ATP(男子プロテニス協会)が主催する『ATPカップ』の2日目。パースで行なわれたグループBで日本はウルグアイとの初戦に3戦全勝で勝利した。まずは世界ランク121位の添田豪が同522位のマルティン・クエバスに6-1 6-3で順当に勝利。思いがけない展開となったのは第2試合だ。日本のエースを務める西岡良仁が、45位のパブロ・クエバスを6-0 6-1で一蹴した。わずか54分の勝利だった。
 圧倒というより翻弄という言葉が合う。少なくともトップ100内ではもっとも小さい170cmの西岡にパワーはないが、左利きをより有利にするスピンボールを右へ左へと自在に打ち分け、絶妙のタイミングで精度の高いドロップショットを放つ。長いラリーでもミスをしない。そして、どんなボールにも食らいつき、一本でも多くボールを返す。相手を動揺させ、嫌気を起こさせ、自滅させる。クエバスはクレーコートのタイトルを6つ持っている34歳だが、そんな熟練のストローカーに対しても、西岡のテニスのおもしろさが最高に発揮された試合だった。