今年1月の卒業発表から9カ月あまり。5月に東京ドーム3Daysで予定されていた卒業コンサートは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止となり、配信ライブとして開催されることになった。

 視聴者数は国内で219,000枚、海外(台湾・香港・シンガポール・マカオ・中国)で10,000枚の計229,000枚が販売され、推定視聴者数は687,000人に達したという。ABEMA TIMES編集部では、このライブの模様、そして白石麻衣からのメッセージ、松村沙友理からの手紙の全文も交えてお届けする。

■影ナレは「からあげ姉妹」、ソロ曲『オフショアガール』、初期シングル曲で元気にスタート

 ついにこの日が来た。ライブの楽しみの一つ、本編スタート前の“影ナレ”を担当したのは、同期・1期生から「からあげ姉妹」こと生田絵梨花と松村沙友理。「私のまいやんの…」「いやいや、私のまいやんの…」「生田絵梨花のまいやん!」「松村沙友理のまいやん!」と“奪い合い”を繰り広げた後、「まいやんのために、“愛“叫べますか~!」と画面の前で待つファンに呼びかけた。

 そして本編は白石に憧れる女の子の物語風ショートムービーからスタート。「まいやんの卒業、聞いた?」とクラスメイトに話しかけられ、「もっと乃木坂にいてほしかったな…」と寂しそうな表情を見せる主人公。『OVERTURE』が流れる中、帰宅すると届いていたのは、乃木坂46の衣装を着た人形だった。

 次の瞬間、その人形を抱き、同じ衣装に身を包んだステージ上の白石が映し出される。人形と白石が着ていたのは、今回のライブ用のオリジナル衣装だったのだ。すかさず『オフショアガール』(15thシングル『裸足でSummer』c/w)のイントロが流れ、元気いっぱいに「皆さん盛り上がってますか?今日は幸せな時間にしましょうね!」と白石。影ナレを務めた松村と生田もはしゃぎながら現れ、次いで背景のショーケースにいた選抜メンバーも合流。そのまま『おいでシャンプー』(2ndシングル)に流れ込んだ。間奏の大サビ前には、松村が白石の今日の食事メニューを明かし、大サビ前には全員で「まいやん大好き~!」と今日の主役を取り囲んだ。

 次にクールな『制服のマネキン』(4thシングル)。オリジナルのフロントメンバーは生駒里奈の両脇を生田と星野みなみが固め「生生星」と呼ばれたが、今夜は白石麻衣がセンターを務めた。そして『世界で一番孤独なLover』(6thシングル『ガールズルール』c/w)のイントロが流れると、白石は赤い衣装にチェンジ。同じく赤に染まったステージに新4期生も含む全員が登場。セクシーなパフォーマンスを繰り広げた。

■リハから泣いていた星野みなみ…白石は「まだ泣かない(笑)」

 ここで最初のMC。キャプテン秋元真夏が「始まりました。配信をご覧の皆さん、盛り上がってますか?まいやんも盛り上がってますか?」。すると白石は「楽しい!熱くなってる。音楽がかかったら、“卒業なんだな“って実感してきて。さみしさもあるけど、一曲一曲を噛み締めながら、大事に大事にパフォーマンスします」と、遠く海外から視聴しているファンにも挨拶した。

 すると加入当時、最年少だった星野は「最後なんだなって思うと、まだリハなのに泣きすぎだよって言われちゃうくらい泣いてて…。お姉ちゃんのような存在だったし、憧れだったから…」と早くも声を震わせる。後ろで聞いていた4期生の早川聖来、清宮レイら後輩も涙を隠せない中、白石は「まだ泣かない(笑)」と必死に持ちこたえたが、おそらくこの時点で“もらい泣き”したファンもいたのではないだろうか。

