7月の大阪公演を皮切りに、宮城、愛知、福岡で開催されてきたおよそ2年ぶりの『真夏の全国ツアー』。東京ドームでのファイナル公演は当初9月に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって11月に延期となった。ようやく開催することができ、高山は「本当にうれしいです」と力を込める。
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「これまで27年間、元気に前向きに生きてきたんですけど、今年の夏、東京ドーム公演が開催出来るかわからない状況になったとき、不安でいっぱいになりました。でもそんな中でも、一筋の光だったのが、今くらいの時期になればもしかしたら開催できるのかなということでした。それが実現できたので、本当にうれしいです」
高山はポジティブと平和のピースを混ぜた「ポジピース」という持ちネタがあるほど前向きな性格。そんな彼女も、ライブが延期になったことで、「今まで元気で明るいだけが取り柄だった私が、メンバーにも落ち込んでいる姿を見せてしまい、迷惑をかけてしまった」という。
「本当に悲しかったです。そんな姿を、毎日メンバーと一緒にいる中で、見せてしまっていました。“勝手に卒業を決めたのに、勝手に落ち込んでいる”と思われるのは辛いなぁと思いつつ、どんどんその落ち込みは深くなってしまって。その期間の自分はすごく嫌でした」
しかし“一筋の光”が現実になった。10月に延期となっていた東京ドーム公演の開催日が決定した。「今になって思うことですけど、9月に強行突破で開催していたとしても、その時は感染者数も多かったですし、例え有観客で行ったとしても、思い切りできる自信はありませんでした。ファンの方も、『どうしようかな、こんな時期だからやめておこうかな』と思ってしまったかもしれない。結果的にこのタイミングで行うことができて本当に良かったです」と微笑んだ。
■頑張って力を抜いて
取材日の段階ですでに東京ドーム公演のリハーサルは終了していた。高山は「乃木坂46の曲を、今後お仕事として踊る機会はないんだと思うと、すごく寂しかったです」としみじみ振り返る。
「今までリハーサルはすごく苦手でした。本番はいつも楽しいんですけど、私は“リハーサルはしんどい”と思ってしまうタイプ。でも今回はリハーサルがやり足りないんです。まったく疲れを感じなかったし、最後ならではのエネルギーが出ていたんだと思います。一方で、みんなと目が合うたびに残りの限られた時間を考えてしまって、それは寂しかったですね」
結成10年目、乃木坂46も本格的に世代交代に差しかかっている。ここ最近ではライブの煽りなどを3期生の梅澤美波、山下美月らが担当し、4期生の遠藤さくら、賀喜遥香が表題曲でセンターを務めるなど、後輩たちが注目される機会は増えている。高山は「YouTubeなど、昔より有名になるチャンスはほかにもあると思うのに、乃木坂46に入るのを待っていてくれて本当にありがとうといつも思うんです」と微笑む。
「後輩たちはみんな本当にかわいくて、そして性格もすごく良い。よくこんな子たちがこの世にいたなと思うし、乃木坂46って清楚なイメージがあると思うんですけど、私が加入した頃は元気な子もちらほら。私自身もそうです(笑)。でも今は乃木坂が好きで入ってきた子が多いから、等身大で清楚な子が多い。みんなには無理して自分のスタイルを崩そうとせず、自分らしく、今は今の乃木坂像を作る勢いで、頑張って欲しいと思います。自信を持って活動していってもらいたいですね」
高山にとっても乃木坂46にとっても10年間の集大成となる東京ドームのステージ。「本当に幸せな空間にしたいです」と意気込みを語る。
「私たちもステージに立つなら、ステージに立つ振る舞いをしなくてはいけないと思うけど、それを見てくださるファンの方は声を出せない代わりにきっとサイリウムやバルーンなどで応えてくださると思います。そのどちらもが合わさって、東京ドームという大きな空間で素晴らしい集合体になれたらいいなって。配信で見てくださる方にも同じように楽しい時間を伝えられたらなと思います」
持ち前の笑顔と前向きな性格でファンやメンバーから愛された存在。多くの人が、彼女のラストステージに注目していることだろう。最後に東京ドームの舞台に立つ自身を想像してもらうと「絶対に上手くいかないと思うんですよ(笑)。最後だしカッコいい姿を見せたいという思いが強すぎて、力んでいる自分が想像できます。“頑張って力を抜いて”って思いますね」と明かした。