米山隆一氏、吉村知事の“ポスト安倍待望論”に「維新は荒っぽいので、国政でやるのは勘弁」
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 国よりも先に独自に緊急事態を宣言、一時的にではあるが新型コロナウイルスを封じ込め、道民から高い支持を受けた現職最年少・北海道の鈴木直道知事。同じく国に先行して独自の自粛・休業要請の解除基準「大阪モデル」を提唱した大阪府の吉村知事。そして「密です」「Say Home週間」などのキャッチーなワードが注目を集めた東京都の小池知事。

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 12日の『ABEMA Prime』では、目に見えない新型コロナウイルスとの闘いで存在感を増している首長たちについて、前新潟県知事の米山隆一氏に話を聞いた。

米山隆一氏、吉村知事の“ポスト安倍待望論”に「維新は荒っぽいので、国政でやるのは勘弁」
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 米山氏はまず「みんな実行力はすごい。ただ、適正なことを実行しているかどうかという観点でいえば、それぞれ問題もあるのではないか。その意味では全員△だ」と前置きした上で、3人について次のように評価した。

 「吉村知事の発信力はダントツで素晴らしいと思う。ただ、3月20~22日に兵庫県との往来自粛を呼びかけたが、県境を越えるなというのはあまり意味のないことだった。また、いきなり病院の一部を新型コロナ専門病棟にしてしまったことがあったが、3日前に言えばいいというものではない。全体的に正しいことをやっているが、荒っぽい。そして、これは松井市長がやったことだが、防護服の代わりに雨ガッパの提供を呼びかけた。医者の立場から言えば、それぞれ形も違う、本当に消毒もできているかどうかも分からない雨ガッパが大量に送られてきても、善意の無駄遣いというか、労力の無駄遣いだった。超クレイジーだ。小池知事も、発信力は吉村知事よりもすごいくらいだが、そこに誤魔化されている部分があって、かなり微妙な部分がある。本気でやれば、もっと医療リソースに余裕が出ているのではないかということを問うてもいいと思う。そして2人に比べて若い鈴木知事は発信力の部分で多少劣っているのは仕方がないが、最初に緊急事態宣言をやったという点では決断力はある。北海道は広すぎるので掌握しきれない難しさや政治状況もあるとは思うが、政治は結果責任だ」。

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 中でも吉村知事については、“ポスト安倍”の待望論も飛び出している。

 「知事とはいわば“大統領”なので、政治家としてだけでなく、行政官としての優秀さも必要だ。その意味では知事経験者がもっと国政で活躍してもいいと思うが、今の日本の仕組みでは、政治的になかなか上がって来ることができない。ただ、吉村さんは政治力と行政官としての能力という、異なった力を両方持っているタイプに見えるので良いと思う。同時に、これは僕の政治的なスタンスだが、維新は荒っぽいので、大阪でやるのはいいが、国政でやるのは勘弁。僕は反対に回る」。

 一方、この3人以外について尋ねると、「感染者数が少ないために注目されてはいないが、鳥取県の平井知事などはすごいと思う。”鳥取が鳥取過ぎた”というところもあるが、これだけ感染者数が出ていないのは体制を整え、見事に対策を打ったおかげだ。また、色眼鏡では見られてしまっている部分もあるが、愛知県の大村知事は難しい中で頑張っているのではないか。叩かれ、名古屋市との確執もある中で、苦労して何とか乗り越えている」と、2人の知事の名前を挙げた。

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 リディラバ代表の安部敏樹氏は「知事を判断するときには、5つくらい目線があればいいなと思っている。1つ目が物事を決める時のロジック、意思決定のプロセスが可視化されているかどうか。2つ目は、コミュニケーションをして、ちゃんと伝えてくれるかどうか。3つ目が意思決定の初動の早さと更新の仕方が丁寧かどうか。4つ目が基礎自治体へのサポート、連携がどうか。5つ目は、事前にどれだけの準備をしていたか。その点、北海道や大阪の場合、政令指定都市を持っているという難しさがある。つまり、県と市が一枚岩になっていないと、保健所などが上手く動かないというところがある。個人的には鳥取の平井さん、三重の鈴木さん、和歌山の仁坂さんなどは非常に良かったと思っている」とコメント。

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「若くてイメージのいい政治家が出てくると、急にみんな“首相待望論”などと言い出すが、本当にそれでいいのか、もうちょっと考えた方がいいんじゃないのか。確かに吉村さんはイメージもいいし、知事としてはよくやっているが、そもそも維新の会の思想や政策をどれだけの人が知っているのか。個人的に、維新は過激な人種差別思想みたいなものを持っている人を選挙の候補者に持ってくることがあるので信用できない。そして、これは橋下さんの頃からそうだが、公務員を減らせばいいとか、議員の給料減らせばいいとか、なんでも改革すればいいという、橋本内閣時代のような古い感じの話に持っていってしまうことが多く、21世紀の現状に合わせた新しい政治とは何なのかということまで考えられてない感じがする。吉村さんには期待したいが、維新に日本を任せるということはちょっとないかなと思う」と話していた。

 視聴者からの「米山さんは今どんな仕事をしているのか。政治に未練はあるか」という質問に、米山氏は「弁護士をやっている。時折、ちゃんと医者もやっている。政治に未練はないが、情熱はある。未練なんて言葉はない。情熱だ」と答えた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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