 一方、「人にくっついたりするのが好きなんですけど、キャラがキャラだから全くしないんです(笑)」と、“らしさ”全開で話し始めたのは齋藤飛鳥。「だけど、まいやんといえばキュートなタッチが特徴じゃないですか。だから今日はいっぱい触ろうと思って。ごめん!いっぱい触るから、今日だけ許して!」と、生田・松村に“許可”を得ると、メンバーは再び笑顔に戻っていた。

■生田「支えてくれた」賀喜「私たちの憧れ」期生ごとの楽曲で同期、後輩からは次々に感謝の言葉

 ここからは期生ごとのパートとなった。

 まず、1期生のみで披露したのはデビューシングル『ぐるぐるカーテン』(1stシングル)。すでに9人になった1期だが、背景に流れる過去のライブ映像とともに見ていると、卒業していったメンバーも一緒に歌っているような、そんな気持ちにさせる演出だ。

 そして屈指のバラード曲『失いたくないから』(1stシングル「ぐるぐるカーテン」c/w)。間奏で高山と松村が歩み寄ると、もはや白石は感極まって歌えない状態に。そこに生田が歩み寄り、「まいやん…ついにこの日が来てしまいました。9年間、ずっと一緒にいたから、すごく寂しいなって思うんだけど、でも私たちは“行かないで”とは言えなくって。こうやって送り出せるんだって嬉しさが、今はあるかな。…緊張するお姉さんって思ってたけど、笑ってくれることが支えになっていて。ここまでこのメンバーでこれてよかったなって思ってます」。側で聞いていた樋口日奈も涙顔だ。曲の終わりには円陣を組んだ。白石は「ちょっと待ってください、ティッシュ!」と溢れる涙を堪えきれない様子だった。

 続いて2期生とは『バレッタ』(7thシングル)。「私たち2期生は、一番近くで見させていただいて来ました。プロ意識が強くて、みんなの憧れでした。美しさも、強さも全部あって…」(堀未央奈)、「その白い手をいつか握り返せるように、強くなりたいです」(北野日奈子)、「私たちを乃木坂46として成長させてくれました。大きな大きな背中を見せてくれました」(伊藤純奈)と、それぞれに感謝の言葉。

 そして3期生と「逃げ水」(18thシングル)。白石に最も懐いていた大園、ことあるごとに涙を見せてきた大園だが、ここでは最後まで満面の笑顔。ところが梅澤美波が「白石さんの背中は、私たちが好きになった乃木坂そのもの。計り知れない努力とプレッシャーなのに、弱さを見せずに先頭に立つ美しい姿は、私たちの目標で、憧れです」、久保史緒里が「テレビの中にいた白石さんに憧れていた私たちは、この場所に来ることを夢に見ていました。そんな私たちを迎え入れてくださったこと、感謝の気持でいっぱいです」と語りかけると、いつしか大園の頬には大粒の涙が。「さみしいです。…でもこれからも白石さんの素敵な笑顔が見られるように、心配させないように、もっとしっかりして頑張っていきます。大好きです」と絞り出した。白石はそんな大園の頭を撫で、肩を抱き寄せた。

 最後は4期生と『夜明けまで強がらなくてもいい』(24thシングル)。緊張ぎみの新4期生に優しく微笑みかける白石に、「白石麻衣さんに憧れてオーディションを受けました。変わりたい、強くなりたい、輝きたい。アイドルになりたいと思った理由はそれぞれですが、先輩方への憧れは共通しています」(賀喜遥香)。「入る前も、入った後も、私たちの憧れです。笑顔が大好きです。安心したり、たくさん救われました。ずっと大好きで憧れの存在です」(筒井あやめ)、「どんな時も暖かく見守ってくださって、支えになっていました、これからも見守っていて欲しいです。一緒に過ごした時間は、一生大切なものです。ありがとうございました」(イントロで白石の手を握った遠藤さくら)と話していた。

