2022年のアニメ関連市場は過去最高の2兆9,277億円に達し、そのうち1.4兆円を海外市場が牽引している。アニメ関連商品はBuyeeでも常に高い人気のあるカテゴリだ。BEENOSでは、2024年3月18日にアニメジャンルに特化した「越境EC×アニメヒットランキング2023」を発表し、アニメ関連グッズの消費動向を通して海外ファンのインサイトを分析。さらに本アンケートによる海外ファンのアニメ受容状況やグッズ購入環境などの調査を通して、日本が世界に誇る文化であるアニメ市場の可能性を探る。

【日本のアニメ受容とグッズ購入について】

■91.9%が10代までに日本のアニメに興味を持ち、最初の視聴はテレビ放送

 「何歳から日本のアニメに興味を持ち始めましたか」という質問には、10歳未満が40.8%、10代が51.5%で、9割以上の方が10代までに日本のアニメに興味を持ったことが分かった。最初にアニメを視聴した方法は「テレビ」が最も多く72%を占めた。この傾向はほぼ全てのエリア・世代に共通するが、アメリカ、イギリスの10代のみストリーミングサービスでの視聴が初という回答が最も多かった。

■現在の視聴方法は配信サービスが主流 Netflixが72%

 「主にどのような方法でアニメを視聴していますか?」という質問には、配信サービスが上位の回答を占め、Netflixが72%、YouTubeが64%となった。一方でビデオ、DVD、ブルーレイが3位(42%)と、好きな作品を購入して楽しんでいる人も多いことが分かる。

■「アニメ」は世界的にも身近な趣味に

 回答者の居住国における、「アニメを見ることの位置づけ」については「アニメ好きな特定の人の趣味であるが、アニメ好きを公言することに抵抗はない」が最も多く、36%となった。「老若男女問わずアニメを視聴するが、視聴される作品のジャンルは年齢によって変化する。」(25%)、「アニメを見ることは、ドラマを見たりスポーツ観戦をするのと同じくらい普通の事である」(10%)と合わせ、アニメ視聴が身近であるという回答が71%になり、海外でもアニメ視聴が一般的に定着している状況が分かる。

■2023年視聴アニメで好きな作品1位は「葬送のフリーレン」

 「2023年放送のアニメで最も好きな作品」は、1位「葬送のフリーレン」、2位「呪術廻戦」、3位「SPY×FAMILY」という結果になった。9位にランクインした「ぼっち・ざ・ろっく」は2022年放送作品だが、放送時期が10~12月だったためか、多くの人が名前をあげていた。

【その他に名前のあがった作品】
とんでもスキルで異世界放浪メシ、BanG Dream! It’s MyGO!!!!!、陰の実力者になりたくて!、君たちはどう生きるか、マッシュル-MASHLE-、スキップとローファー、ハイキュー!!、モブサイコ100、ワンピース、TRIGUN STAMPEDE、ウマ娘 PRETTY DERBY Road to the TOP、その着せ替え人形は恋をする、ダンジョン飯、リコリス・リコイル、僕の心のヤバイやつ  等

■最も好きなアニメ作品1位は「ガンダム」、2位は「ドラゴンボール」

 これまで見た中で最も好きなアニメ作品1位は「ガンダム」シリーズとなった。「ガンダム」は特定のシリーズ作品を指定する人、シリーズとして名前を挙げる人が混在し、全体をひとつのシリーズとして集計している。2位の「ドラゴンボール」とともに、特に30~40代に高い支持を得ている。

【そのほかに名前のあがった作品】
銀魂,、Fateシリーズ、ジョジョの奇妙な冒険、聖闘士星矢、ヴァイオレット・エヴァーガーデン、カードキャプターさくら、ソードアート・オンライン、ドラえもん、モブサイコ100、ラブライブ! シリーズ、コードギアスシリーズ、86-エイティシックス-、カウボーイビバップ、けいおん!、ポケットモンスター、鬼滅の刃、ぼっち・ざ・ろっく!、攻殻機動隊、ウマ娘 プリティーダービー、ジブリ作品、スラムダンク、ノーゲーム・ノーライフ、ハンター×ハンター、犬夜叉、少女革命ウテナ、魔法少女まどか☆マギカ、名探偵コナン、遊☆戯☆王 等

■「視聴」以外にも広がるアニメの楽しみ方

 「視聴」以外のアニメの楽しみ方では「グッズ購入」が最も多く86%となった。また、93%がアニメ作品の放送をきっかけにその作品のグッズを購入したことがあると回答した。

■購入したことのあるグッズ1位はフィギュア、欲しいグッズ1位は衣類・ファッションアイテム。
 過去に購入したことのあるグッズについては、1位がフィギュアで84%。また、欲しいグッズを問う自由記述式の質問では「衣類・ファッションアイテム」が34%で1位となった。「衣類/ファッションアイテム」「日用品/インテリア」「ジュエリー/アクセサリー」と回答した人の共通の意見として、「キャラクターが着ている服やアイテムと同じもの、モチーフにしたもの」「キャラクター自体ではなく、ロゴなどがプリントされたもの」など、日常使いがしやすいアイテムを求める声が上がった。また、フィギュアの人気も高く、造形的に優れたものや、バリエーションを求める声の他、サイズの小さいものを求める声等があった。

■アニメ作品がきっかけとなった訪日経験は37%、きっかけの1位は「ジブリ作品」

 「アニメ作品がきっかけで、日本旅行をしたことがありますか?または、日本旅行を予定していますか?」という質問に対しては、あるが最も多く37%となった。現在具体的に旅行計画を立てている人は14%、具体的な計画はないものの、旅行意向のある人は32%と、訪日意向のある人は46%になった。

 また、訪日のきっかけとなったアニメ作品1位はジブリ作品で、回答者のほとんどが、個別の作品名ではなく「ジブリ」として名前を挙げた。また作品の舞台への聖地巡礼が話題となった「ラブライブ!」シリーズ、「ペルソナ」シリーズ、「ガールズ&パンツァー」もランクインしている。

【訪日のきっかけになった作品】