
今回の地震の影響で建物の倒壊、火災が発生し、けが人も多く出ました。
割れた皿…マンホールからあふれる水
8日午後11時15分ごろ、青森県で最大震度6強を観測する地震がありました。
デスクに置いてあった書類は散乱。衝撃の大きさが分かります。
岩手県滝沢市。水槽の水が地震の揺れで大きく波打ちます。
激しい揺れは北海道札幌市でも…。
青森県八戸市内の地震発生直後の様子です。建物の2階の窓ガラスが割れ、地面に破片が散らばっているのが分かります。一部外壁も剥がれ落ちています。建物内にもガラスが割れ、破片が散らばっています。エレベーター付近の壁も剥がれ落ちています。
八戸市の中心街では、警報音が鳴り響いています。
ラーメン店ではどんぶりが割れてラーメンが…。ビールのサーバーのタンクがぐちゃぐちゃになっていました。キッチン内も物が落ち、器が割れてしまっています。
町を歩いていると、至る所にガラスの破片が落ちています。飲食店の店内でもお皿が割れていました。
さらに、横断歩道の真ん中で水道管が破裂したのでしょうか、水が噴き出しています。マンホールからあふれてくる水で道路の一帯が水浸しに。収まる様子はありません。
住民の男性
「まだ揺れてる。やばいやばい」
「生まれて55年間、八戸に住んでたんですけど、感じたことのない揺れでした。結構長く感じました。強い揺れは体感では2分近く。腰が抜けそうなくらいの揺れで、玄関の所に本棚があるんですけど、そこに手をついて何とか立っていた感じ」
こちらの家では…。
住民の女性
「揺れ始めたと思ったら、すぐに強い揺れになって、リビングとか、台所とかは、高いラックとかあって、もうバンバン(物が)倒れて、バンバン物が割れていってたので、寝室から出ちゃいけないと思いました」
家具や食器の破片が散乱し、家の中を移動することもままならないといいます。
住民の女性
「マンションだと音がすごいんですね。ビシビシビシーってすごい(音が)して、どっか割れてるんじゃないかって本当に思うぐらいで、玄関ちょっと出てみたんですよ、大丈夫かと思って。やっぱり壁の何かが塗ってあるのが、割れて落ちてました。物が倒れてくるまでの地震って遭ったことがなかったので。本当怖いっていう感じ」
八戸市の中心街では、至る所でビルの窓ガラスが粉々に砕け、破片が地面に散乱。建物の中へ入ると、廊下は水浸し状態に。漏水が起きているのか、天井から水滴が落ちています。
さらに、歩道のブロックは、凸凹に剥がれてしまっています。
飲食店の店主
「入居してるビルの外壁だったり、空き店舗のガラスも割れちゃったりして。ここまでの地震というのは近年はあまりない。ビルの管理者も1、2時間くらい前に来て、応急処置とか片付けとかしてますけども、まだガラス片であったりとか、外壁が剥がれて落下しているところとかもある」
道路陥没…今にも落ちそうな車
青森県東北町では道路が陥没。車が1台巻き込まれ、車体が斜めに傾き、今にも落ちてしまいそうな状態です。
地震発生前の道路の様子です。道路は大きく陥没し、ガードレールはひしゃげているのが分かります。車に乗っていた50代くらいの男性が、病院に搬送されました。
被害額1800万円超 店に甚大被害
雑貨店の店主
「終わった。あ~あ~あ~終わった…」
東北町のアメリカン雑貨店。ショーケースが割れ、商品が床に散乱。バイクのおもちゃは落ちて壊れてしまっています。
「どーんとたたきつけられた状態で、そこからすごく激しい横揺れだったので。(2011年の)三陸沖の地震では壊れなかったけど、今回は小刻みで特別だった。変わった地震」
地震前の店内は、通路の両サイドの棚にきれいにディスプレーされていましたが、棚が壊れ、商品は床に落下。通路を塞いでしまっています。
「陳列を変えるしかないですね。低い位置に。一点ものやビンテージもの。商品の3分の2が破損した」
被害額は1800万円を超え、片付けには3日かかるといいます。
「先行きが不安。涙が出るかと思いきや、ショックで口が渇いた。26年雑貨屋やって初めての経験」
飲食店営む男性「建物が崩れていた」
青森県むつ市で飲食店を営む男性は…。
「店の改装作業をしていて、作業をしている途中に地震のアラートが鳴って。とりあえず外に逃げたら、すごい揺れていて。揺れが収まったころに店のほうに戻って中を確認したら、グラスとかが割れていて」
店の周辺では…。
「私たちはアーケードの中にお店があるんですけど、アーケードの外に出たと同時にドーンという音がして、見たらその建物が崩れていた」
骨組みの木枠やシートがむき出しになった建物。地面には大きな板や外壁などの破片が積み重なっています。さらに…。
「ホテルの看板というか、外壁が落ちてきていて。止まっている車の屋根に看板が落ちてきて」
ホテルの外壁についていたと見られる装飾が駐車場に止まっている車を直撃。車は凹み、フロントガラスはひびが入っています。
青森市では火災も発生
多くの消防車両が集まった林の先には、激しく燃える炎が…。青森市内では8日、地震発生直後の午後11時半ごろ、事務所を兼ねた住宅で火災が発生しました。