■思い出が詰まった、カラフルなソロ、ユニット曲も

 ここからはユニット曲パート。『立ち直り中』(11thシングル「命は美しい」c/w)、『でこぴん』(5thシングル『君の名は希望』c/w)は1期生の秋元真夏、高山一実、松村沙友理の4人とパフォーマンス。ラストはそれぞれが白石に一言ずつメッセージを送るも、秋元はタイミングを測り間違えたのか、「私も最後、どうしてもいいたいことがあるんだけど…あっ!時間切れ(笑)」と“らしさ”いっぱいに締めていた。

 ここで新内眞衣が加わり『偶然を言い訳にして』。ステージがCGとうまく融合、AR風の映像になり、MVを彷彿させるキュートな世界観を再現した。さらにバラエティ番組では“好敵手”を演じてきた秋元真夏とのM13『まあいいか』(19thシングル『いつかできるから今日できる』c/w)では笑顔いっぱいに、また、大の仲良しの松村とは『流星ディスコティック』(3rdアルバム『生まれてから初めて見た夢』収録曲)を黒の衣装で大人の魅力いっぱい、息もピッタリに披露した。

 ここから残りの1期生も一緒に、『せっかちなかたつむり』(3rdシングル 走れ!Bicycle c/w)。そして、不在の生田は?と思いきや、ステージ上に1人で待っていた。白石がエスコートした先には、赤いグランドピアノ。節目のライブで披露してきた生田のピアノ演奏をバックに、ソロで『きっかけ』(2ndアルバム「それぞれの椅子」収録曲)。新しい道へと一歩を踏み出す戸惑いや勇気を歌った歌詞は、いまの白石の心境にぴったりだったはずだ。いつもよりもテンポを落とし、生田が美しくハモる中、噛みしめるように歌い上げた。

 そして大サビで生田の隣に腰掛けた白石。その目に飛び込んできたのは、楽譜に書き込まれた、「推しメンにしてくれて、ありがとう。まいやんが笑ってくれるのが何よりの喜びでした。大切な人。ずっと大好き♡」という生田からのメッセージだった。「言葉にするのがあんまり得意じゃないから…」と生田。白石は再び感極まっていた。

■「改めて、すごくいい曲がいっぱいあるなと思いました」

 ここからはクライマックスまで、ライブでも定番のシングル曲を連発した。

 『シンクロニシティ』(20thシングル)、『インフルエンサー』(17thシングル)と、レコード大賞受賞曲を炎の特効も交えて披露。白石を中心に、乃木坂が文字通りトップアーティストとして認知された頃を思い出したファンも多かったのではないだろうか。

 ここで流れたのは、OG橋本奈々未の卒業曲でもある『サヨナラの意味』(16thシングル)。メンバー2人ずつと笑顔を交わしていく白石だが、やはり涙が止まらなくなる。最後にはランプシェードに「9年間ありがとう 白石麻衣」と書き込むと、数十個が一斉に舞い上がった。

 歌い終わり、一息ついた白石は「まさかまさか、涙が止まらなくなっちゃって。急に溢れてきたけど、乃木坂の曲って素敵な曲が多いから、ひとつひとつの歌詞をたどってみるとすごく意味もあるし。改めて歌詞を深く考えて歌った時、すごく感情が溢れてきたり、改めてすごくいい曲がいっぱいあるなと思いました」。

 いよいよ本編ラストの一曲だ。「最後はやっぱりみんなで楽しくパーッと盛り上がりたいと思っているので、配信を見てる皆さんも一緒に避けんで騒いじゃってください!」と、『ガールズルール』(6thシングル)。ライブで最も盛り上がる楽曲の一つであると同時に、白石が初めてセンターに抜擢された楽曲でもある。「お前ら~騒ぐぞ!!」と煽ると、「インタラクティブコール曲」として、「超絶かわいい、まいやん!」と、ファンの声が重なった。これには画面の前で思わずコールしたファン多かったのではないだろうか。

■アンコール、そして白石からのメッセージ

 デビュー時からの白石を振り返る映像や、メンバーからのメッセージに続いては、純白のドレスに身を包んだ白石が登場。白石からメンバー、スタッフ、ファンへ向け、次の通りメッセージを送った。

