和室で座布団の上に正座。将棋の対局スタイルといえば、これが基本形だ。分厚い将棋盤に向かい、距離を取って座る者もいれば、頭が盤に覆いかぶさるように前傾姿勢が深い者もいる。それぞれ考えやすい、見やすい姿勢を取っているが、これがイスとテーブルの対局となると勝手が違う。藤井聡太王位・棋聖(18)が2度優勝していることでも知られる朝日杯将棋オープン戦は、まさにイス対局。この不慣れな状況に、とある女流棋士は「イスの上に正座」という独特な“戦術”を繰り出していた。