『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』は、LDHが掲げる「現状を打ち破り、限界を超えていこう/2021年へ向けて 僕らは、ボーダーを超えていく/RISING SUNの光を力に変えて 世界へ届けよう/2021年、復活の想いを込めて」という力強いテーマのもと、行われたライブ公演。12月22日のTHE RAMPAGEから始まり、23日にBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE、24日に三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、26日にFANTASTICS from EXILE TRIBE、27日にGENERATIONS from EXILE TRIBE、28日にE-girls、Happiness、スダンナユズユリー、29日にEXILEが登場するスケジュールだった。本公演は、すべて無観客で行われたライブの生配信となり、ABEMA独占で配信された。

THE RAMPAGEライブのセオリーを破った、斬新なバラードのオープニングに賞賛の声「最初から強すぎる」

 オープニング、大きなクリスマスツリーが映し出され、人々が行き交う雑踏のようなSEが遠くから聞こえる。3日後に訪れるクリスマスのムードを醸す演出の中、ヴォーカルのRIKUが、オリーブ色のスーツに身を包み、ひとり歩いてきた。どこかから響く鐘の音、床に置かれた無数のキャンドルの温かな炎が、これから始まるライブを幻想的に迎える。そして、RIKUがピアノの前に座り、向かい側に置かれたハイスツールに、ヴォーカルの川村壱馬、吉野北人が腰かけ、たたずむ。

 RIKUが奏でたピアノの音は『Can't Say Goodbye』。THE RAMPAGEの楽曲の中でも人気曲でありライブの定番曲だ。通常のライブ構成だと、中盤以降に位置されることの多い『Can't Say Goodbye』だが、この日はオープニングを飾る1曲目となった。意表を突いた曲順は、彼らが「自分たちのセオリーを破った」と事前に伝えていた通りで、配信を楽しんでいた視聴者のコメントには、「これは予想できなかった!」「すでにやばい」「最初から強すぎる」「泣いちゃう…」と、うれしい裏切りのリアクションでいっぱいに。確かな鍵盤の音に重なるヴォーカルの歌声は、混じりけのないハーモニーとして響き、THE RAMPAGEの公演が始まったことを伝えた。

 やがてパフォーマーがひとり、ひとり、踊りながら登場。後ろ姿から振り向き神谷健太が舞うところからスタートし、リーダーのLIKIYA、龍、後藤拓磨の順で、次々に通路からやってきた。続いて山本彰吾、長谷川慎となり、藤原樹と武知海青はクリスマスツリーの前でしっとりと踊ってみせ、余韻を残す。カメラが切り替わり、浦川翔平、与那嶺瑠唯、岩谷翔吾、鈴木昂秀、最後にリーダーの陣で締めくくった。個々のダンスとともに、それぞれの名前を紹介する演出に、「考えた人、天才!」とコメントでも賞賛の声が上がった。

 2曲目『INTO THE LIGHT』のオープニングが流れると、川村は「皆さん、『LIVE×ONLINE』楽しんでいきましょう」と視聴者に語り掛ける。壮大なバラードの本曲では、スポットライトを浴びたパフォーマーが、一斉に踊り出した。ブルーのライトに照らされ、粉雪が舞う演出は少し大人なムード。サビ部分の吉野の透き通るような歌声にも魅せられ、コメント欄でも、「毎回いい意味で期待を裏切るランペ!」、「すでに感無量」という高まりが見られた。2番に差し掛かると、ヴォーカルに連動してパフォーマーが3ブロックにわかれて踊った後、長谷川をセンターにしたV字の形となり、新鮮なフォーメーションで目も楽しませてくれる1曲となった。

 続く『ESCAPE』は、昨年末12月に発売されたばかりの最新シングル『MY PRAYER』のカップリング曲。リラックスムードの曲調と、軽やかな3ヴォーカルの歌声にマッチするような、ピンクと紫色のフィルターがかかった『LIVE×ONLINE』ならではのエフェクトも気分を盛り上げる。メンバーもチルなテンポに合わせ、笑顔のパフォーマンスで、軽やかなステップが特徴的だった。2番からはパフォーマーが座ったままダンスをしたり、カメラ目線で微笑みかけたり、手招きをしたり、絡み合ったりと、16人という大所帯・THE RAMPAGEファンにはうれしい“わちゃわちゃ”が散見される。コメントでも、「みんな楽しそう」、「ニコニコしてる」、「格好いいし、かわいい!」と、たまらぬTHE RAMPAGE愛があふれた。そんな声が届いたかのようで、最後は吉野の愛くるしいスマイルで終わった。