 白石麻衣です。ここまで見て下さって、皆さんありがとうございます。何を話そうかなって、何回も何回も、卒業ライブが決まった時から考えてたんですけど、結局なにも出てこなくて。それは私にとってこの9年間は楽しい思い出ばっかりで。

 辛いことも、悔しいこと、悲しいこと、何度も壁にぶち当たったこともあったし、“私、アイドル向いてないな”って、“続けられないかも”って思ったことも何回もあったけど、でもそんな時、私の周りにはたくさんの大好きなメンバーがいて、たくさん応援してくれるファンの皆さんがいて。たくさん支えてくれるスタッフの皆さんがいて。皆さんがいてくれたから私はここまで頑張れたし、励まし合って、みんなでたくさん声かけあって、大丈夫だよ、頑張ろうって言ってくれたら、私もこうして乃木坂を9年間続けることができました。本当にありがとうございます。

 ライブが始まって曲がかかった時に、“ああ、もう乃木坂でいられるのもあと数時間なんだな”って、そう思ってすっごいすっごくさみしい気持ちにもなったし、でも最後は笑顔で頑張らないとなって思ったし。メンバーの笑ってる顔だったり、みんなでたくさん声をかけ合って、一緒に頑張ろうねって話してくれてる姿を見て、私も今までで一番のライブにしたいって思ったし、さみしい気持ちよりも、しっかり前を向いて。大きな一歩にもつながるので、頑張らなきゃなって思いつつ。今日、ここまで走ってきました。

 私はライブが本当に好きで。最初は歌もダンスも苦手だったし、“ちゃんと歌えるのかな”とか、“ちゃんと踊れるのかな”って、何度も何度も不安になって。いっぱい考えたこともあったけど、ライブで見る素敵な景色、ファンの皆さんひとりひとりの声援、そういう声にたくさん救われて、元気をもらって。“あぁ、歌うのも、踊るのも、楽しいな”とか、“ライブって、こんなに楽しいんだとか”、皆さんからたくさんのパワーをもらったて、私もライブで皆さんに素敵なパフォーマンスで恩返ししようって思えたり。

 だから最後のライブが配信になってしまって、直接気持ちを伝えることができないのはとても残念ですけど、今こうして目の前で最後まで見てくれている皆さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 何もできなかった普通の人でしたけど、私をここまで大きくしてくれたのもたくさんのファンの皆さんのおかげですし、大好きなメンバーがいてくれたから、私もいろんなことを乗り越えてこれたし、なんて言っていいかわかんないけど、たくさん感謝してるし、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

 この9年間、乃木坂で私はたくさんの愛をもらって、たくさん素敵な思い出を作って、白石麻衣としても、一回りも二回りも大きく成長できたかなって思っているので、これから卒業して一人になっても、乃木坂でいられたことを誇りに、これからもしっかり前を向いて、強く進んでいきたいなって思っております。

 乃木坂のこれからもすごく楽しみですし、みんなにはこれからもたくさん楽しんでもらいたいなって思うし、辛いこととかあった時はみんなで支え合って手を取り合って頑張っていってほしいですし、私もこれからも乃木坂を応援して、大好きな乃木坂をたくさんまた見ていきたいなって思います。

 9年間、乃木坂にいてすごく楽しかったし、乃木坂に入ってよかったなって、本当に心からそう思います。今日までの時間、たくさん過ごしてきたけど、やっぱり乃木坂って最高だな。そう今日までの9年間で思いました。たくさんの思い出がいっぱいです。約9年間、応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました。


 そして「私が乃木坂で過ごしたたくさんの日々を詰め込んだ曲になっています」と歌い始めたのは、アンコール1曲目『じゃあね。』(25thシングル「しあわせの保護色」c/w)。白かったドレスは、プロジェクションマッピングによって様々な模様や色にアレンジされていた。
 

