数々の個性派棋士がいる中で、ひと際異彩を放つ者がいる。橋本崇載八段(35)だ。独創的で力強き棋風もさることながら、歯に衣着せぬコメントやパフォーマンスから「超個性派棋士」「棋界有数のエンターテイナー」とも呼ばれ、ファンからの人気も高い。誰もが勝利を目指して指し続ける中で「それにしてもつまらないですね、最近の若い人の将棋は。魅せる職業という意識を持っているとはあまり感じない」と言い放つほど、プロ棋士として「魅せて勝つ」ことへの意識が高い。他の棋士たちと群れることなく突き進む橋本八段のマイロードには、いくつもの苦難があった。