 続いて、RIKUが「『LIVE×ONLINE』初日、僕たちと素敵な思い出を作っていきましょう!」とコメントをした後、「Hey…」と『All day』の曲始まりまでをハミングでつなぐ。「『All day』を歌うRIKUさん、好きすぎる!」と、リードヴォーカルの役割を果たすRIKUへの熱いメッセージも多く見られた。ライブだからこそ堪能できる、アレンジされたRIKUの心地よく、のびやかな歌声がマイクに綺麗に乗った。短いひとときでも、ヴォーカリストとしてのRIKUの力量ならびに表現力をまざまざと感じられる歌い出しだった。

 『All day』では、2分割や3分割の画面構成が取り入れられ、ヴォーカルやパフォーマーの表情がよく見える工夫が施された。コメント欄にも、「ありがたい!」、「みんなの笑顔が本当に好き」、「最高の冬だあ」、「この曲の振り、大好き」とありったけの思いが寄せられた。なお、全英語詞の本曲では、「深夜に天井を見つめ…」と日本語訳も画面に乗った。「僕は毎日、君を好きでいて仕方ないんだ」というとめどない愛があふれ出す内容の歌詞が、歌声とパフォーマンスとともに、心に沁みた。

『Nobody』、『Knocking Knocking』など、前半戦はストーリー仕立ての演出に

 5曲目『Nobody』から、『Knocking Knocking』、『BAD LUV』、『Change My Mind』までは、構成の趣きを変え、パフォーマーがグループ毎にわかれて登場する、ストーリー仕立てのパートに。ある女性を振り向かせようと、パフォーマー勢が、それぞれのダンスでアプローチするような内容になっていた。『Nobody』では画面がモノクロとなり、通路からLIKIYA、髪を直す素振りをする武知、ポケットに手を突っ込みながら歩く藤原、スッと進む神谷という順番にカメラが追った。

 神谷が、そのまま女性と対になり踊るパフォーマンスをして見せると、「格好いいなあ」、「エモイ!」とコメント欄も大盛り上がり。続く藤原は花を持って登場し、女性をベンチに座らせ、その前で踊ってみせるというキザな芝居も悠々とやってみせた。武知は、やさしく壁ドンで迫り、LIKIYAは女性の手を引いて去ろうとする。普段の「暴れまわる」彼らとは違う、大人な一面を見せた演出には「セクシーすぎて、やばい!」と、興奮が収まらない様子のコメントも。4人のパフォーマンスを当然3ヴォーカルの歌声が支える。

 画面がカラーに戻り、照明は落としたまま『Knocking Knocking』が流れる。もともと『FRONTIERS』のカップリング曲である『Knocking Knocking』だが、セクシーでダンサブルな曲調とパフォーマンスが人気で、ライブの定番曲となった。蒼い照明が射しこむ光のもと、通路で陣がひとりたたずみ、踊り出す。いつもは明るくにぎやかな陣が、笑顔を封印し眼光鋭く踊る姿のギャップに、「最高すぎる」、「色気やばい!」と視聴者も熱狂。「演出に、じんじんきております!」と発売中の『まいにち、陣!じんじん雑学カレンダー』を掛け合わせる、にくいコメントも見られた。

 陣のソロが終わると、龍が長い手足を自在に操るダンスを見せ、山本へとつなぐ。山本は女性に近づきたいけど近づけない、距離を縮めようと奮闘する様子を力強いダンスで表現。狭い通路を生かした、彼ら3人の異なるパフォーマンスは、THE RAMPAGEの個性がつまっている。最後、カメラを手で隠すような山本の振りで『Knocking Knocking』は終わった。