もうもうと煙が立ち上り、炎は建物全体を覆っていて、闇夜を真っ赤に照らしています。激しく火柱が噴き出す様子も。火の粉は2階建てと思われる建物の屋根を超え吹き上がっていて、炎の激しさを物語っています。
必死の消火活動が続けられますが、すでに一部の建物は骨組みがむき出しになっています。
付近の住民でしょうか。毛布に体を包み、消防関係者に支えられ、救急車に乗り込む姿も見られました。
この火事で、高齢の男性が1人がけがをしました。
最大70cmの津波観測
この地震の影響で、北海道や東北地方に一時、津波警報が発表され、最大70センチの津波を観測しました。
9日午前1時前後に岩手・久慈港で70センチ、北海道・浦河で50センチ、青森・八戸港で40センチの津波を観測しました。
午前0時前後には、青森・むつ小川原港で40センチ、北海道・えりも町庶野で30センチの津波が観測されるなどしています。
北海道函館市は震度5強を観測。高台には避難してきた人たちの車がずらりと並んでいました。
高台に避難した人
「(Q.どのくらいの揺れでした?)テレビが落ちそうになった。私の部屋の。怖かった。寝てたからね。横になってテレビ見てたから、テレビがこう動いて落ちてきそうになったから、びっくりしましたよね」
東日本大震災を思い出したといいます。
「前回(東日本大震災)も、ここに逃げてきたんですよ」
「(Q.やっぱりこの辺が一番安心ですか?)そうですね」
地震の影響は高速道路でも…。沼ノ端西ICは、地震の影響で通行止めとなっています。
新千歳空港でも、地震の影響で辺り一面に破片が散らばっています。頭上を見上げますと、天井の一部が剥がれ落ちています。
別の場所でも天井が剥がれ落ちていました。空港の通路には、やむを得ず一夜を過ごすことになった人たちの姿がありました。
空港泊する人
「地震の影響で電車も動かず、タクシーもなく。地震の影響で宿泊ホテルも無理だということだったので、こちらにいるという感じですね。(ホテルは)苫小牧にとっていたんですけど、避難に入っちゃってて、チェックインができなかった」
厳しい寒さ…避難は
地震が発生しておよそ2時間後。青森県八戸市の避難所には、住民らが身を寄せていました。
避難者
「同じ町内会」
「それぞれで来て、ここで会いました」
「(Q.東日本大震災と比べて)地震は強かったよね。きょうのほうが」
「(東日本大震災は)日中だったから、今は夜なので不安だよね」
避難者
「自宅にいて布団に入ろうとしたら、すごい揺れでビックリして避難しなきゃと思い、会社の実習生を連れて避難しました」
「(Q.実習生はどんな表情だった)今年来たばかりのインドネシアの子はパニック状態でしたね」
「(Q.津波警報もありましたが)どうしていいか分からなくて、とにかく避難しようという形で、みんなと連絡をしあって、こっちに避難しました」
岩手県大船渡市では深夜にもかかわらず、多くの人が車で避難所を訪れました。
避難者
「めちゃくちゃ揺れていて怖かったです」
避難者
「(津波の高さが)3メートルというから、まさかと思ったが」
「(東日本大震災の)経験をしているからビックリした」
北海道日高町でも、避難所に大勢の住民の姿がありました。毛布にくるまりソファーで眠る人や、お互いの無事を確認したのか、ストーブで暖を取る住民もいました。
避難した住民
「地震は長かったですよ。あんなの初めて。いやービックリしましたね」
避難した住民
「(Q.何分ぐらい揺れた?)感じとすれば何分だよね。(実際は)何秒だろうけど。全然前に行けなかった」
日高西消防組合によると、この地震で避難所に避難しようとした70代女性が駐車場で転倒し、病院に運ばれました。
青森県七戸町の駅では、東北新幹線が地震の影響で停車。多くの乗客が車内に足止めとなりました。
青森市へ向かう乗客は、こう述べました。
新青森駅へ向かう乗客
「トンネルの中で止まり津波警報が出たので、ちょっとトンネルの中は怖いなと思った。ちょっと家に早く帰って、あしたの仕事の準備がしたい。あと家の中がどうなっているのか」
「後発地震注意情報」初の発表
この地震を受け、午前2時に気象庁と内閣府が会見を開き、今後への警戒を呼び掛けました。
気象庁 原田智史調査官
「8日23時15分頃に発生しました青森県東方沖の地震につきまして、震源域や規模を精査した結果、北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表いたしました」
この会見で発表されたのは、今後発生する可能性がある大きな地震への警戒を呼び掛ける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。気象庁は2022年の運用開始以降、初めて発表しました。
内閣府は、大きな地震が発生した場合に、速やかに避難できるよう態勢を維持するよう求めました。
内閣府 森久保司参事官
「(津波警報が)解除されたからといって安心することなく、次の後発地震に備えた対応を引き続きお願いしたい」
この後発地震注意情報は16日午前0時まで、特別な備えについての呼び掛けが続きます。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年12月9日放送分より)
この記事の画像一覧
