【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント1回戦】ブラジル4-1韓国(日本時間12月6日/スタジアム 974)

ソン・フンミン率いる、韓国代表のベスト8進出の夢は、はかなくもついえた。

韓国代表は、ブラジル代表との16強戦で前半だけで4ゴールを許し、後半ペク・スンホがゴールを決めたが1-4で敗れた。

【映像】リシャルリソン、トッテナムの同僚ソン・フンミンと熱い抱擁

歓喜に沸くブラジル代表のイレブン。そのなかでひとり、韓国人選手の元に歩み寄って抱擁をかわした選手がいた。

プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーでソン・フンミンとチームメイトのブラジル代表リシャルリソンがソン・フンミンに健闘を称え合った。

リシャルリソンはブラジルが2-0とリードしていた前半29分、チームの3ゴール目を決めるなどブラジルの完勝に貢献した。韓国は後半立ち上がりにソン・フンミンがペナルティエリア内でシュートを放ったが惜しくもゴールならず、敗北で悔しさを飲み込んだ。

そんなリシャルリソンは、自身のSNSにソン・フンミンとの抱き合っている写真を投稿し、「僕はソン・フンミンがワールドカップに来るためにどれだけ一生懸命戦ったのか知っている。それがソン・フンミンが韓国国民にとって英雄である理由」と記した。

リシャルリソンは、幼児期に貧困のためアイスクリームを売るなどして親を助けていた苦労人の一面もある。だからこそ、人に対しての優しさを兼ね備えたフットボーラーなのかもしれない。

ソン・フンミンもメディアインタビューでリシャルリソンと対決したことについて「所属チームの同僚だが、韓国を相手にゴールまで決めたので正直気分はよくない」と述べた。

しかし、「試合は終わって、所属チームの同僚なのでぜひ優勝してほしい」とエールを送った。

今夏、積極的な補強に動いたトッテナムの中でも、目玉選手の1人だったのが総額6000万ポンドでエヴァートンから引き抜いたFWリシャルリソンだ。リシャルリソン貧困環境から這い上がってきたハングリーなアタッカーで、東京五輪で得点王に輝き、金メダルも獲得していた。

トッテナムの前線はセンターフォワードのハリー・ケイン、左のソン・フンミン、右にはデヤン・クルゼフスキの3枚が揃っており、指揮官アントニオ・コンテはこの3トップを先発に据えてきた。

ソン・フンミンは、チームメイトとなったリシャルリソンに対しての特別な感情を口にしていた。

「ポジション争いは良いものだよ。自分で自分を向上させるのは当然だけど、チームメイトも向上させることができる。ローテーションを組んだり、違うスタイルのフットボールをしたり、違う動きをすることもできるんだ。それにリッチーのような選手が加わることは素晴らしいことだね。クオリティの高い選手だから、とても楽しんでいるよ。まだリッチーと過ごしたのは数日間だけだけど、親友のようになっている。彼と一緒にプレーするのは素晴らしいことだ。本当に楽しめたよ」

クラブではポジションが被るため、熾烈な定位置争いを繰り広げている。

しかし、リシャルリソンは、カタールW杯直前にふくらはぎを痛めたが、最終メンバーに選ばれると感激の涙を流した。

そんなリシャルリソンだが、初戦のセルビア戦でバイシクルキックゴールを含む2得点の活躍を見せると、Instagramのフォロワーは700万人から1400万人に増えた。

2002年ワールドカップ以来のワールドカップ制覇が期待されるブラジル代表。1トップを託されているリシャルリソンには、チームを勝たせるゴールが期待される。そんなゴールをソン・フンミンもきっと期待しているはずだ。

(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)