をしていたのでしょうか?
上智大学 前嶋和弘教授
「カナダのトルドー首相は、来年の1月20日の就任の日に関税をかけられると言われたばかり。これはまずいということで、トランプさんと交渉に入っている。カナダは今回必死です」
トランプ氏はカナダからのすべての輸入品に25%の関税をかけると宣言。笑顔の裏では関税を巡るシビアな交渉があったとみられます。
■BRICS諸国には「100%の関税」警告
1日は関税を巡ってXにこう投稿しました。
トランプ氏のX投稿(日本時間1日)
「100%の関税に直面し、素晴らしいアメリカの市場に別れを告げることを覚悟しなくてはならない」
「100%の関税」の矛先が向けられたのは、ロシアやインド、中国など今後成長が見込まれる5カ国の頭文字で表されるBRICS諸国です。
BRICS諸国は今、アメリカドルを使わない取引を進めています。トランプ氏は「100%の関税」をちらつかせ、牽制(けんせい)しました。
■トランプ氏の関税外交 日本は?
関税を武器にした交渉。日本もいつターゲットになるか分かりません。
日本から輸出される自動車の関税が引き上げられるかもしれないという見方もあります。
その場合は、日本もトランプ氏との会談を急ぐ必要があります。
前嶋教授
「すでに日本は初夏の段階から外務省でトランプ対応チームは動いています。このチームは、安倍元総理とトランプ氏の首脳会談の時も活躍していた」
安倍元総理と親交が深かったトランプ氏。石破総理との相性も気になるところですが…。
前嶋教授
「トップ同士の相性は重要だが、それがすべてではない。トランプ氏にとってみれば、石破総理が日本でどれだけ政治的なリーダーとして強いかというのもポイント」
首脳会談の見通しがつかないなか、まず石破総理に求められるのは国内政治を固めることなのかもしれません。
(「グッド!モーニング」2024年12月2日放送分より)