 ところ変わって、女性はクラブの空間に入りこむ。お立ち台の上には、スタンドマイクを前に『BAD LUV』を歌う3ヴォーカルの姿が見えた。パフォーマー勢は、フロアで思い思いにリズムを取ったり、体を揺らしたり、雑談をしたり、お酒を頼んでみせたりと、隙なく盛り上げる。そんな彼らを前に、与那嶺、長谷川、鈴木の3人が中央に陣取り、躍り出す。ハウスミュージックのダンスナンバーがクラブの雰囲気にぴったりで、「この流れはやばい」、「格好いい、心臓がもたない…」、「映画を見ている気分」と『BAD LUV』の世界観に合う演出に、視聴者もしっかり浸っていた。

 8曲目に披露されたのは、EXILEのカバー曲『Change My Mind』。20007年にリリースされた、ミディアムテンポが心地よい本曲のサプライズ選出に、「カバーだ!」、「エモイ」、「懐かしい」、「曲のチョイス、神」とコメント欄も大盛り上がり。セピア色に画面が切り替わると、岩谷がソファで目覚め、ジャケットを羽織り歩み出し、浦川と後藤と合流する。3人で肩を組み、笑顔をはじけさせた後、ダンスに移る流れは青春ストーリーの1コマのよう。コメントでも「楽しそう~」、「最高!」、「この3人いいね!」と書き込まれていた。

 本パートの最後には『So Good』が披露された。ここではヴォーカル3人のもとにカメラが戻り、カラーもモノクロにチェンジ。ステージから歌いながら3人が降りると、その場にいるパフォーマーたちは固まり、まるで時が止まったような演出。マネキンチャレンジさながらの凝った芝居には「もはや、ライブ&舞台」と、視聴者を楽しませようと画策した彼らの気合いに賞賛の声があがった。マネキンタイムが終わり、パフォーマーも動き出すと16人がステージに移動。全員が定位置について踊り、贅沢な前半戦の終了を迎えた。

吉野北人のアカペラから始まる『Starlight』に興奮の声が殺到

 中盤戦は、しっとり、バラード曲からスタートを切った。スポットライトの赤の光に照らされ、吉野のアカペラから始まる『Starlight』。気持ちのたっぷりこもった、儚く繊細な吉野の歌声に、コメント欄では「キレイ」、「心臓が止まる」、「大好き」、「鼻の奥がツーンとなった…」、「ほくちゃん、どんどん歌がうまくなっていく」と、心を掴まれたメッセージで埋まった。AメロからはRIKU、川村も加わり、それぞれの声色が折り重なるハーモニーを楽しむ。パフォーマーは登場しない、ヴォーカルが壇上に立つのみというシンプルなステージングなだけに、歌一本で勝負するパートともなった。光の当て方で色合いが変わる演出では、オーロラのような輝きを時に放ち、美しいメロディとともに、どこか厳かなムードさえたたえた、心に残る1曲となった。

 セピアの色みに光が変わると、『MY PRAYER』のイントロが流れ出す。THE RAMPAGE、通算13枚目のシングルとなった『MY PRAYER』は、本公演にて初パフォーマンスとなった。それだけに、コメントには、「やっと聴ける!」といった類が書き込まれたほか、「バラードやばい」、「心が浄化される…」と、視聴者が食い入るように画面を見つめていたことが予想される。歌詞をなぞるにとどまらない、心の奥をノックする歌声には、3ヴォーカルの進化の過程が感じられ、2021年以降の、ますますの飛躍が想像できるバラード・タイムとなった。

13人のパフォーマーによる個性爆発DANCE TRACK!サンタの与那嶺、色気あふれる藤原&神谷…

 エロクトロニックなサウンドとフィルム調の映像が映し出され、「MPCスペシャルパフォーマンス」というロゴが光った。これまでの神聖なバラードの流れから一変、THE RAMPAGEの持ち味である“ゴリゴリ”パートへの誘いだ。ここでは、白のワークシャツに着替えた龍が、鍛えあげたMPCプレイを披露。打ち付けるビートの激しさ、反する滑らかな手の動きに「早送り?ってくらいすごい!」、「めちゃめちゃいい!」と、コメント欄も大盛り上がり。