■松村からの"まいやん愛"溢れたメッセージ

 ここで他のメンバーも再びステージに登場。秋元が「本当に素敵だった。一緒にやってきた時間の思い出があるじゃない?それを噛み締めながら聞いてました。ほんとはこんなこと言っちゃダメなんですけど、嫌だよ」。

 次いで秋元に促され、松村沙友理が手紙を読み上げた。

 まいやん、卒業おめでとうございます。伝えたいことがたくさんあるんだけど、せっかく思いを伝える時間をもらったので、厚かましくも私たち二人のことを書かせてもらおうと思います。まいやんは、私との思い出で一番印象深いことは何ですか? まいやんの卒業が決まって、いろんなところでまいやんとの思い出を話してきました。沖縄やハワイに行ったこと、MV撮影でのハプニング、音楽番組での出来事。まいやんとの思い出は数え切れないほどあるけど、私の中の1番の思い出は、事務所の会議室で2人きりで内緒話をしたことです。覚えているかな? 乃木坂46が結成されてまだまだ必死に毎日を過ごしていた7~8年前だと思います。リハーサルが終わってみんなが帰っていく中、2人で会議室のピアノの下に隠れるように座って話をしました。

 その頃の私は一生ここで生きていくと思っていた大阪から上京して、でも根暗で自分から話しかけたり出来ない性格のせいで、東京に友達もいないし、まだメンバーともちょっと壁を感じてしまっていました。だからこそなのか、どういう流れでそうなったのかは忘れてしまったけど、話した内容はお互いの家族のことだったり、ほかの人からしたらなんてことのない話だったんだけど、隠れてコソコソ話をするのが、まるで2人だけの内緒話をするかのように、私には特別なものに感じられました。"女の子は秘密を共有して仲良くなる"と言うけれど、あの時の私には確かにその感覚があったし、私はその時、まいやんの心に触れた気がしました。私はそれがうれしくてうれしくて、この子を一生大切にしようと思ったんです。

 それからの選抜発表で「ガールズルール」のフロント3人(白石麻衣・橋本奈々未・松村沙友理)に選ばれて、「この3人は運命で結ばれてる」と強く思いました。これが私のまいやんとの思い出の中の、特に大切にしながら今日まで思い続けていたことです。オーディションの日、駅で私を助けてくれたヒーローは、年月が経ち私の大切な人となり、同い年ならではの助け合い・思い合える関係がとっても心地良くて、ずっとずっと一緒にいられたらいいのにと願っていたのに、今日この日がやってきてしまいました。この手紙を読む時、私はどんな顔で読んでいるんだろう。ライブでまいやんに思いを伝えられているかなぁ? ちょっぴり心配だから伝え残すことがないように、今、伝えたいと思います。

 まいやん、初めて会う私のことを助けてくれてありがとう。練習中に1人でいる私をご飯に誘ってくれてありがとう。プリンシパルの練習中「辛いね」って一緒に泣いてくれてありがとう。私がしんどい時、前を向けるようになるまで待っていてくれてありがとう。まいやんの根がいい人のところ大好きだよ。まいやんの匂いを嗅ぐのが好き。肌を触るのも、ちょっと嫌がられながらホクロを数えるのも好き。まいやんのきれいな通る声が好き。実は怖がりで私に「先に行って」と言うところも好き。私のことを「沙友理ちゃん」って呼んでくれること、目があうといっぱいの笑顔になってくれること、私のこと「大好きな人」って言ってくれること、全部全部大好きだよ。

 これから先、仕事場でライブでまいやんがいないことを想像すると、寂しくて寂しくて仕方がありません。「ぐるぐるカーテン」も「おいでシャンプー」もいつも横を見たらまいやんとかずみんがいるの大好きだったし、一緒にユニットもたくさんしたよね。でも「シャキイズム」も「ロマンティックいか焼き」も私が誰とペアを組めばいいんだろう? 「キラーン」って一緒に遊んでいたのに、もう出来ないのかな。寂しいよ。寂しくて、どうしたらこの寂しさがなくなってくれるのかわかりません。

