ジャーナリスト・広河隆一氏、セクハラは日常的行為か バイト女性に「体を重ねて分かり合うのが一番」
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 世界的なフォトジャーナリスト・広河隆一氏が発行人を務める雑誌『DAYS JAPAN』に関わった女性たちが性的暴行やセクハラを受けたと広河隆一、複数のメディアで証言している。

 2010年のインタビューで、広河氏は「被害者側からの報道」に言及。メディアに下記のように答えていた。

「自分たちの責任で被害者が出るようなことを引き起こした側は、自分たちに責任があるようなこと、被害者たちの存在を絶対に隠そうとするんですね。やらなきゃいけないことは、それで誰が苦しんだかを見せることだと思います」

 被害を訴える女性に対して、いま広河氏は何を思うのか。広河氏が発行人を務める雑誌『DAYS JAPAN』の事務所が入居するビルに行ってみたところ、中にはスタッフらしき人が。しかし、今回の件についてのコメントはなく、広河氏の写真すら見せてくれなかった。

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 外の看板には「世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌『DAYS JAPAN』」の文字。『DAYS JAPAN』の事務所内部で一体何が起こっているのか。被害に遭った女性を実際に取材した『BuzzFeed Japan』編集部の小林明子記者に話を聞いた。

「被害を証言した女性は『写真が下手だから教えてあげるよ』と(広河氏に)ホテルに呼び出された。『(広河氏は)ホテルで原稿を書いている』という話を聞いていたらしいです。女性が部屋で待ち合わせするのかと思っていたら、そのままベッドに座らされて性的な行為をされた」

 被害女性は『DAYS JAPAN』の事務所で勉強しながら、アルバイトスタッフとして働いていた。広河氏は上下関係を利用する形で行為に及んだのか。小林記者は被害の実態をこう報告する。

「被害を証言した女性によると、別のスタッフと談笑していたら、広河氏が怒り始めて『出て行け』と言った。彼女は『事務所を追い出されたら夢が断ち切られてしまうかもしれない』と、広河氏を怒らせてしまったことに罪悪感を覚えた。泣きながら歩いていたときに(広河氏から)電話がかかってきて『今から移動するからタクシーに一緒に乗る?』と。『こういうときは体を重ねて分かり合うのが一番だから』と言われて、ホテルに連れて行かれたそうです」

 さらに、スタッフとの談笑さえ許さなかった事務所で、広河氏は信じがたい言葉を女性に放ったという。

「深夜、他のスタッフが一時的に外に出ていて、被害女性と広河氏が二人きりになった時間があった。広河氏から『入れたい』と言われ、トイレに連れて行かれそうになり、そのときは『嫌です』と断った。そのあと女性は『もう限界』と感じて、事務所に行くのはやめたと言います」

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 26日夕方、広河氏は『DAYS JAPAN』の公式サイトでコメントを発表。週刊文春の報道に触れ「私は、その当時、取材に応じられた方々の気持ちに気がつくことができず、傷つけたという認識に欠けていました。私の向き合い方が不実であったため、このように傷つけることになった方々に対して、心からお詫びいたします」と謝罪した。

 問題は本当に「女性の気持ちに気がつかなかった」「女性との向き合い方」だけなのだろうか。一方『DAYS JAPAN』は広河氏を代表取締役から解任し、「本件について誠実な対応を取ることを求める」としている。

 週刊文春をはじめ、複数のメディアで明らかになったフォトジャーナリスト・広河氏によるセクハラ被害。AbemaTV『けやきヒルズ』に出演した、慶應大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏はこう述べる。

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「複数の女性が同様のセクハラ被害を訴えているということは、広河さん自身が成功体験を繰り返したことで味をしめていたのでは。ジャーナリストの世界にいる人が、急にリスキーな行為をするとはとても思えない」

 以前は、ジャーナリストとして「誰が苦しんだか見せること」と、被害者側からの報道を熱弁していた広河氏。若新氏によると、広河氏のセクハラは日常的に行われていて、本人なりの「うまいやり方」があったのではないかと推測する。

「本人目線では『こういう言葉を使えば女性を口説けるじゃん』って思っていた可能性が高い。世の中にはいろいろな女性がいますから、広河氏も『俺はモテている』と勘違いしてしまうケースも中にはあったんでしょう。それに味をしめて日常的にセクハラをしていたのではないか。新しい物事を作り出したり、ある分野を開拓したりする人たちは、なんでもポジティブに都合よく解釈する傾向がある。常にうまく行っている方向に考えて『俺は成功に近づいている』と思ってしまう。同じように女性との関係もうまくできていると思い込んでいたけれど、そこには大きなズレが生まれていた」

 広河氏による非常に強引なセクハラ手口が明らかになった今回の報道。最初、明るみに出たのは週刊文春の記事がきっかけだった。なぜ、週刊文春に性被害の情報が集まるのだろうか。若新氏は「性被害者たちが気軽に相談できる窓口がない」と警鐘を鳴らす。

「警察には言えないけど、文春さんにだったら……みたいな傾向が最近はあるのかも。文春が性被害者の“駆け込み寺” のようにみえるが、文春さんは記事にする価値がある著名人のケースしか取り上げないので、相談窓口としてケアの機能に秀でたものではない。警察でもない文春でもない、新しい形の相談窓口が必要」

 相次ぐ、セクハラ・パワハラ被害の報道。被害者たちの心の傷に寄り添える相談機関が、今求められている。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


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