松山刑務所大井造船作業所(愛媛県今治市)から脱走した受刑者の平尾龍磨容疑者が22日ぶりに広島市で逮捕された。
 大井造船作業所は、"仮釈放間近"といわれる模範囚が集められる施設で、平尾容疑者も残りの刑期が半年になっていた。それに関わらず脱走したのは「刑務所の人間関係が嫌になった。あと半年で出所できることは分かっていたが、それでも辛かった」からだという。
 刑務所内の"人間関係"について、合計12年間服役した元受刑者の鈴木博氏(仮名)は、「人間関係は難しい。刑務所の中では足を引っ張り合うことも多い。自由がなく、ストレスが溜まる生活なので、何か面白いことはないかということで、弱い者をいじめる。気にいらないからと揚げ足を取ることもよくあるし、いじめようというのもある。刑務官に気づかれないよう、顔以外を殴る。ご飯を取り上げるというのもある。集団リンチもあるし、見張り役がいて、リーダー格みたいな人がいることもある。刑務官もいじめを把握はしているとは思うが、慣れている人(受刑者)が多いので、分からないようにやっている。現認ができないと、懲罰を与えることができない」と話す。