思わず絶句した。「まさか…これ、逆転することあるんですね…」。そう話したのは、将棋界の若手エース候補、佐々木勇気七段(25)だ。佐々木七段と言えば、あの「藤井フィーバー」の真っ最中に、藤井聡太七段(17=当時四段)の連勝記録を「29」で止めた男として知られるが、その佐々木七段が今度は藤井七段の大逆転劇に、言葉を失った。もはや投了寸前まで見られていた敗勢から、一瞬の隙を突いての逆転勝利。ファンからは「藤井マジック」という声も多数飛んだ一局は、どんなに追い詰められても諦めないという姿勢から生まれたものだった。