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新型コロナウイルス感染拡大で「アジア人差別」が仏で横行 柴田阿弥「予防を盾に人を攻撃していいわけではない」と警鐘

 フィリピンの男性感染者の死亡が発表されるなど、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大している。感染者の死亡は中国以外の国では初めてで、香港の研究チームの発表では「パンデミック」(大流行)は近いとされている。

 そんな中、欧米でアジア系住民への人種差別が広がっているという。フランスで予定されていた春節のパレードが延期となり、パレードを主催する在仏中国人協会の関係者は「外国人嫌悪が入り交じった集団ヒストリーがあり、フランスのアジア系住民に対する人種差別発言に歯止めがきかなくなっている。まるでアジア系住民全員が保菌者のような言われ方で、近寄るなと言わんばかりだ」とコメントしている。

 また、フランス在住のフリーアナウンサー中村江里子も自身のブログで「こちらではマスクをつけることは一般的ではありません。マスクをつけているのはアジアからの観光客の方ばかり。アジア人に対しての差別のような問題も出てきています」と報告。

 同じくフランス在住のミュージシャンで作家の辻仁成もブログで「言葉を理解しないと思ってアジア系の観光客に『来るな』とやじを飛ばしている子どももいたし、レストランやカフェによっては接客の違いというのか、(アジア系の観光客に)近づこうとしないギャルソン(ウェイター)などもいる」と現地の様子を綴っている。
 この問題についてコメンテーターの明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「中村さんが言われている通り特にヨーロッパではマスクをあまりつけないので、重病の人がつけるイメージがあり、アジア人に対する思い込みもある。とはいえ一方で、『自分が新型肺炎にかかっちゃったらどうしよう』『ウイルスに感染したらどうしよう』と心配する気持ちはもちろん万国共通で、自然な感情・心情だと思う。例えば我々が公共交通機関に乗って、『武漢から来ました』という人がゴホゴホと咳込んでいたら、相手の国籍関係なく距離を置きたくなるのは"予防"としてリスクを管理する意味では当然ある心理だと思う」と行動への理解を示した。

 差別と予防の切り分けについては「社会の中での人との接し方についてどう思うか、どう考えるかについては個人の自由であり、やめようと思っても止められるものではない。『予防のために感染者には近づきたくない』と思ったときに、実際にどういった言動をとるのかということが、差別かどうかの分かれ目になる。やじを飛ばしたり、『お前なんか店にくるな』と言ったらそれは完全に『予防という名の差別』だと思う」とした。

 また、「さらに言えば、まだ感染者が出ていない(もしくは少ない)地域の住民と、既に多くの感染者が出ている地域の住民は、互いに配慮し合うべきではないか。『セカンドハンド・ストレス』といって、ネガティブな感情や不安,イライラを抱えていたり、ストレスを感じている人を見ただけで、体内のストレスホルモンは上昇する。特に見知らぬ人から受ける『セカンドハンド・ストレス』は強いとされている。出会ったときに、感染可能性の高い人を差別せず、極端な行動を取らないことはもちろんだが、例えば感染者が多く出ている地域からほかの地域に移動した人は、自分の存在で他人を不安にさせないように無理なくできる配慮(マスクをする、無用な行動を控える)は積極的にすべきだと思う。互いにできる配慮はして、無用なストレスは避け、身体の抵抗力が下がることを防ぐことも、発症の予防につながりうる一つの心理的対処ではないか」と続けた。
 キャスターを務めるフリーアナウンサーの柴田阿弥は「武漢から帰国して検査拒否をした日本人に対してバッシングや『住所をさらせ』みたいな声があり、予防するのは当然ですが予防を盾に人を攻撃したりひどいことを言っていいわけではないと思う」と"正義"を振りかざした過激な言動に警鐘を鳴らし、藤井氏も「行き過ぎた正論だ」とした。
(AbemaTV/「けやきヒルズ」より)
 

▶【動画】新型コロナ感染拡大で海外でアジア人差別が横行

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