「準備しておいていいですか?」永瀬拓矢九段、指したくてウズウズ?監督への控えめなお願いにファン「そうこなくっちゃよ」/将棋・ABEMA地域対抗戦
【映像】永瀬拓矢九段、出番待ちにうずうず

 やっぱりプロたるもの、将棋は見るものではなく指すもの?日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ2位決定戦、関東B 対 九州が3月23日に放送された。試合は第8局までもつれた結果、関東Bがスコア5-3で九州に予選1回戦のリベンジを果たして予選2位通過。優勝候補の一角が、苦しみながらも本戦へのきっぷを手にした形となったが、この試合で出番を待ち望んでいたのが、関東Bの永瀬拓矢九段(31)。対局を見ながら思わず監督・渡辺明九段(39)に「準備しておいていいですか?」とお願いするシーンがあった。

【映像】永瀬拓矢九段、出番待ちにうずうず

 永瀬九段といえば、圧倒的な研究量とストイックさから「軍曹」と呼ばれる棋士で、プロである以上は研究の毎日で当然、正月休みなど概念から消し去ったというほどだ。だが今大会では2局に登場するも、なぜか調子が上がらずどちらも敗戦。今回の試合では先発オーダーから外れ、試合前のインタビューでも応援に回ると笑いながら語っていたほどだった。

 ところが試合が進み第4局、関東Bが2勝1敗とリードしていたところで、開局早々に永瀬九段が渡辺九段に控室で語りかけた。関東Bからは増田康宏八段(26)が登場していたが「まっすー(増田八段)、勝つと信じているんですけど、負けた場合、準備しておいていいですか…?」。名人経験者・佐藤天彦九段(36)との戦いが始まったばかりで、まだどちらに勝敗が転ぶともわからないところだったが、やはり試合開始から3局続けて将棋を見ていたからか、指したくてうずうずしてしまったようだ。

 この立候補に渡辺九段は「もちろん」と即答。念のためローテーションでは森内俊之九段(53)の出番だったが、その森内九段もすぐに快諾していた。このお願いシーンにファンからは「やりたくなってきたか」「永瀬がアップを始めました」「永瀬、指したくて仕方がない」「そうこなくっちゃよ」と笑いも漏れることになったが、出番は思わぬ形でやってくることに。第7局、そこまで3連勝と絶好調だった増田八段がよもやの二歩で反則負けに。予定通り永瀬九段に出番が回ると、佐藤九段を相手に快勝。出場直訴により自分でチームの勝利を決めるという、最高の結果になっていた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】激戦の予選を突破し監督・渡辺明九段もホッと笑顔
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【映像】佐藤九段の一手に「うわー!指せない、これは…」と絶句する女流棋士
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【映像】永瀬拓矢九段、出番待ちにうずうず
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