
9日午前2時すぎ、栃木県宇都宮市の住宅街で、雨の中を走り去るクマの姿がカメラに捉えられました。宇都宮市では週末から中心部でクマの出没が相次いでいます。
クマを捉えた映像が次々と
8日午後9時前の宇都宮市。クマが目撃された現場周辺では、警察が道路を封鎖。
緊張が続く現場周辺。中学校の校庭の中にもパトカーが待機しています。実は、この付近では未明にもクマが出没していました。
8日に引き続き、9日も市内の公立小中学校94校がすべて休校に。
さらに、先ほどの中学校から1.5キロほど離れた場所でも…。右奥から傘を差した2人組が歩いてきます。そのおよそ20秒後、画面奥で右に動く黒い影。立ち止まったかと思うと、方向を変え、手前の道路に近づき、目が反射で光ります。すると、ヘッドライトで照らされたクマは、驚いた様子で逆方向へ逃げていきます。
その数分後、画面下から小走りで現れたクマ。水を飲みたかったのか、一度川をのぞき込みますが、引き返します。そのまま橋を渡っていったクマ。JR宇都宮線の線路と、宇都宮中央卸売市場の方へ消えていきました。
玉一商店 従業員
「(Q.これまでこの辺りでクマを見たことは?)いや、一度もないです。正直、人生初です。出くわしていたらと思ったら怖かったですね」
駅前商店街を疾走
連日、市街地や住宅街など、人が多い場所でクマが出没する宇都宮市。クマの目撃情報が相次いだのは6日からです。
顔だけ振り返り、こちらをじっと見つめるクマ。クマが目撃された場所は一見、山の近くに見えますが、逆側には大きな住宅街が広がっています。
それから2時間後、先ほどの場所から南東に1キロほどの場所で、大きな体を揺らし階段を上っていく姿が。こちらも付近には住宅街が広がり、ほんの数十メートルの所に神社やこども園がある場所です。
そして、日付が変わって6時間後の7日午前2時すぎ、クマが目撃されたのは宇都宮の中心街。東武宇都宮駅のすぐそばにあるオリオン通り商店街でした。
深夜2時とはいえ、多くの人が行き交う中、2人組の目の前を走り去っていったクマ。1人はクマと気づき、すぐさま走って逃げ、もう一人はその場で立ち止まってしまいます。クマも目の前に現れた2人の方を見て、方向を変えたようにみえます。
オリオン通りを抜け、川沿いを走っていったクマ。その後の足取りを追うと、アーケードで目撃された8分後の午前2時27分ごろ、洋菓子店の防犯カメラが姿を捉えていたのは、道路を駆け抜けていくクマ。建物を右に曲がり、姿を消しました。
住宅敷地内にクマ
オリオン通り商店街で目撃されてから3時間後。午前5時すぎに目撃されたのは、およそ2.5キロ離れた宇都宮高校付近。そして、夕方になると、姿川中学校の校庭に姿を現しました。
複数の通報を受け、警察や猟友会がパトロールにあたりました。
クマが目撃された中学校から100メートルほどの住宅では、画面右の道をクマが闊歩しているのが分かります。撮影されたのは道路ではなく、住宅の敷地内です。
クマが敷地内に侵入 住民
「クマがこう来て、ここ曲がってきたんですよ。まさかと思いました。どんな情報が入ってるんですかって警察に聞こうと思って電話したら、その時、目の前をクマが通ってきて、うちの敷地に入ってきたので警察には電話しながら『今うちに来ました』って。その後、外は怖くて出られなかった」
さらに、住民に案内された先には、クマが乗り越えたとみられるフェンスは金属製にもかかわらず、ひしゃげるほど曲がっています。
「猟友会の人も来てくれたんですよ。これ見てたら『これだと(クマは)100キロはある』って。『大きかったんだろうね』って」
住宅街に…午前2時の新映像
そして、日付が変わった8日未明、西川田町から5キロほど離れた宇都宮中央卸売市場、そして陽南中学校付近で目撃されました。
午後7時ごろになって陽南中学校付近で再び目撃され、警察が警戒にあたっていましたが、捕獲したという情報は入っていません。
そして、9日午前2時17分、陽南中学校から600メートルほどの住宅街で撮影された最新の映像です。雨の中、細い路地を走っていくクマ。逃げるように、左へ曲がっていきました。
連日、宇都宮市内を縦断するかのように広範囲で目撃されたクマ。ただ、すべてが同じ個体とは言い切れません。
猟友会
「複数いると思ってね」
「(Q.複数ですか?)いる可能性はあります」
4人襲ったクマ見つからず
