9日、宇都宮市の住宅街に現れたクマ1頭が捕獲されたことを受け、9日午後6時から宇都宮市が記者会見を開いた。会見では、これまでにない中心市街地や住宅密集地への出没という事態に対し、人的被害を出さずに捕獲に至った経過や、今後の警戒体制について説明が行われた。
【映像】口が開いてる? 1mくらい?捕獲されたクマ(実際の様子)
クマ目撃の第1報が市に入ったのは6月6日午前6時56分、警察からの連絡だった。その後も数日にわたり目撃情報が続いていたが、事態が急転したのは9日の午後だった。午後1時、現場近くに住む市民から「外をクマが歩いている」と市に直接連絡が入った。ほぼ同時に警察へも多数の110番通報があったといい、間違いなくクマであると判断した市は、猟友会などの関係者に出動を要請した。クマは非常に広範囲を移動しており追跡が難航したものの、午後2時2分、現場の民家の庭先に立てこもったところで、市と猟友会が初めて個体を目視で確認した。
現場周辺は警察によって封鎖され、午後2時半に栃木県から麻酔銃の使用許可が下りた。市が3月に策定した緊急事態対応マニュアルでは、集合住宅地域などの密集地では危険が生じるため、実弾による猟銃の使用は否定されると定めていた。今回の現場もバックストップ(弾を受け止める土手など)が全くない密集地であったため、市は麻酔銃による緊急捕獲を選択。麻酔銃は宇都宮動物園の関係者によって発射され、午後2時35分の1発目、午後2時50分の2発目は命中しなかったが、午後3時30分の3発目が命中。午後3時45分に捕獲が完了して箱罠に収納され、午後3時50分に現場から搬出された。
捕獲された個体は、市による猟友会への聞き取りでは、性別はオス、体重は100キロ弱で、おそらく成獣とみられるという。今後について、市はマニュアルの規定により「人家に侵入した(またはその恐れがある)個体は殺処分の対象個体となる」と説明。猟友会に運搬を委託しており、殺処分される方針であることを明かした。会見時点では処分の完了までは確認されていない。
一方で、会見では「2頭目」の存在をめぐって議論が交わされた。当初、捕獲後の午後3時56分に下岡本町地内で寄せられた目撃情報や、現場で確認された動物の足跡が2頭目の根拠とされていたが、市はその後の調査で「足跡も含めクマのものではなかった」と断定したことを明かした。しかし、市が2頭目の疑いを排除していない背景には、同日午前中に県警から発表された「2頭の目撃情報」が存在する。市は警察の発表を根拠に、依然として別個体(2頭目)が潜んでいる可能性を視野に入れ、警戒対応を続ける方針を示した。
この2頭目の目撃情報を受け、市教育委員会は「安全に万全を期す」として、翌10日は市内の小中学校を全校休校とする措置をとると発表した。また、市としては今後3日間は現場の調査や警察と連携したパトロールを継続し、特に異常がなければ警戒を一旦解除する予定だ。市は今回の対応について、事前の机上訓練により連絡体制は機能していたと評価しつつも、移動するクマの目視確認の難しさなどを課題に挙げ、今後は専門家の意見も伺いながら迅速かつ適切な体制を整備していくとしている。
(ABEMA NEWS)

