日本サッカー協会(JFA)は21日、サッカー日本代表が9月23日にアメリカ代表と国際親善試合を行うと発表した。会場は調整中だが、欧州開催の方向となっている。

 9月の国際Aマッチウィークは、11月に開幕するカタールワールドカップ本大会前に日本代表として活動できる最後の期間となる。そこで欧州遠征を行い、アメリカ代表戦も含めた2試合を戦う予定だ。

 21日にオンラインで取材に応じた日本代表の森保一監督は「(ワールドカップ)本大会に向けていい準備となる対戦相手と組ませてもらったと思っています」と述べ、アメリカ代表戦の実現を喜んだ。

「アメリカ代表も本大会でいい結果を残すために、ベストをぶつけてくると思いますし、高いモチベーションで戦ってくると思うので、ありがたい対戦相手だと思っています」

 2018年のロシアワールドカップは北中米カリブ海予選でまさかの敗退となり、出場権を逃していたアメリカ代表。その後はグレッグ・バーホルター監督のもとで若手中心のチーム編成に舵を切り、2026年に自国も開催地となるアメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国共催ワールドカップも見据えた強化を進めてきた。

 チェルシーに所属するFWクリスティアン・プリシッチをはじめ、RBライプツィヒでプレーするMFタイラー・アダムス、ユベントスのMFウェストン・マッケニー、アーセナル移籍が決まったGKマット・ターナーなど20代中盤の選手たちが主軸を担う。30代の選手たちはほとんど選ばれていない。

 また、2000年代生まれの有望なタレントも台頭してきた。リール所属のFWティモシー・ウェア、バレンシアのMFユヌス・ムサ、アウクスブルクのFWリカルド・ペピ、来季からリーズ・ユナイテッドでプレーするFWブレンデン・アーロンソン、バイエルン・ミュンヘンでトップチームデビューを果たしたMFマリク・ティルマンなど、名前を挙げればきりがないほど逸材揃いだ。

 そんな若いチームでありながら、カタールワールドカップの北中米カリブ海予選はカナダ代表、メキシコ代表に次ぐ3位で突破。これからの伸びしろを豊富に残しながら、2大会ぶりのワールドカップ出場を決めた。本大会ではイングランド代表、ウェールズ代表、イラン代表と同じグループBに組み分けられている。

 森保監督は「アメリカ代表は北中米の予選で、コスタリカ代表等々ともやっていて、ドイツやスペインという欧州の国との対戦を考えたときにもアメリカは欧州にいい選手を輩出しているので、欧州基準でも対戦できると思います」とも語った。

 日本代表がカタールワールドカップのグループステージ第2戦で対戦するコスタリカ代表と予選で競い合ってきたチームの基準を知る。そして、最新のFIFAランキングで15位のアメリカ代表には欧州トップリーグでプレーしている選手たちも多いため、スペイン代表やドイツ代表といった強豪国のレベルに近く、欧州的な要素もふんだんに持ったチームと対戦できる。

 カタールワールドカップ本大会に向けた最終準備を進める上で、アメリカ代表戦は日本代表にとっての試金石となりそうだ。

(取材・文:舩木渉)