 PSYCHIC FEVERも登場し、激しいパフォーマンスを披露し、龍とともに盛り上げを加速させる。PSYCHIC FEVERと異色のコラボレーションを放つ龍のあふれ出す才能は、視聴者を圧倒し続け、「すごすぎる」、「龍ちゃん最高!」と、最高のエールへと変わっていた。高い熱量を保ったまま、DANCE TRACKに突入。THE RAMPAGEの特徴のひとつでもある、13人のパフォーマー全員が、違う色のダンスを披露する時間だ。ライブでも屈指の人気を誇るパートタイム、「今回はどんなダンスを見せてくれるのだろう?」と高まる期待が胸の鼓動を早くさせる。

 岩谷の高速ダンスからDANCE TRACKが幕開け。龍とともに“ピクニックコンビ”とも呼ばれるふたりが続けて登場したことに、「ピクニックコンビすごすぎ」、「激アツ!」とコメントも湧いた。続く浦川が、肢体を自在に操るパフォーマンスを見せる。激しいアクロバティックからコミカルな動きまで、変幻自在&緩急のきいた踊りは、浦川の能力の高さをまた実証するものとなった。ところ変わり、通路にカメラが移動し、後藤が登場。最年少組の後藤が、大人っぽく舞うダンスに「たっくんのダンス、かっこいい」、「白衣装が似合う…」、「白ランペ強すぎ」と衣装のコントラストのメッセージも届いた。続いて、山本のダンス。THE RAMPAGEの振り付けを担当することも多い、クレバーな山本のダンスには、「やましょーさんのダンスはすごいです」、「かっこよすぎ!」と、才能の支持する多くのコメントが寄せられた。

 カメラがステージへと戻ると、アレンジされた『ジングルベル』のPOPな楽曲にチェンジ。すると、サンタの帽子をかぶり、与那嶺“サンタ”が登場。意表を突いた格好に、「かわいい!」、「るいるいサンタだ」、「帽子似合ってる~」と、視聴者もうれしいプレゼントを受け取った様子。ロボットダンスから始まり、徐々に激しくなってくるクレッシェンドな与那嶺独自のダンスを浴びられる仕上がりだった。サンタパートの後には、スポットライトを浴びて陣が登場。ピンスポ一本のシンプルな光のもと、キレのあるストイックなダンスを披露する。そんな陣には、「えぐ格好いい…」、「キレ味最高!」というコメントが投下された。

 7人目には、椅子に座りハットを深くかぶった藤原が映る。つま先まで美しく伸びるようなダンスを披露する藤原。ジャケットの下から、ちらちら覗くタンクトップにも射抜かれる視聴者が続出し、「いっちゃん、やばい」、「その色気は反則」というコメントが並んだ。選手交代、神谷が同じく椅子の前に立ち、藤原の余韻をそのまま受け継ぐパフォーマンスをやってみせる。藤原、神谷のふたりが表現した、心のこもったダンスには「最高すぎるコンビ!」と、表現の幅の広さに脱帽の声が上がった。

 色気をぶった切るかのように、空気は変わる。PSYCHIC FEVERにかつがれ、LIKIYAがやってくる。抜群のインパクトを残す登場と、その後に披露するファッショナブルなダンスに視聴者は騒然。「え、LIKIYAさん運ばれてきた!?」、「帝王がきた(笑)!」、と、度肝を抜かれた様子。後に続く鈴木は、90年代を意識した髪型に合わせるような、どこか懐かしく、エモーショナルなパフォーマンスをみせる。そこでは、「みんな、レベルアップしてる」と目にも耳にも大満足といったコメントが並んだ。さらに、MPCで活躍した龍が、ここで再登場。鈴木と同じく、長い手足を駆使するダンスを舞ってみせ、視聴者からは「昂秀からの龍、というのがいい!」、「足が長いな~」と、感嘆のコメントで埋まっていた。

