2012年2月22日にシングル「ぐるぐるカーテン」でデビューした乃木坂46。9回目のバースデーライブは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で初の無観客公演として行われ、同時に卒業を発表している堀未央奈が参加する最後の全体ライブとなった。影アナを務めたのは堀、そして秋元真夏、梅澤美波、田村真佑の4人。「新生真夏さんリスペクト軍団」を勝手に名乗る3人が、“尊敬してる”と言いつつも終始、秋元をいじるという絶妙な掛け合いを披露し、ライブ開始前に視聴者を和ませた。

 開演の時刻になり「Overture」が場内に響き渡ると、ステージにメンバーが登場しデビュー曲「ぐるぐるカーテン」からライブをスタートさせた。画面上にはAR演出による花火が打ち上がり、序盤からバースデーライブに相応しい華やかな景色が広がった。最初のMCで生田絵梨花は「10年間はあっという間だったね。でも絶対あっという間じゃないのに、あっという間と言えるくらい濃い時間を一緒に過ごしてきたということだよね。感慨深いね」と率直な心境を口に。それから「私“20代なんてあっという間だよ”と言う大人に憧れていたの。なんかかっこいいなと思って。だから後輩たちは心して聞いて欲しい。“10年なんてあっという間だよ”」と言い放ち、メンバーからは「生ちゃん、かっこいい~」と黄色い声が上がった。

4期生は「もう1人前」

 そして、各期別の代表者挨拶へ。齋藤飛鳥から指名された遠藤さくらが「バースデーライブに参加するのは今回で3回目なんですけど、今年も先輩方や同期のみんなと一緒にライブを作っていけるというのがすごくうれしくて、楽しみでもありました。今日は画面越しではあるんですけど、笑顔だったり、気持ちだったり、ライブの熱気だったりが伝わるように私も頑張ります」と意気込みを語ると、齋藤は「4期生は加入して2年以上経ってるもんね。4期生の子をずっと“かわいい後輩ちゃん”みたいに扱っちゃうけど、もう1人前ですので、えんちゃん、よろしく頼みますよ!」と期待を込めた。

 MCを挟み、2曲目に披露された「インフルエンサー」でWセンターを務めたのは3期生の山下美月と与田祐希。2017年に白石麻衣・西野七瀬のWセンターで「日本レコード大賞」大賞を受賞した同曲も、間奏では椅子を使った新しい振りつけが行われるなど、今回のライブで進化した姿を見せていた。梅澤がセンターを務めた「シンクロニシティ」、オリジナルと同様に生田センターの「何度目の青空か?」が披露された後は、1年前のバースデーライブと同じく、遠藤をセンターに据え「帰り道は遠回りしたくなる」がパフォーマンスされた。昨年は歌いながら涙を流していた遠藤だが、今回は笑顔でセンターという大役を務め上げ、1年間の成長をファンに印象付けた。

 「君の名は希望」で会場を感動的なムードで満たすと、1期生と2期生のMCコーナーへと突入した。髪の毛をバッサリ20センチ切って“人生初のボブヘア”にイメチェンした秋元を指し、生田が「みんな気づいた? 真夏は昨日のリハが終わってからまた切ったんだよ」とメンバーに報告すると、これに秋元は「美容師さんに2センチ切ってもらったんだけど、“この2センチに気付く人、相当真夏さんのことを見ている人ですよ”と会話してたの。そしたら生ちゃんだけが気付いて、ビックリしちゃった」とうれしそうな表情を浮かべる。続けて、星野みなみは「今日は客席に大好きなファンの方のサイリウムが無くて、キラキラしていないのがちょっと寂しい。でもまた会場でキラキラしている景色を見られるのを目標にして私も頑張るし、皆さんも会場にいるつもりで、全力で楽しんで欲しい」と視聴者に呼びかけた。

