救急医でもある国民民主議員が「救急車の有料化」提案→高市総理の答えは 増える出動数、延びる病院到着時間、半数近くは軽症

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国民・福田議員
【映像】「他にもアイデアがある」熱弁の議員に議場笑い(実際の様子)
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 12日の衆議院予算委員会で、救急医でもある国民民主党の福田徹議員が「救急車の適正利用が必要」だとして、「救急車の有料化」を取り上げた。

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 福田議員は冒頭「私は救急医療の現場で働いていた救急医として断言できるのですが、救急車の適正利用というのは間違いなく命に直結する政策です。特にひとたび心肺停止に陥れば分単位、秒単位で救命できる確率はどんどん下がっていきます。1番の問題は救急要請をしたあと病院に到着するまでの時間が延びていることです」と切り出した。

 そして、病院収容までの平均所要時間が平成16年は30分だったのに、令和6年は44.6分と、大幅に増えていると指摘。原因として、令和6年の救急車出動件数は過去最多の771万8380件、前年比8万件増加となっている点を挙げ、その中で軽症は46.8%、中等症をあわせると91.4%と「間違いなく本来は救急車の利用が必要でなかった事例が含まれていると確信できます」と指摘した。

 そのうえで、改善策として「救急車の有料化」を提案。まず総務大臣に「これまで救急車の有料化を検討されたことはあるか、現時点でどのような課題があるとお考えか」と質問した。

 林芳正総務大臣は「平成27年度に救急業務のあり方に関する検討会で検討した。この検討において、経済状況によって救急要請をちゅうちょするのではないかとか、有料無料の線引き、またその判断、とっさの判断になることが多いのでそういうことは難しいのではないか、さらには料金徴収に係る事務負担が増えるんじゃないかと導入の際に多くの課題があること、そして各消防本部からも懸念が示された」とし、「慎重な議論が必要」と答えた。

 福田議員は「多くの課題があることは承知しておりまして、少しでも前に進むデータを示したい。昨年10月大阪で日本救急医学会学術集会がありました。その中で救急車の有料化に関するセッションがあった。会場に300人ぐらいの救急医がいて、そこで救急車の有料化に賛成か反対かという挙手のアンケートがあったが、私が見る限り反対と手を挙げた救急医は2名、ほかはほぼ全員が賛成と答えました。現場の救急医の感覚はこれぐらいなんですね」と述べた。

 続けて、三重県松阪市で2024年6月から救急搬送されて入院に至らなかった軽症患者から選定療養費という形で病院が7700円徴収する、救急車有料化に似た取り組みを紹介。この結果、1年間で救急出動件数は約10%減少。同じような取り組みは茨城県でも行われ、救急出動件数が4%減少したという。

 福田議員は「一方でこの取り組みの最大の懸念というのは救急要請をためらって本来は必要であった重症患者さんの予後が悪くなる、これが最大の懸念点です」としたうえで、「私自身で松阪市、茨城県、両自治体で救急医療に取り組む救急医に直接、そういう予後が悪くなってそうな実感ってありますかと確認しました。そうしたら『治療の遅れを思わせる事例が増えたという実感はない』そう答えられました」とし、茨城県知事も「救急車の呼び控えによる重症化の事例の報告もない」としているとしたうえで、「高市総理、このデータは救急車の有料化を検討するのに資するものと考えますがいかがお考えでしょうか」と質問した。

 高市早苗総理は「両自治体では取り組みの結果救急搬送件数が減少したということで、救急車の適時適切な利用に一定の効果があったと考えられますが、いずれも取組開始後1年間の実績ですから今後の動向を注視してまいりたいと思っております」と答えた。

 福田議員は続けて、「実は私、今どんどん増えている救急車利用のほとんどは不適切だと思っていない。消防密着24時みたいなテレビで扱われるような明らかに悪意を持った事例というのはもう本当にごく僅かで、多くは本人たちも正直重症だとは思っていないけれど救急車以外の移動手段がないから仕方なく、という事例がほとんどだ」としたうえで、救急車以外で移動を手伝えるサービスは民間救急か福祉タクシーになるが、台数が少ないのが問題だと指摘した。

 続けて「(福祉タクシー事業者らに)もっと台数を増やしてもっと活躍してほしいですとお話するんですけど皆さん言うんです。いわゆる救急対応で利益が出るようだったらみんな参入しますよと。でも救急対応するためには24時間365日誰かを待機させておかなければいけない、このコストがそもそも大きいし、何より救急車が無料である限りそんなサービスは存在しないっておっしゃるんですよ。どれだけ頑張っても無料には勝てません、それが多くの事業者の意見なんです」と述べた。

 そして「救急車の適正利用って間違いなく進める必要があると思います。でもそれを進めるためにはその代わりとなるサービスを準備する必要もある。その上で救急車が無料であることが実は大きな壁になっている可能性があると思っております。救急車の適正利用を進めるためにその代わりとなるサービスをより推進するために何かお考えありますでしょうか」と質問。

 田辺康彦総務省消防庁次長は、「患者等搬送事業の活用を促していくべきではないかというご指摘だと思います」として「認定事業者一覧のホームページへの掲載や、♯7119(救急相談センター)の相談者に対する案内等を通じて地域住民に対する広報を展開する」などと答えた。

 福田議員は最後に「救急車有料化」以外の改善策も提案。「今より質の高い、より重症な患者へ安心して医療を提供できる在宅医療の態勢を整えることです。今少し重症になると救急車で搬送されて、救命救急センターに行って、高いコストで入院治療が行われています。でも、すぐれた在宅医療提供体制があれば、同じ医療の質をもっと低いコストで救急車の利用もせずにそのまま自宅で提供することもできます」などとした。(ABEMA NEWS)

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