「可愛い我が子を芸能界に……」「いつか映画に出るような女優になってほしい」そんな親の思いで子役事務所に所属する子どもは多い。間下このみさんは4歳のときに出演したキッコーマン「ガンバレ! 玄さん」のCMでブレイクし、一躍お茶の間の人気者に。間下さんによると「13歳くらいからが子役の一番つらい壁」だという。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜21時から放送中)では、今回『子役とママのシンデレラストーリー』がテーマ。当事者たちが赤裸々に子役事情を語った。
▲女優で写真家の間下このみさん
元子役の間下さんは「20歳を越えるまで“学ラン恐怖症”だった」と明かす。学生時代を振り返り「学ランを着ている男子中高生からすれ違いざまに『いきがってんじゃねーぞ』とか『テレビ出てんじゃねーぞ』って言われることがけっこうあった」と話す。また、間下さんは芸名が本名だったこともあり、家の留守番電話に悪口や罵倒する音声が残されていることも日常茶飯事だった。
子役だった間下さんを傷つけたのは、同世代の子どもたちだけではない。小学生の頃、自分が悪いことをしたとき、先生に謝りに行ったことがあり、謝ると先生から「その芸能人みたいな謝り方をやめなさいよ」と言われた。
心から謝ったのに、子どもながら深く傷ついた間下さん。これを聞いた番組MCのSHELLYは「先生も自分の知らない世界を子どもが見ているので引け目を感じていたのかも」と推測。間下さんは「先生にはいい先生と悪い先生がいる。その差が大きい」とし、「小さい身体で受け止めるのは複雑だった」と話す。
子役は何歳まで? 親を恨んだことも……「私の人生むちゃくちゃだ!」
そもそも子役とは何歳までなのだろうか。間下さんはこう語る。
「私の感覚だと小学6年生までですね。13歳くらいからが子役の一番つらい壁。子どものイメージがあるから、大人へのイメージの“脱皮”にみんなが悩んでいる。子役の中には、休養期間を設けて、うまく子役のイメージから卒業した人もいます」
間下さんが中学に入ると学校側から「学業を優先してほしい」と要請が寄せられた。中学生になる頃には子役の仕事も少なくなり、間下さん自身も「普通の子どもとして生活をしてみたい」という気持ちがあったため、学業を優先し、仕事を休養していた。
とはいえ、一度ブレイクした子役。思春期に周りから「仕事しないの?」「どうして最近はテレビに出ないの?」と聞かれ、傷ついたこともあった。
「15歳から17歳のときは、子役の仕事をさせた親を恨んだこともありました。『なんでこんな仕事をさせたんだ』『私の人生むちゃくちゃだ!』って。あまりにも過去の自分が大きすぎて、どうしたらいいのか分からなかったんですよね。ステージママ(子役の母親)が、子どもにやらせたい気持ちも分かりますが、あとのケアも考えてもらえたらうれしいです」
さらに、間下さんはスタジオに登場した子役たちにこうエールを送った。
「みんなができない体験をさせてもらっているのは間違いない。特別な体験をしたことは覚えていてほしいし、女優になったとしても、ほかの職業についたとしても、誇りに思って活かしてもらえたら。嫌だなって思うときもくるけど、それは一時的なこと。子役だから経験できることです」
そして、そんな自身の発言をふまえて「優等生な発言になっちゃう」と苦笑い。「40代でも子どもの見本のようになってしまうんです。正しいことをしないといけないっていうのは41歳になっても抜けなくて。それがいいこともあれば、つらいこともあります」と話した。
(AbemaTV/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)
(ライター:小林リズム)