11月21日に開幕を迎える2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)。各大陸から選りすぐりの強国が集まる4年に1度のサッカーの祭典。W杯開幕前の話題と言えば、グループリーグ突破国予想や各国の選出メンバー予想などが挙げられるが、やはり最大の関心事が優勝国予想ではないだろうか。

カタールW杯に向けては、W杯最多優勝回数を誇るブラジルを筆頭に、イタリアを除く過去の優勝経験国が順当に出場を決めている。優勝国予想でまず名前が挙がるのは、歴代の優勝国であるのは間違いない。しかしW杯優勝経験こそないものの、過去の実績や現有戦力から期待が集まる国ももちろんある。

ここでは、カタールW杯で悲願の初優勝を狙う4つの強豪国についてまとめていく。


カタールで悲願のW杯初優勝を狙う強豪国4選
オランダ代表 DFフィルジル・ファン・ダイク 写真:Getty Images

オランダ

W杯過去最高順位:準優勝(1974、1978、2010)

過去3度のW杯準優勝を誇るオランダ。FIFAランキング1位に上り詰めた経験もある、まごうことなき強豪国だ。

最初の準優勝となった1974年のW杯西ドイツ大会では、ヨハン・クライフを中心にトータルフットボールと呼ばれる流動的かつダイナミックな戦術で大会を席巻した。決勝までに14得点という高い攻撃力に加え、失点はオウンゴールのわずか1点のみという記録を残している。

続く1978年のW杯アルゼンチン大会でも、オランダは決勝でアルゼンチンに敗れるも、西ドイツとイタリアという強国を下してのグループリーグ突破であった。

その後、マルコ・ファン・バステンらを擁しユーロ1988(UEFA欧州選手権)を制するも、しばらくW杯決勝からは遠ざかる。次のチャンスが来たのは記憶に新しい2010年のW杯南アフリカ大会で、オランダは実に32年ぶりに決勝進出を果たすも、当時まさに無敵艦隊の名にふさわしい強さを誇ったスペインが立ちはだかり、三度目の正直とはならなかった。

そして迎えるカタールW杯。欧州予選1位でストレートインを果たしたオランダは、本大会に向けてその牙を研いでいる。歴代代表と比較しても遜色ない攻撃陣と、フィルジル・ファン・ダイクを中心にした強固な守備はバランスがとれており、悲願のW杯初優勝に向けて万全の陣容と言えるだろう。


カタールで悲願のW杯初優勝を狙う強豪国4選
ベルギー代表 FWロメル・ルカク 写真:Getty Images

ベルギー

W杯過去最高順位:3位(2018)

近年はエデン・アザールやロメル・ルカクら、黄金世代と呼ばれる選手たちが台頭するベルギー。2015年には史上8ヵ国目としてFIFAランキング1位に君臨するなど成長著しい。

2018年のロシアW杯の決勝トーナメントでは、日本との死闘を皮切りにブラジルをも破り、3位決定戦でイングランドも下して3位となっていた。

今カタールW杯欧州予選でもその強さは健在で、ウェールズやチェコと同じグループEを戦い、8戦無敗とストレートインで本大会出場を決めている。しかし強豪国として認められる現在でも、W杯、UEFA欧州選手権ともに未だタイトルが取れていないことは事実だ。

黄金世代が円熟期を迎え、選手層も申し分ないカタールに向けてのベルギー。「赤い悪魔」が悲願のW杯初優勝を果たす準備は整った。

カタールで悲願のW杯初優勝を狙う強豪国4選
ポルトガル代表 FWクリスティアーノ・ロナウド 写真:Getty Images

ポルトガル

W杯過去最高順位:3位(1966)

ポルトガルがW杯過去最高順位の3位となったのは、1966年(イングランド大会)の初出場時にまでさかのぼる。

その後、これまでもポルトガルはW杯優勝候補と目されることがあった。特には、1989年と1991年のFIFAワールドユース選手権で優勝したルイス・フィーゴやマヌエル・ルイ・コスタら黄金世代を中心に出場した2002年の日韓W杯が最たるものだろう。しかし、グループリーグで苦戦の末敗退し、多くの選手が代表引退を表明。期待に対して衝撃的な敗退劇となってしまっている。

近年は、リオネル・メッシと並んで世界最高峰の選手の1人であるクリスティアーノ・ロナウドを中心に、2016年のUEFA欧州選手権で優勝。そんなポルトガルを象徴するロナウドも37歳と、いつ代表を退いても不思議ではない年齢となってきた。

今カタールW杯欧州予選では、グループリーグでセルビアに競り負けストレートインを逃したポルトガル。プレーオフまでもつれ込んでしまったが、無事本大会出場を勝ち取り、選手層を見れば他の強豪国と比較しても見劣りはしない。ロナウドとともにW杯という最高峰のタイトル獲得に期待がかかる。


カタールで悲願のW杯初優勝を狙う強豪国4選
クロアチア代表 MFルカ・モドリッチ 写真:Getty Images

クロアチア

W杯過去最高順位:準優勝(2018)

前回2018年ロシアW杯の準優勝国であるクロアチア。初の決勝進出もフランスに敗北したことで、今大会こそはとの思いが強いことは想像に難くない。

クロアチアと言えば、初出場となった1998年のフランスW杯でいきなりの3位。中心選手であったダヴォール・シューケルが得点王になるなど、目覚ましい活躍を披露した。クロアチア代表としての歴史は決して古くはないが、以降の国際大会の結果から見ても強豪として認められていることに疑いの余地はない。

そんなクロアチアを長く牽引してきた、ルカ・モドリッチ。36歳と年齢的に最後のW杯となる可能性もあり、集大成としてどんなゲームメイクを見せてくれるのかにも期待がかかる。