「ABEMA PPV ONLINE LIVE」にて生配信された「CYBERロマンスポルノ’20 ~REUNION~」は、ポルノグラフィティにとって2019年9月にメジャーデビュー20周年を記念して開催された東京・東京ドーム2DAYS公演以来、約1年3カ月ぶりのライブ。コロナ禍における政府発表のガイドラインに従い、収容人数を制限した形で会場にはファンも詰めかけ、また配信ではAR演出を使用した独自の映像を届けるという“ハイブリッド型”の公演として行われた。

 開演時間になると、ライブはデビュー曲「アポロ」から幕を開けた。岡野昭仁(Vo)は冒頭の歌詞を「僕らが生まれてきて半世紀後の世界 サイバー空間であなたとつながりたい」と配信を意識したアレンジで歌唱。この粋な演出に画面越しのファンからは「自宅視聴組を気遣った歌詞から始めるなんて…反則だよ、泣く」「涙で見えないー!」「最高ー!!」「アポロで泣かされるとは」などの声がコメント欄に続々と寄せられた。会場に集まったファンも感染拡大防止を考慮し声が出せない代わりに、両手を上げて拍手しながらポルノグラフィティの登場を喜んだ。

 最初のMCで岡野は「声が出せんのよね。でもね、伝わってきてるのよ。そりゃ声出せる方がもちろんええんじゃが、今の君たちの気持ちは十分伝わってるで。1年3カ月ぶりのライブ“REUNION”でございます! あんたたちに会えてうれしいです!」と客席に挨拶。それから「配信を見ている皆さんもあんたたちが画面の向こうで見ていてくれててうれしいです!」と画面越しのファンにも呼びかけていた。

 またこのライブでは特設サイトにてTwitterとの連動企画「MESSAGE TO REUNION」も行われた。ポルノグラフィティの代表曲の1つ「アゲハ蝶」のパフォーマンス中には、特設サイトに寄せられたメッセージの一部がライブ中の演出として使用され、配信用の映像では、それぞれのメッセージが「蝶」に姿を変えライブ会場中を飛び交っていた。

 本編の最後には新藤晴一(Gt)が「こういう状況の中、会場に足を運んでくれた皆さんと、配信で見てくれたファンに感謝しています」と少し照れ臭そうに挨拶。それから「ファンのみんなも我々も、今年はこんなことがあるんだなってことを体験して、価値観の変化や新しいものの見方をしてきたわけだけど、今日分かったのは会いたいと思えばどうやってでも会えるということ。この先もきっとお互いに会いたいと思えばどこかで必ず会えるはずなので、コロナに負けずやり抜きましょう。今日はありがとう!」とメッセージを送った。

 そして岡野は「ネガティブなことを言うようだけど、今、音楽業界は大変です。でもそんな中、今日のライブを絶対良くしてやろうと気合いを入れてこの場所を用意してくれたスタッフに大きなエールを!」と客席に拍手を求め、最後に「今日から新しいものを作っていくんじゃけ! 我々で新しい世界を作っていけばいいと思います。その上でワシらはこのホームがあってよかった。でもこの居心地の良さに甘えるだけじゃなく、力強い一歩を踏み出して、これからも頑張っていきたいと思います。ポルノグラフィティ、全盛期はこれからです」と力強く宣言した。

 アンコールではこの日のために制作された新曲「REUNION」も披露。およそ2時間、全18曲をパフォーマンスし会場に集まったファンと視聴者を熱狂させた彼ら。すべての演奏が終わり、ステージに残った新藤と岡野はマイクを通さずに生声で挨拶。新藤が「今日は本当に会えてうれしかったです。ありがとう」と感謝を述べると、岡野は「同じこと言うようだけど、ほんまに会えてうれしかった。そして、また会おう」と再会を誓い、晴れやかな表情でステージを後にした。

 公演中には「#REUNION」と「#ポルノグラフィティ」がTwitterでトレンド入りするなど、ネット上も大きな盛り上がりを見せていた。