「恥ずかしいデータは分けて保存を」死後の“デジタル遺品トラブル”の備え、あなたのスマホは大丈夫?
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 SNSのアカウントや写真・動画データ、仮想通貨など、目に見えない遺品“デジタル遺品”に関するトラブルが社会問題となっている。特に、親や子どもを突然失った家族にとっては、スマホなどのパスワードを解除する必要に迫られ、困り果ててしまうこともある。

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 2年前にデータ復旧・救出などデジタル遺品への対応を事業化したデジタルデータソリューション社には、そうした相談が日に1件以上は寄せられているという。料金は20~30万円と決して安くはないが、それでも依頼数は年々増加している。「20~40代前半、比較的若い方々の持ち物が多く、事故に遭ってしまって突然お亡くなりになられたといった予期せぬ事態に見舞われたご家族の方がお持ちになる」(フォレンジック事業部長の天野昇太氏)。

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 電源も入らず、パスワードも不明だというスマホからのデータ復旧のプロセスを見せてもらうと、本体を分解して基盤を取り出し、約1cm四方のメモリーチップに400℃以上の温風を当て、接着剤を溶かして剥離する。これを専用の設備で読み込み、データを抽出した。マイクロSDのデータ抽出の場合、非常に小さな点と点を手作業で繋ぐ、根気のいる作業が要求される。

 天野氏によると、最も難しいのはiPhoneだという「セキュリティが非常に厳重で、基盤そのものにも暗号がかけられているので、対応できる企業は少ないと思う」。

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 “デジタル遺品”の放置はSNSの乗っ取りやなりすまし被害、課金の自動引き落としなどの問題があるほか、ネット銀行や決済サービスの残高が財産分与後に発見され、相続トラブルになることもあるという。さらにネット証券・FX・仮想通貨の場合、負債が発生する危険性がある。トラブル相談の7割が10~40代の若年層だ。

 しかし、こうした現状について街で尋ねてみると「無理かな。友達とのトーク履歴とか」「嫌だ。グーグルとかの検索履歴とかそういうのは嫌」「絶対ダメだ。写真フォルダとかすごいことになっている。お母さんは僕のそういう一面を知らないので黙っておきたい」「親にも見られなくないというか、触って欲しくない」と、否定的な声も多い。

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デジタル死生ライターの古田雄介氏は「必要最低限のパスワードやネット口座の情報は紙にメモしておき、実印や預金通帳などと一緒に保管しておくといい。私のサイトでは、A4用紙1枚で最大12項目書ける“デジタル資産メモ”を無料で公開している。また、実際には家族であっても、プライバシーに関わるものには手出ししない場合が多いので、恥ずかしいデータについては家族のことを考えて、普段からきっちりと分けておく。そうしたものだけを別のクラウドサービスに預けるのも有効だと思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:“死の現場“に向き合う遺品整理人・特殊清掃人が現実を語る

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