
宇都宮市の中心部で連日クマが目撃されるなど、今年も全国でクマによる被害が出ている。こうしたクマに対処するハンターの負担を軽減する取り組みが北海道で行われている。
駆除後にも問題が…
8日午前3時すぎ、宇都宮市中央卸売市場付近の駐車場をうろつくクマ。
水が飲みたかったのか、いったん川に近づくがその後、ゆっくりと橋を渡り茂みに消えていった。
市の教育委員会は、8日に引き続き9日も市立の小中学校、94校を休校にすると発表した。
全国でクマの出没が相次ぐなか、別の問題も起きている。
番組が向かったのは北海道南部の福島町。4月、住宅が密集する漁港近くの国道でヒグマが目撃された。
福島町在住(77)
「そこの所がクマの通り道みたいになっていて、だから今あっちの畑は行っていない」
地元のハンターによると、これからの時期は特に注意が必要だという。
福島町ハンター 道下志郎さん
「これからクマの発情期が始まるから、メスを探すのにオスはあちこち徘徊(はいかい)して歩く」
住民を守るためにクマを駆除するハンター。だが、駆除したらそれで終わりではない。
道下さん
「大変、すごく大変。重労働ですね」
駆除したクマの死骸を山中に放置すると、においに呼び寄せられた別のクマが人里に出没することもあるため、ハンターは2~3時間かけ解体作業を行い、廃棄するという。
「(北海)道の方ではできるだけ細かくしなさいと、1袋に10キロ前後のものを梱包(こんぽう)して、可燃ごみに出す作業をしていました」
ハンター負担軽減「装置」
さらに、駆除したクマの処理を担う焼却施設でも新たな問題がある。
2025年度、北海道江差町の南部桧山清掃センターでは、前年度のおよそ5倍となる121頭のクマが持ち込まれた。
また、クマ1頭の焼却にはおよそ80リットルの灯油、一般的なポリタンクおよそ4つ分が使われる。費用は1回およそ1万円。年間で100万円を超えてしまう。
こうした中、クマの死骸廃棄に関わる課題の解決につながるある施設が注目されている。
福島町産業課 福原貴之課長
「解体せずにハンターが持ち込むことができる」
北海道福島町には、ハンターの負担軽減につながると注目されている「装置」がある。
有害鳥獣減容化処理施設 北條哲志さん
「有害駆除された動物を減容化する機械。シカ・キツネ・タヌキ・アライグマ・イタチ・テン・クマなどを処理しています」
装置の中に入っているのは微生物と細かい木片。それらを使い、クマなどの死骸を自然の力で分解し、最終的には水と二酸化炭素に変えるという。
動物の肉と内臓はおよそ1日、骨や皮もおよそ2日で分解される。手間だった駆除後の処理が簡単にできるようになった。
福原課長
「ハンターが福島町内では4人しかいない状況。有害駆除にかかる労働力が相当、負担かかっておりました。負担を軽減するためにこの施設を建設しました。昨今の油の高騰もありますし、コスト的にはこちらの方が安価だと認識しております」
そして、ハンターもこのように話している。
道下さん
「(解体に)時間がとられないから、この施設があるおかげで活動時間が長くなる。長くなるということは見つける可能性も高くなる。相乗効果が高い。一頭でも駆除できるようになると住民は助かると思う」
企業がハンター養成
今後もハンター不足や高齢化が危惧されるなか、業務で必要なハンターを自社で養成するという取り組みを始めた北海道の企業に番組が話を聞いた。
札幌市にある地質調査会社「レアックス」は、橋やダムなどのインフラ施設を建設する前の地質調査を行っているそうだ。
山間部の調査でクマが出没する可能性が高いと判断した場合、ハンターに同行を依頼するそうだが、その場合、一日あたり4万円~5万円の費用がかかるそうで、調査期間が長引けば100万円以上かかることもあるという。
そこでハンター不足などを見据え、社内で「ハンター・プロジェクト」という取り組みを今月、スタートさせたという。
全社員28人の中から選抜された40代~60代までの3人が、ハンターつまり第一種銃猟免許取得を目指しているそうだ。12月に行われる試験での合格を目標に、銃に関する知識などを学んでいるという。
銃の購入費用など、一人あたりおよそ60万円の費用は、すべて会社が負担するということだ。
ハンターを目指す一人、喜多淳滋さん(52)は「ハンターの役割はクマに遭遇した場合、危険を排除することだが、それ以上にそもそもクマと遭遇しないための知識を身につけられることが非常に重要」と話している。
将来的には10人程度のハンターを養成する予定で、同業他社にハンターを派遣することも考えているということだ。
(2026年6月9日放送分より)
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