また笑顔で会える日が必ずやってくる

 ここからライブは期別コーナーへ。まず4期生が「夜明けまで強がらなくてもいい」をクールにパフォーマンスすると、それから「キスの手裏剣」「Out of the blue」といったポップチューンを披露し視聴者を盛り上げた。続けて3期生が「逃げ水」「トキトキメキメキ」「毎日がBrand new day」を爽やかかつキュートに届けた。

 2期生は「バレッタ」「アナスターシャ」「ライブ神(しん)」という表情の異なる楽曲を連続で披露し、表現力の高さをオーディエンスを魅了する、1期生は「制服のマネキン」「サヨナラの意味」といったシングル表題曲を連続で披露。現在は8名となった1期生だが、存在感のあるステージングで視聴者を魅了し、ラストの「狼に口笛を」では、オオカミの着ぐるみを着たダンサーもステージ上に登場し、賑やかな映像を視聴者に届けた。

 続けてはコロナ禍に見舞われた2020年を振り返るコーナーに突入。乃木坂46が2020年に発表した唯一のシングル表題曲「しあわせの保護色」で大園桃子がセンターを務めると、続けて披露されたのは昨年3月に行われた「乃木坂46 幻の2期生ライブ @SHOWROOM」のために書き下ろされた2期生楽曲の「ゆっくりと咲く花」。センチメンタルなナンバーでファンの感動を誘うと、医療従事者への感謝と外出自粛へのエールを歌った「世界中の隣人よ」を披露。曲中では齋藤が「家にいることしか出来ない私たちが少しでも皆さんに勇気を与えることはできないか。この歌を届けることになったのはそんな思いからです。また笑顔で会える日が必ずやってくる。そう信じて私たちは歌い続けます」と力強くメッセージを届ける場面も。

 2020年「NHK紅白歌合戦」で披露した小室哲哉作曲の「Route 246」、「ライオンスペシャル 第40回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ)の応援ソングの「明日がある理由」、映画「映像研には手を出すな!」の主題歌で齋藤、梅澤、山下のユニット曲「ファンタスティック3色パン」といったナンバーが連続で披露されると、続けて4期生がカップリング曲ながらMVのYouTube再生回数1700万回を突破した楽曲「I see…」を元気いっぱいに届け、オーディエンスの視線を釘付けにした。

これからも一緒に坂を

 ここからライブはアンダーブロックへと突入。「口ほどにもないKISS」「自惚れビーチ」を爽やかにパフォーマンスし、視聴者との一体感を高めると、北野日奈子をセンターに据え、「日常」を披露。情熱的なパフォーマンスを見せてオーディエンスを興奮へと誘うと、選抜メンバーが登場し、ダンスナンバー「Wilderness world」を歌い踊った。

 ここからライブはいよいよ終盤戦へ。「いつかできるから今日できる」を披露した後は、全員で「おいでシャンプー」をキュートにパフォーマンス。

 「Sing Out!」を歌い終えると、最新曲でセンターに抜擢された山下がMCを行う。「初めてセンターをやると聞いた時は、今の自分には余りにも背負うものが大き過ぎると思いました。最初は“逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ”と自分に言い聞かせていました。でもそんな時に手を差し伸べてくださったのはメンバーだったり、スタッフさんだったり、ファンの皆さん。本当にたくさんの方のお陰で、“自分は1人じゃないんだ”と実感することが出来ました。乃木坂のセンターという大き過ぎる場所に、私が今ちゃんと立てているのかは、正直自信ありません。でもこんな私でも笑顔で迎え入れてくれて、居場所を作ってくださった皆さんのお陰で、自分のことをちょっとだけ好きになれた気がします。皆さんに恩返しが出来るようにこれからもたくさんの笑顔と幸せを届け続けることを約束します」と伝えてから、最新シングル「僕は僕を好きになる」をパフォーマンス。曲の終盤ではメンバーそれぞれがファンに向けた直筆のメッセージを掲げると、山下が「これからも私たちと一緒に坂を上ってください。皆さんのことが大好きです」と改めてファンに呼びかけた。また、垂れ幕にはスタッフからメンバーに対する「9回目のお誕生日おめでとう! これからも一緒に坂を登りましょう」というコメントも掲載された。大量の紙吹雪が舞い、感動的なムードが会場内を満たす中でライブ本編は幕を閉じた。