 ラストふたり、長谷川と武知といえばクランプ組。長谷川がバンダナを目から下に巻くスタイルで、スタイリッシュさも残しながら、力の限りのクランプを行う。力強さのバトンタッチといった具合で、武知は後ろ姿からなめるように追うカメラワークで登場。前に回ったカメラを持ち上げるような仕草でスタートすると、コメント欄には「きました、武知先生!」、「待ってました!」、「筋肉王子!」と、登場を待ちわびた声であふれた。Tシャツを口にくわえ、素肌をさらすような変化もつけてみせ、ひときわダイナミックなダンスで魅了し、画面の前では拍手喝采のDANCE TRACKだった。

MA55IVE×川村壱馬の2年ぶりコラボレーションに、歓喜の声ぞくぞく「激アツすぎる!」

 LIKIYAの「皆さん、盛り上がってますか?」の力強い呼びかけの後、MA55IVEタイムが始まる。MA55IVEとは、LIKIYA、神谷、山本、浦川、鈴木のパフォーマー5名からなるTHE RAMPAGEから派生した、ヒップホップユニット。クラブフロアに見立てたセットの中、5人がマイクを持ち、縦横無尽に歩きまわりながら、2020年2月に配信したファーストシングル『Determined』を歌唱。特徴的な「on my mind」、「Ay yay ya」の歌詞には、コメントも一緒になり「アイヤイヤー!」と大合唱が始まった。彼らのステップや手振りとともに、カメラもバウンスするヒップホップ的演出で、激しく変わるライティングも合わせて、「治安悪めで格好いい!」、「イケ散らかしてる」と、MA55IVE独特の魅力に酔いしれる声が多く見られた。2曲目には『No.1』がパフォーマンスされ、「MA55IVEで一番好き!」、「盛り上げ方最高!」という賞賛が並ぶ。

 MA55IVE の3曲目には、川村が登場。川村の周りが銃で撃たれるようなSEが入った後、川村のラップから始まる『13SAVAGE』へ。全国各地を回ったTHE RAMPAGE LIVE TOUR 2017-2018『GO ON THE RAMPAGE』以来となった、川村とMA55IVEのコラボレーションに、「見たかった!」、「激アツすぎる!」、「まさか聞けるとは思ってなかった…」と歓喜のコメントが続々寄せられた。

 続けざまに『GO HARD』もパフォーマンスし、THE RAMPAGEで見せる表情や声とは異なる6人の新たな一面が花を咲かせる。これには、「1回じゃもったいなさすぎ…」、「音源ほしい」と“おかわり”を求める切実な声もあった。MA55IVEだけでも重厚感は存分にあるが、川村のラップやボーカルラインが加わることで、力強いラップと、高音が心地よく響くメロディラインの融合が得も言われぬ心地よさを生み出した。THE RAMPAGEがワンステージ上がった感覚を覚える、武器をまたひとつ手にした印象を受けた。

「エンタテインメントの可能性を少しでも信じて」天に拳をかかげ、明日へと踏み出す

 MA55IVEパフォーマンスの後、川村がひとりたたずみ、モノクロの映像に切り替わる。それからは約1分30秒、川村のソロラップパートとなった。常に、誠実に楽曲や作品、ファンと向き合い言葉を大切にする川村ならではのラップ詞が、画面に映し出される。絞り出すような声に視聴者からは、「いつもこの声に助けられる」、「歌詞がすごく刺さる」、「壱馬くんのラップが大好き」と感動が広がった。

 最後に、川村が「拳かかげろ、参加するなら」と言うと、次のタイミングで、『THROW YA FIST』のイントロが流れる。気づけばメンバーが全員スタンバイし、川村を迎える形を取っていた。イントロで全員が口ずさむ「THROW YA FIST IN THE AIR」の、「天に拳を掲げろ(和訳)」という、川村のラップ詞と折り重なるリンクする構成に、「そうくるの!!」、「熱い」、「鳥肌が立った」とコメント欄も湧きに沸いた。炎が燃えている中、全員が拳を高々と振り上げる演出は、始まりのバラードからは想像もつかないギャップであり、「これぞTHE RAMPAGE」といったところ。ときにスローモーション、残像を残すカメラワークは『LIVE×ONLINE』だからこそ実現できたもの。こうして終盤戦は始まっていった。

