学習障害の一つで、知的能力などには異常がない一方、文字の読み書きに著しい困難を抱える「ディスレクシア」。脳機能の障害により、文字が重なったり、大きさがバラバラになったりした状態で見えてしまうのだという。文字の読み書きが当たり前の現代社会において、苦しい生活を強いられている人々がいる。 
 濱口瑛士さん(16)も、デイスレクシアの一人だ。文字を読むことはそれほど苦ではないが、書くことが極端に苦手だ。 母親の園子さんが異変に気付いたのは、小学校入学前のことだったという。「本をたくさん読んであげていたので、自分でも読めるようになったり、"これ何て書いてあるの”と言ったりするようになると思うが、とりあえず"読んで"としか言わなかった」「(周囲からは)しつけがなっていない子どもだと言われた」。ADHD、アスペルガー症候群と診断され、学校ではうまく周囲に馴染めず、小中学生の9年間、友達はほとんどできなかったという。