
皇后・雅子さまが62歳の誕生日を迎えられました。まだ体調に波があるという雅子さま、即位後最多に上った地方公務をどのようにこなされたのでしょうか。
医師団「体調に波」
9日午後4時すぎ、雅子さまは上皇ご夫妻のお住まいを訪ね、誕生日のあいさつをされました。
「日頃より皆様から寄せていただいている温かいお気持ちに対し、改めて心からの御礼をお伝えいたします。これからも国民の皆様の幸せを祈りながら、できる限りの務めを果たすことができるよう努力していきたいと思います」
「できる限りの務め」。雅子さまにとって、今年は忙しい1年でした。先月も三重県を訪問されたばかり。
社会部 宮内庁担当
吉田遥記者
「今年は地方へのお出ましが13回と、令和になって最多となりました。中には2泊3日の行程もあり、皇后さまは行事に向けて、相当努力されて体調を調整されてきたということです」
雅子さまの体調について9日、医師団は「依然としてご体調には波がある」と発表しています。
そんな中でも、雅子さまは全国を回られ、去年は6回だった地方公務は、今年13回に倍増しています。
日程も去年は1泊だけでしたが、今年は関西に2泊されたほか、慰霊の旅で訪れた長崎でも2泊されました。
吉田記者
「今年は戦後80年で、各地で慰霊をされたこと。大阪・関西万博や阪神・淡路大震災の追悼式典などに出席されたから」
戦後80年の節目、雅子さまはこう思いを寄せられています。
「多くの人々の努力によって我が国に平和が築かれ、守られてきたことを忘れてはならないと思います。同時に、今後とも永続的に平和を守っていくことの大切さを改めて深く心に刻む年になりました」
7月のモンゴルご訪問では、第2次世界大戦後にモンゴルで抑留された日本人の慰霊碑に花を供えられた雅子さま。それも細やかに工夫をされながら、体調を調整されたということです。
吉田記者
「モンゴル公式訪問では、もともと陛下が単独で参加される予定だったナーダムの競技ご覧や現地の方との懇談に、皇后さまも急きょ参加されることもありました。体調が良かったということもありますが、現地の方々の温かい歓迎をきちんと受け止めたいという気持ちもお持ちだったのでは」
9日に公開された映像で、お二人がご覧になっているのは、7月のモンゴル訪問の際、現地でフレルスフ大統領夫妻から贈られたアルバムです。
雅子さまは改めて感謝の言葉をつづられました。
「フレルスフ大統領ご夫妻には、私たちを大変温かく迎えてくださり、歓迎行事、晩餐(ばんさん)会、ナーダムの開会式や競馬競技などに加え、大統領公邸でも心のこもった素晴らしいおもてなしを頂いたことに改めて心から御礼を申し上げたいと思います」
ただ、医師団は「大きい行事の後や行事が続いた場合には、お疲れがしばらく残ることもある」としたうえで、こう付け加えています。
「公的なものに加え、私的な部分でもご活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えております」
吉田記者
「ある側近は、会食や美術展、ご一家の愛犬・由莉のアニマルセラピー参加も含めた、私的なご活動を通して、社会との接点を持たれることが皇后さまにとって大切なのではと話していた」
その由莉とは、今年悲しい別れとなりました。
雅子さま
「16年間、私たちと一緒に暮らし、たくさんの喜びや楽しみを与えてくれた由莉との別れは今でも淋しく感じられますが、生前、多くの方から折に触れて由莉への温かい気持ちを寄せていただいたことや、由莉の長寿を支えていただいた方々に心から感謝しております」
また、雅子さまは上皇ご夫妻への思いもつづられました。
雅子さま 上皇ご夫妻への想い
9日に62歳の誕生日を迎えられた雅子さま。
午後4時すぎ、雅子さまは上皇ご夫妻のお住まいを訪ね、誕生日のあいさつをされました。
雅子さまは、7月に入院された上皇さまの体調も気遣われています。
「天皇陛下をはじめ、私や愛子も御案じしておりましたが、秋には葉山にもいらっしゃれるようになり、安堵(あんど)いたしました。上皇上皇后両陛下には、くれぐれもお体を大切になさり、お健やかにお過ごしになりますよう心よりお祈り申し上げます」
皇居では9日、祝賀行事が行われ、雅子さまは秋篠宮ご夫妻をはじめ、佳子さまや悠仁さまからお祝いを受けられました。