 『FAST LANE』へ続いても、モノクロの映像は切り替わらないまま。白黒ゆえ、彼らが纏う白の衣装が映える、そんな映像美としても際立った。Bメロからは「THE RAMPAGE」と書かれたトラックの中から3ヴォーカルが登場という、予想外の演出が入った。趣向を凝らした遊び心あふれる演出には、「セトリも演出も最高!」とファンも大喜び。

 そして、「まだまだ後半戦、盛り上がっていきましょう!」という川村の呼びかけから始まったのは、『100degrees』。ピンクの照明に照らされ、ステージで踊り、歌う16人の姿に「内容が濃すぎてやばい」、「さすがランペだよね!」と彼らの熱に押される形で、コメント欄も大賑わいを見せた。途中、川村が「皆さん、ここで僕らと心ひとつにしていきましょう」と言うと、メンバーは全員で1ラインとなり拳を振り上げた。すると、拳を振り上げる絵文字でコメント欄が埋め尽くされ、文字通り、映像でもひとつになる形で『100degrees』のパフォーマンスが終わった。

 ノンストップで、『ELEVATION』、『FIRED UP』、『Fandango』、『LA FIESTA』とアップテンポのライブ盛り上げ曲が、次々に披露されることに。『ELEVATION』や『FIRED UP』では、レーザーのまぶしい光の中、笑顔で盛り上がるメンバーの姿がどんどん映し出され、「一生16人についていきたい」、「ランペはやっぱゴリゴリ系だよね!!」と、止まることないタフなパフォーマンス姿に力強いコメントが寄せられた。『FIRED UP』のラストでは、フェンスの前に全員が一列となり、圧巻の存在感に魅せられた。

 吉野が「皆さん、まだまだ盛り上がる準備できてますか?手をあげて、楽しんでいきましょう!」と呼びかけると、全員がカメラ目線で観客を煽るスタイルに。『Fandango』、『LA FIESTA』と人気曲が続き、ラストへの盛り上がりが最高潮に。「史上最高のショータイムをありがとう」と、最大限のパフォーマンスを見せてくれたTHE RAMPAGEへの感謝の言葉が溢れかえった。

 こうして24曲目まで、MCなしでひたすらステージ上で見せてきた彼ら。最後の楽曲に入る前、川村が口を開いた。「『LIVE×ONLINE』をご覧の皆さん、楽しんでくれてますか? 今日は初日ということで、僕らは今日が最後の単独ライブになります。今年は僕たちも皆さんも本当に、本当に、大変な状況に襲われましたし、今でも苦しい状況にいらっしゃる方がたくさんいると思います。そんな中で、僕たちも日々自問自答しながら、自分たちは何者なのかと思いながら、2020年をすごしてきて、エンタテインメントの可能性を少しでも信じてやってまいりました」と、胸の内を吐露。

 「世の中を変えるべく、この曲を。皆さんと心ひとつにしたいと思います」と川村が言い終わると、最後の曲『Move the World』へと移る。やわらかだが芯のある3人の歌声が、心に突き刺さる。美しい金色の泡が飛んでいく映像は、希望を映し出す意味だったのだろうか。「どこにたどり着けるのか、わからない未来」だが、必ず道は拓けて、新たな世界が始まるという内容の歌詞は、2021年の今こそストレートに響く1曲だった。

 気合いの入った16人のパフォーマンスに、視聴者は「最高すぎる」、「本当にみんなで世の中をいい方向に変えていきたい」、「心に響きます」、「感情がすごく伝わってくる」と、『Move the World』での力を受けたかのような、前向きなメッセージでコメントが詰まった。当然、そんな希望の曲をささげてくれたTHE RAMPAGEへも感謝の気持ちがあふれ出し、「今この時代に皆さんと会えたことに感謝してます」、「本当に好きになってよかった」、「いつもありがとう!」、「幸せをもらいまくってる」と、心に迫るライブとなった。

『武者修行』を再現、ルートA・B・Cの進化、過去の自分を超えて輝く16人

 アンコールパートでは、2020年からのライブツアータイトルを2016年までカウント。そして、デビュー前、メンバーが3チームに分かれ、デビューをかけて47都道府県を回った『武者修行 2016 Get Ready to RAMPAGE』の秘蔵映像が流れた。約5年前のあどけない姿を映し出し、彼らの「がむしゃらだった」時代の回顧は、今の彼らを2倍にも3倍にも大きく見せる。

