一人のラブドール職人と、彼が一目で恋に落ち結婚した妻との日々を描いたタナダユキの小説「ロマンスドール」。型破りな設定と衝撃的な展開の中で、男女が強く惹かれ合い、すれ違い、もがきながらも、夫婦として“本当の幸せ”を見つけていく姿を描いた物語は、みうらじゅんに「こんな男の面倒臭い気持ちをどうして女のタナダさんが書けるのか? 」と言わしめ、「小説の1行目から衝撃的」「ぐいぐい引きこまれた」「まさか泣けるとは思わなかった」など、2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されるやいなや、多くの話題と共感を呼んだ。その傑作小説がこの度、原作者であるタナダユキ自らが脚本・監督を手掛け、映画化されることが決定。自身が脚本・監督・主演をつとめた『モル』(2001)で衝撃的なデビューを果たして以来、『百万円と苦虫女』(2008)や『ふがいない僕は空を見た』(2012)など独自の感性で多数の話題作を世に放ってきたタナダ監督。今の時代を不器用ながらも懸命に生きる登場人物たちの心の機微を、感動とユーモアをもって描くことに定評のある彼女が、自身初のオリジナル小説を鮮やかにスクリーンに描き出す。