自動車部品大手のタカタが経営破たんした。エアバッグの異常破裂による事故で、7000万個以上がリコール対象となり経営が悪化。最終的な負債総額は1兆円を超える見込みで、製造業としては戦後最大だ。
高田重久社長は6月26日、会見で、「すべての関係者の皆さま、債権者の皆さまにご迷惑をお掛けすることになり、タカタ株式会社を代表致しまして、心より深くおわび申し上げます」と、頭を深々と下げて謝罪した。
タカタはこれまで、当事者間の交渉で進める“私的整理”で経営再建を目指してきた。しかし、自動車メーカーの要求が強く、外部の専門家委員の提案を踏まえ、透明性が高い“法的整理”を選ばざるを得なかった。今後、裁判所の管理下となり、中国傘下のアメリカ自動車部品会社「キー・セイフティー・システムズ」から支援を受けて、経営再建を目指す。信頼回復とともに商品の安定供給を目指すが、500社を超える下請け会社への影響など懸念材料が多く残っている。
タカタ経営破たんの経緯は、2000年に欠陥を知りつつエアバッグ部品を製造・出荷していたことにさかのぼる。2004年、アメリカで実際にエアバッグの不具合が起き、2008年には、ホンダがアメリカでエアバッグ部品を初リコール。その後、2009年に初めての死亡事故が起き、これまでに11件の死亡事故が発生した。そうしたなか、2015年に拒否していた全米のリコールにタカタが同意。そして、2017年6月26日に民事再生法を申請した。リコール費用など負債総額は1兆円越えとなった。
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「2004年から分かっていた問題なのに甘く見ていた」と問題点を指摘する。「それゆえ、対処が悪く問題が大きくなってしまった。オーナー社長のため、対応が遅くなり問題が拡大。アメリカは訴訟社会ということもあり、タカタに対してバッシングが強くなっていた。日本の自動車会社は助けることができたが、リスクが大きすぎると判断し、手を引いた」と、コメント。また、今後の問題として「技術が流出すること」をあげた。
(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)