2期生ライブが「私の最後の活動」

 アンコールではグループからの卒業を発表している堀を中心に「そんなバカな…」「ダンケシェーン」が披露された。しかし「ダンケシェーン」ではキャプテンの秋元が「やっぱ未央奈だな!」と叫ぶつもりがうっかり「やっぱ乃木坂だな!」と通常通りの言葉で締めてしまう。激しい後悔に襲われやり直しを求めた秋元が再び「やっぱ未央奈だな!」と叫ぶと、メンバーも「だな!」と笑顔で呼応していた。

 MCで堀は「最後のバースデーライブという実感はなくてまだふわふわした感じだけど、全員でのライブというのは今日が最後です」とファンに報告。それから「たくさんの方の応援があって私が存在していました。あと少ししか乃木坂にはいないけど、メンバーと離れるのが1番寂しいです。残りの時間いろんな思い出を作れるように楽しみたいと思うし、直接会いたかったけど、会えなかったファンの方にも感謝の思いを伝えたいです」と涙ながらに語った。

 さらに本公演開催発表時に「延期・分散開催」とされていた期別ライブについて2期生ライブが3月28日、1期生ライブが翌3月29日にオンライン配信にて実施されることが発表されると、堀が「3月28日は2期生の結成日というか、乃木坂46に合格した日ですごく思い出深い日。そのステージが私の最後の活動となるので、2期生全員で力を合わせて楽しみたいと思います」とコメント。秋元も「私も楽しみにしてる。絶対観るね」と続き、力を込めた。

 最後は全員で「乃木坂の詩」を披露。曲が終わると、秋元が「ここから10年目に向かって行きます。私たちは皆さんが楽しい時も寂しい時も、どんな時も傍にいます。乃木坂46はこれからも上を向き、どんどんどんどん成長していけるように走って行きます。そんな乃木坂46の応援を、これからもよろしくお願いします。皆さん今日はありがとうございました。次会う時まで、元気でいてください」と力強く呼びかけ、9回目のバースデーライブは幕を閉じた。

 この9年間でメンバーの卒業など、グループにとって様々な出来事もあった。しかし同時にグループの未来を担う若手メンバーも加入した。今回のライブでもベテランと若手が調和し、新しい乃木坂46の形を示した。1期生・2期生ライブの後には3期生・4期生の単独ライブも控える。10年目の新章に突入した乃木坂46はこれからもファンと共に、坂道を上っていく。

■乃木坂46「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」セットリスト

M00. Overture

M01. ぐるぐるカーテン

M02. インフルエンサー

M03. シンクロニシティ

M04. 何度目の青空か?

M05. 帰り道は遠回りしたくなる

M06. 君の名は希望

M07. 夜明けまで強がらなくてもいい

M08. キスの手裏剣

M09. Out of the blue

M10. 逃げ水

M11. トキトキメキメキ

M12. 毎日がBrand new day

M13. バレッタ

M14. アナスターシャ

M15. ライブ神(しん)

M16. 制服のマネキン

M17. サヨナラの意味

M18. 狼に口笛を

M19. しあわせの保護色

M20. ゆっくりと咲く花

M21. 世界中の隣人よ

M22. Route 246

M23. 明日がある理由

M24. ファンタスティック3色パン

M25. I see…

M26. 口ほどにもないKISS

M27. 自惚れビーチ

M28. 日常

M29. Wilderness world

M30. いつかできるから今日できる

M31. おいでシャンプー

M32. Sing Out!

M33. 僕は僕を好きになる

EN1. そんなバカな…

EN2. ダンケシェーン

EN3. 乃木坂の詩

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