「99.9%」。日本の刑事裁判で有罪判決が下される確率、いわゆる"有罪率"だ。しかし、後に冤罪だったことが判明したケースもあり、有罪率の高さの背景に潜む問題点も指摘されてきた。そんな刑事裁判で次々と無罪を勝ち取り、"勝訴請負人"と呼ばれているのが、高橋裕樹弁護士(38)だ。
 「無罪。完全勝利です。めっちゃ嬉しいですね」。
 今月4日、千葉地方裁判所で開かれた傷害事件をめぐる裁判で無罪を勝ち取り、「9割くらい自分の主張が認めてもらえた」と安堵の表情を浮かべた高橋弁護士。「自分で言うのもあれですけど、昨年は約3カ月の間に3回連続でパッと(無罪を)取ったので、それが異例と言えば異例かなと」。実際、各国の"無罪率"はアメリカ約0.4%、イギリス約2%、フランス約6.4%、ドイツ約4%、イタリア約20.7%、韓国約0.5%となっているのに対し、日本はわずか0.1%。一緒に出廷していた福田尚友弁護士も「普通の弁護士だと無罪獲得は一生に一回あるかないか」と舌を巻く。