1位は Bling-Bang-Bang-Born

 2024年1月にリリースされたCreepy Nutsの楽曲で、アニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期のオープニングテーマだ。独特な歌詞や旋律が話題になり、YouTubeでのミュージックビデオ再生回数が急増。各種音楽チャートで上位にランクインした。

2位 大谷さん 結婚

 大リーグドジャーズの大谷翔平選手が2024年2月29日、自身のInstagramで一般女性との結婚を報告した。InstagramやXには祝福の声があふれた。一方で「大谷ロス」を嘆く投稿も多数見られ、人気ぶりがうかがえた。

3位 インプレゾンビ

 SNS、特にXで投稿のインプレッション数(閲覧回数)を稼ぐために迷惑な投稿を繰り返すアカウントのこと。発端は2023年8月にXが開始した広告収益プログラムだ。インプレッション数に応じて広告収益が還元されるので、人気の投稿に便乗して即座に無意味なリプライをつけたり、トレンドワードを羅列して無関係な画像や動画を投稿したりするアカウントが急増した。

 人気の投稿に群がり、他者との交流などまるで求めていない様子からゾンビのイメージにたとえられるようになり、2023年12月ごろからインプレゾンビと呼ばれるようになった。

4位 不適切にもほどがある

 2024年1月期のTBS系ドラマ『不適切にもほどがある』。阿部サダヲ演じる昭和のダメおやじが令和にタイムスリップし、“コンプライアンス”に縛られた現代社会を考える内容が話題になった。放映中は登場人物の発言がSNS上で多数引用され、Xのトレンドワードにたびたびランクイン。また、『不適切にもほどがある』というフレーズをネタとして使った投稿も見られた。

5位 チェルシー

 1971年に発売された明治のキャンディー「CHELSEA」。2024年3月2日、「53年間のロングセラーも3月に終売となります」との張り紙と山積みの商品を撮った写真が投稿され拡散した。公式発表がなかったためSNSユーザーは騒然。テレビ局などの取材で3月末での販売終了が確認されると「#チェルシー」や「#最後のチェルシー」などのハッシュタグを付けて惜しむ投稿が多く見られた。

 報道によると消費者嗜好の変化などでシリーズの売上高は年々落ち込んでいたという。一方で通常200円台のチェルシーを1000円を超す高値で得る“転売ヤー”も現れ、SNS上で物議を醸した。

6位 パルワールド

 日本企業のポケットペア社が2024年1月19日に発売したゲームだ。「パル」と呼ばれるモンスターのいる仮想世界で、プレーヤーはさまざまな方法でパルを利用しながら探索したりクエストをこなしたりしてサバイバルをする。キャラクターとの会話や他プレーヤーとリアルタイムな交流もできる。

 発売直後から爆発的にプレーヤーが増え、1月31日には世界最大のPCゲームプラットフォーム「Steam」歴代2位となる同時接続者数200万人を突破。Xbox版もある。発売から約1カ月で総プレーヤー数は2500万人を超え、XやYouTubeで話題になった。

7位 Claude

 2024年3月4日、米AnthropicがAIアシスタント「Claude 3」を公開。利用者が急増した。

 Claudeの初代は2021年にリリース。2022年初頭に2代目となるClaude1.3、2023年7月にClaude2と改良を重ねてきた。Claude3ではテキストと画像などの組み合わせが可能になり、すでに普及しているChatGPTなどと比べてどちらが優れているか比べたり意見を述べたりする投稿でSNSが賑わった。

8位 猫の日/猫ミーム

 2月22日は「猫の日」でSNSが毎年盛り上がる。2024年もXを中心に猫の画像や動画が大量に投稿した。インフルエンサーや企業アカウントだけでなく一般ユーザーもこぞって猫に関するコンテンツや、猫のコラージュ画像を使ったネタ投稿(猫ミーム)を投稿・拡散した。

9位 SLIM(JAXA)

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)が打ち上げた無人探査機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)が2024年1月20日、日本で初めて月面着陸に成功した。共同開発したタカラトミー、ソニーグループ、SHARPなどがSNS上で応援メッセージを投稿し、大きな反響を呼びんだ。

 最先端の宇宙開発に身近な企業が関わっていること、また太陽電池で動くSLIMが月面の状況に応じて休眠することなどがSNSで話題に上った。

 SLIMのSNSアカウントでは専門的な話を一般ユーザー向けに分かりやすく発信しており、幅広い層の関心を集めた。

10位 LOOK AT ME

 「LOOK AT ME」は韓国のガールズグループ、TWICEが2017年10月にリリースした楽曲。2023年末ごろからTikTokのダンス動画に使われるようになり再注目。これに応える形で2024年2月23日に当のTWICEがダンス動画をTikTokに公開すると、さらにこの音声を利用した動画投稿も広がり、26.1万件に上った。

 一般ユーザー間での流行に本家アーティストが反応したことで重ねて人気を呼ぶ展開となり、日本語・英語・韓国語のバージョンが投稿されるなどグローバルで流行が再燃した。

2024年1~3月期のランキングの特徴

 大地震や著名人の訃報など悲しいニュースが相次いだ中でも、SNSは明るい話題で人々の心をつなぐ役割を果たし、音楽やドラマ、ゲーム世代や国境を越えて共感を呼ぶ姿が印象的だったと同社は分析している。

SNS流行語ランキングとは

 XやInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSで流行している言葉の中から、SNSマネージャー有資格者への調査に基づきランキングを作成し。

 2022年3月度から四半期ごとに最新の流行語ランキングを、年末には「年間大賞」をそれぞれ発表している。