9度目のカド番を迎えていた大関豪栄道は4勝7敗という、これ以上は落とせない絶体絶命の状況で十二日目の関脇朝乃山戦を迎えた。一方の朝乃山にとってもすでに5敗を喫し、来場所以降の大関取りにつなげるためにはもう1敗もできず、両者ともに絶対に負けられない一番となった。
 果たして、立ち合いは豪栄道が先に左上手を取り、頭をつけて有利な形になったと思われたが、朝乃山も右を深く差してすぐさま相手の上体を起こし、両者は右四つがっぷりで胸が合う形に。こうなれば体格で勝る朝乃山が優勢となり、左上手を引きつけながら豪栄道が右下手投げで抵抗するのも構わず寄り切った。この瞬間に豪栄道は33場所務めた大関からの陥落が決定してしまった。