ずっと真夜中でいいのに。は「観れば観るほど、聴けば聴くほどミステリアス」「わからない感じが最大の魅力」 “熱狂的ファン”ミステリー作家・綾辻行人氏が語る、ずとまよの魅力

ミステリー作家の綾辻行人氏が、ACAね(ずっと真夜中でいいのに。)の魅力について熱弁をふるった。

作詞作曲ボーカルをACAねが務める「ずっと真夜中でいいのに。」通称「ずとまよ」は、YouTubeでチャンネル登録者数230万人を超える、若者を中心に絶大な人気を誇るアーティストだ。

ミステリー作家の綾辻氏はずとまよの熱狂的ファンを公言し、ツイッターなどでずとまよへの愛を語るツイートも多い。そんな彼は「観れば観るほど、聴けば聴くほどミステリアスなんです。この『わからない感じ』というのが最大の魅力なんだと思います」と説明。

初めて存在を知ったのは、ACAねがNHKの『SONGS』に出演したときで「初めてテレビに出るみたいなのをたまたま見かけて、そのときのインパクトがすごくて。歌を作るにあたって『恥ずかしいという気持ち、痛い醜い自分、というのがあるじゃないですか。そういう吐露があるじゃないですか』って。うわあ、その言葉、普通初めてテレビに出てきて使わない言葉だろうと思ってグッときたんです」と告白した。

「僕はずっと小説を書いて長くやってきていますが、ものを書く、表現するのって基本どこかに恥ずかしいという気持ちがあって。痛い自分、醜い自分と向き合わないことには始まらないところがある」と自身のものづくりを引き合いに説明すると「できあがったものがすごくいいな、格好いいなという風に仮に思ったとしても、その裏側にはピッタリとそれを否定するような感情が貼りついているというね。そういう実感があるものですから、それをちゃんと言葉にしてこういった場で言ってしまえる彼女はすごい」と称賛した。

また、ACAねの書く歌詞については「歌詞が。伝統的なところもありつつ、すごく先端のものも取り入れつつ、バランスが巧妙というか絶妙にできている」として「たとえば日本語だと同音異義語が多いから、さかのぼると和歌の掛詞(かけことば)の昔までいくんだろうけども。すごく自由自在に同音異義語をいろいろな漢字を当てはめてちりばめていくんです。それはだけど、読まないとわからないんです。聴いただけだとわからない、それも前提としているというところが、いまだから成り立つんだなと思ったりします」と解説。

「奔放に軽やかに言葉と戯れているように見えるんだけれども、実はこれはものすごく僕は想像するに言葉とガチで格闘しているんじゃないか。格闘してなんとか手なずけてねじ伏せて使っているんじゃないか」と、ACAねの心境を推察して「新しい曲を聴くたびに『今度はどう攻めてくるんだろう』みたいな、そういう楽しみがあったりもします」と、自分なりの楽しみ方について語った。

ACAねはこれに対して「歌詞についてだと、音で入ってきた歌詞の意味合いと文字で見たときの言葉で感じたときの意味が違うものがすごく面白いなと思って。表と裏があるような言葉を使いたいなという意識があります」と明かした。

綾辻氏は「(『SONGS』の)放送が2年前だったと思うんですけど、ずっと真夜中でいいのに。という名前でそれに縛られて続けてきて、どんどんと人気も高まってきたこの2年間のあいだ、恥ずかしいという気持ちは維持されていますか?」と質問投げかけた。

ACAねは「いまでも多分、こうやって話している、人と話すこともそうですし、曲とかライブを作ったあとに観返すのもメチャクチャ恥ずかしいんです」としながらも「でも恥ずかしさがエネルギーとなって作品に表せるのはすごく誇らしい」と、みずからの感情を原動力に作品作りをしていることを明かしていた。

(ABEMA/「What is ZUTOMAYO? -ずっと真夜中でいいのに。とは何なのか?-」)

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