在宅勤務に切り替えたドワンゴ夏野剛社長「ほとんどの業務はリモートでできるはず。自分の仕事を見つめ直すきっかけにもなる」
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 新型コロナウイルス感染拡大を受け、宮内庁が23日に予定されていた天皇誕生日の一般参賀を中止にすることを明らかにした。さらに「東京マラソン」が一般ランナーの出走中止、「国技館5000人の第九コンサート」「横浜・CP+2020」、4月に開催される「嵐」の北京コンサートが中止となるなど、各種イベントの主催者が対応に追われている。

 国立感染研究所の脇田隆字所長は「なるべく人混みを避ける行動をしていただくことと、あるいは不要不急な集まりをなるべく自粛するようなことも検討していく必要がある」との見解を示している。

 東京マラソンにプライベートで申し込み、当選していたというカンニング竹山は「16200円の参加費もカードで支払っていたので、これが戻ってこないとなると…。残念だ。ただ、僕としては3月に中野サンプラザで開く単独ライブが気になっている。2000人規模の会場で、チケットもほぼ売れてしまっている。もし中止にするとなると、払い戻しなども考えないといけないので」と困惑気味だ。

 19日に予定されていた宇野常寛氏とのトークイベントを中止、動画配信に切り替えることにした幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏は「やはり僕が開催することで“OKなんだ”と思われてしまったり、ゲストの宇野さんへの批判につながったりしてしまうのではないか、ということがあった。僕のオンラインサロンは毎日のようにイベントがあるので、全て中止にすべきなのか、いつまで中止にするのかという判断基準には本当に悩んでいる」と話す。

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 渡航医学が専門の勝田吉彰・関西福祉大学教授は「大勢の人が集まることをマスギャザリングというが、過去にはそれによって麻疹、風疹、髄膜炎、インフルエンザなどの流行が起こってきた。例えばメッカの巡礼者たちの間で髄膜炎が広がったことは有名な話だ。やはり屋外も含め半径2m以内に人が密集し、飛沫が飛ぶ場所はとても感染拡大のリスクが高くなるので、東京マラソンのようなイベントは基本的には中止にしていただくのが正解だと思う。理想を言えば、映画館なども間を空けて座らせるといったようにする方法もある」と説明。

 同様の空間としては、満員の通勤電車も気になるところだ。すでにNTTグループでは14日間の時差通勤やテレワークの実施を本格化、ヤフーも公私にわたり100人以上が集まる会合への参加を期間未定で原則禁止するなど、IT企業を中心に在宅でのテレワークを推奨する動きが広がっている。

 今月21日まで(場合によっては25日以降も)来客など出社がやむを得ない場合を除き、全従業員約1000人を在宅勤務としたドワンゴの夏野剛社長は「先週金曜日に判断したが、混乱を極めている。VPN回線が社員全員の接続を想定していなかったため、悲鳴のようなものがガンガン上がって来ているので、ひとつずつ返している」と話す。

 その上で「今回のことは、仕事を見つめ直すきっかけになると思う。ほとんどの仕事はリモートでもできるはずだし、電話会議システムの中にはサーバー側でノイズキャンセリングをしてくれるような高性能なものも出ている。今まではとりあえず会社に行けば仕事をした感じがしていたと思うが、どこでもいいとなると、今日の自分は本当に会社のため、世の中のためになったかということを考えなくてはいけない。リモートがどうしても嫌だと言う人もいるが、“適者生存”だ。この状況で環境に合わせられない人はもう生き残っていけない」と指摘した。

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 箕輪氏は「幻冬舎は普段通りだが、やはりほとんどの仕事は、実は会社に行く必要はないと思う。若い人なら3人以上で話すときも“LINEグループ作ろう”で終わる。それが面倒だとか“会わないと仕事ができない”という人は、これを機会にデジタルに慣れる良いきっかけにした方がいい」、元アナウンサーでオーストラリア在住のエッセイスト小島慶子氏は「物を書く仕事や打ち合わせなどは、オーストラリアで日本とテレビ会議をしている。日本にいる時も家族とのiPadをつなぎっぱなしにしている。慣れると離れていても一緒にいる感じがある。ただ、アナウンサーはテレビに出ないといけないし、身体がないといけない生業の人には過酷だ」とコメントした。

 こうした“イベント中止”“リモート”態勢の見通しについて勝田医師は「新しい感染が無くなる状況になれば、ということだと思うピークが2月下旬くらいで、そこから新たな感染者数が減少し、数カ月後というあたりが、ほぼ感染がなくなる頃というのが最も予測だ。そして新しい感染がないことを見極めて“終息宣言”となるので、そこまでにはあまだ時間はかかると思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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