先週、クマが立て続けに人を襲い、今も行方をくらませている福島市では、8日も小学校では保護者が送迎するなど厳戒態勢が続いていました。
保護者
「家から2~3分の所に(クマが)出たので心配は心配ですけど、クマありきの日常になってきています」
福島市立野田小学校 青柳俊宏校長
「(職員)全員総動員で対応している。こんなに近場でクマの情報が確認されたということに、正直驚きを隠せない…」
週末には、市の職員が車で見回るだけでなく、ドローンを使い空からもクマを探します。
郵便局では、クマ対策として自動ドアを手動にする対応も。
住民
「クマが逃げてどこにいるか分からない。怖いですよね」
蛇口ひねり水を飲んだか
クマが現れたのは2日。JR福島駅から3キロほど離れた場所です。
4人を襲ったクマは40時間近く工場に居座り続け、こつ然と姿を消しました。その現場を案内してもらうと…。
OKIシンフォテック 丹治典久執行役員
「この蛇口ですね」
この場所でクマは人里に慣れたような意外な行動を取っていました。
横一列に並んだ蛇口に“前脚”を当て、水を飲んでいるクマの姿を市の職員が目撃。水を飲むために蛇口をひねったのでしょうか。
福島大学 望月翔太准教授
「鼻が良いので、ここに水があると思ってその辺りをガシガシやっていた可能性ももちろんありますし。最近は、いわゆるアーバンベアという形で、人里近くで暮らしているクマも非常に増えているのが事実です。そうした過程で、もしかしたらああいうところ(蛇口)で水が出るとか一度経験している可能性も十分にあるとは思います」
逃げ出す際にも…。
丹治執行役員
「窓が閉まっていたが(クマが)窓を開けて網戸を突進して出ていった。スーッと開けて音もしなかったらしい」
窓の鍵の近くには爪の痕とみられるものが…。クマ自らが窓の鍵を開けてスライドさせて外へ出たことになります。
望月准教授
「もともと器用な動物なので、引くタイプのドアであれば開けることができます。いたずらをしていたら鍵が開いて、窓を開けたということは十分考えられる。人里の人工物にちょっとずつちょっとずつ慣れているクマが出てきているんじゃないかなと思っています」
扉に猛スピード突進
東北地方を中心に相次ぐクマの出没。東北6県の出没情報は、この春だけで3000件近くに達し、去年と同じ時期の2倍以上に増えています。
最多となる1200件以上の出没情報が寄せられた秋田県では先月、秋田市の住宅街でクマが頻繁に目撃されました。
クマが出没したのは、先月21日午前11時ごろ。住宅の方へ走ってきた1頭のクマが何かに激突。
別角度のカメラには、クマが扉に突進していました。その後、クマは猛スピードで道路へ逃げていきました。
クマの目撃は今月に入っても相次いでいて、周辺のイベント施設では、朝夕一日2回、爆竹を鳴らし警戒。
秋田テルサ 相場史子総務課長
「イベントも多いので、できる限りの安全対策は取らなければいけない」
住民の警戒も一段と高まっています。
近くでクマが出没
「何かあると寝室からすぐ瓶を持って、これで泥棒対策兼クマ対策ですね」
寝室の棚に空の瓶を並べ、クマなどが出没した場合に備えているといいます。
「活気ある良い住宅街だったんですけども、子どもさんの声が聞こえなくなって寂しいですね」
繁殖期終わる7月まで警戒
こうした中、秋田県内では今月2日、今年初めてとなるクマによる死亡事案が発生しました。
亡くなったのは、秋田市在住の70代女性。クマは遺体発見現場付近で猟友会に駆除されました。
今月に入り相次いで起きたクマによる人身被害に岩手大学・山内貴義准教授は、繁殖期のクマは普段より行動が活発になるため、人と遭遇するリスクが高まるといいます。
「6月7月というのは、クマはちょうど繁殖期にあたるので、クマの行動自体が非常に活発化している」
2021年6月には、札幌の住宅街に突如現れたクマ。男女4人が襲われ、重軽傷を負いました。
山内准教授は、繁殖期が終わる7月までは警戒が必要だといいます。
「子どもを連れた母グマは子どもをオスに狙われたりするので、わざと人里近くに行動をシフトさせる。急に家の裏の桑の木に親子連れのクマが居座ることも、この後は頻発するのかなと思う」
(2026年6月9日放送分より)
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