 私はどうしようもなく不器用で、今までまいやんがたくさん愛を伝えてくれていたのに、上手に受け取れていなかった気がしてなりません。あの時、もっとこうしとけばよかったと"ないものねだり"したくないから、これから遠慮しない関係になりたいです。まいやん、本当に大好きだよ。乃木坂46のためにたくさん頑張ってくれてありがとう。たくさんの人の思いを背負ってくれてありがとう。本当に本当にお疲れ様でした。松村沙友理

 時に涙を流し、時に笑いながら耳を傾けていた白石。同期、そして同い歳として様々な経験を共にしてきた仲間からの熱いメッセージに、何度も感謝の言葉を口にした。

■「こんなに幸せでいいのかなっていうくらいの9年間」

 ライブもいよいよ最終盤。アンコール2曲目は、白石にとってラストシングルとなった『しあわせの保護色』(25thシングル)。「温かくて、幸せにもなれて、皆で前を向けて、一歩ずつ強くなって、頑張れる素敵な曲」と、メンバーとハグをしたり、アイコンタクトをしたりしながら、笑顔いっぱいに歌い上げていた。

 全楽曲が終了、秋元に促されて進んだ青いカーペットの先には2011年の結成当初からの思い出の写真の数々。そしてファンから贈られた、白石のカラー・水色の祝花が飾られていた。白石は「本当に楽しかった。こんなに幸せでいいのかなっていうくらいの9年間。また頑張ろうって思えた。本当にありがとうございました」と挨拶、ライブを締めくくった。

 筆者が初めて白石を取材したのは、2015年5月の神宮球場の始球式。一人での仕事で、まだ不安げな表情も見せていた白石は、今やメンバーの誰からも尊敬され、近くに立っているだけで安心感を与えられる“大きな目標”になっていた。その白石は、今後も女優業・モデル業を中心に、幅広くタレント活動を行なっていく予定だという。名残惜しさ、寂しさを乗り越えたメンバーは、その白石が残した、同期、先輩後輩に関係なく支え合える乃木坂46の温かさを継承し、さらに強く成長していく。

■『NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert~Always beside you~』セットリスト

M00 OVERTURE(過去のMVの映像とともに)

M01 オフショアガール (15thシングル「裸足でSummer」c/w)

M02 おいでシャンプー (2ndシングル表題曲)

M03 制服のマネキン (4thシングル表題曲)

M04 世界で一番孤独なLover (6thシングル「ガールズルール」c/w)

M05 ぐるぐるカーテン (1stシングル表題曲)

M06 失いたくないから (1stシングル「ぐるぐるカーテン」c/w)

M07 バレッタ (7thシングル表題曲)

M08 逃げ水 (18thシングル表題曲)

M09 夜明けまで強がらなくてもいい (24thシングル表題曲)

M10 立ち直り中 (11thシングル「命は美しい」c/w)

M11 偶然を言い訳にして (2ndシングル おいでシャンプー c/w)

M12 でこぴん (5thシングル 君の名は希望 c/w)

M13 まあいいか? (19thシングル いつかできるから今日できる c/w)

M14 流星ディスコティック (3rdアルバム 生まれてから初めて見た夢 収録曲)

M15 せっかちなかたつむり (3rdシングル 走れ!Bicycle c/w)

M16 きっかけ(ピアノ伴奏:生田絵梨花) (2ndアルバム それぞれの椅子 収録曲)

M17 渋谷ブルース(4thシングル「#制服のマネキン」c/w)

M18 シンクロニシティ(20thシングル表題曲)

M19 インフルエンサー(17thシングル表題曲)

M20 サヨナラの意味(16thシングル表題曲)

M21 ガールズルール(6thシングル表題曲)

EN1 じゃあね。(25thシングル「しあわせの保護色」c/w)

EN2 しあわせの保護色(25thシングル表題曲)

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