 3チームそれぞれの披露となった本パート、まずはLIKIYA、神谷、吉野、藤原、龍、鈴木によるルートAのパフォーマンスからだった。ルートAが選んだ楽曲は、三代目JSBの『リフレイン』。『リフレイン』といえば、『武者修行』でのライブにて披露した思い出の楽曲。当時、終演後にLIKIYAは、吉野にヴォーカリストとして曲に思いを乗せるようにと指導したものだった。もしかしたら、吉野としては歯がゆい思いをしていたかもしれない、そんな楽曲だった。

 しかし、この日の吉野は歌い出しから進化を感じさせた。切ないバラードの曲調と歌詞に合う、透き通るような歌声で、ときおり手を胸のあたりに置きながら、心からの刹那を表現した。身に着けた歌唱力と表現力と自信は、当然、過去の自身を超えている。吉野の周りでしなやかにパフォーマー5人は、曲をますます引き立てるような情感あふれるダンスを披露。これはファンの胸を強く打ち、「涙腺崩壊です」、「4年前を思い出して泣けてきた」、「北ちゃん、うますぎ」、「感慨深い」「成長をぐっと感じさせてくれる」と、熱いコメントが殺到した。

 ルートBの陣、RIKU、岩谷、浦川、後藤は、三代目JSBの『1st Place』を披露。『リフレイン』から一転、盛り上がり曲となった本曲は、歌いながら軽やかに踊ることもできるRIKUが、パフォーマーたちと揃ってダンサブルにシャウト。声のボリュームや安定感は、当時から飛躍的に進化しており、「パワフル!」、「本当にレベルアップしてる」、「RIKUくんの歌声…泣く」と、またしても感動を呼んだ。

 RIKUの歌声に引っ張られるように、パフォーマー勢も、全身で楽曲を表現。激しいアクロバットもこなしてみせ、デビュー前のパワーとは一味異なる、芯が通ったステージングでプロとしての誇りを感じさせた。

 与那嶺、山本、川村、武知、長谷川のルートCが最後に登場。三代目JSBの『FIGHTERS』を披露した。三代目JSBの中でも、男たちの熱い闘いを描いたサウンドの『FIGHTERS』は、川村の低く通る声によく合った。パフォーマンスの漢らしさも手伝い、三代目JSBが奏でる楽曲とは少し異なる、THE RAMPAGEのサウンドとして、なじむ離れ業さえ見せつけた。縦横無尽にぐるぐると回るカメラワークにも賞賛の声が上がり、「素晴らしい」、「当時を知らなかったけど、見てみたかった!」と、改めてコメントの応援にも熱が入っていた。ちなみに、衣装に関してもルートAは白、Bは迷彩、Cは黒を基調と、当時のイメージカラーも再現されていた。隅々までいきわたった粋な演出に、コメント欄も「上がる!」、「ルート全部格好いい!」と、さらに加速した。

 そして、ルートA、B、Cの全チームが集まり、披露した次曲は『FIND A  WAY』。改めて、全員の持ち味が異なるアーティストが集まった、才能あふれる集団がTHE RAMPAGEだと認識すると、その完成度の高さに唸らされる。16人がひとつの方向を向いて、努力してきた自分たちの物語の上に成り立つ楽曲として聴くと、心に届く深度も変わるようだ。迫力が輝きに変わる、強い光こそが、THE RAMPAGEの魅力といえよう。

デビュー曲や代表曲を披露したアンコールパート、16人の想いをひとつにしたステージング

 公演は、徐々に終わりに近づいてゆく。ラストにつながる1曲として、彼らが30曲目に選んだのは、デビュー曲『Lightning』。デビューの道筋を再現した後でのデビュー曲披露という構成には、古参のファンはもちろん、そうでなくても思わず涙腺がゆるむ。コメントでは「最高すぎます」、「泣く」、「幸せすぎる」、「神セトリです」と、彼らの5年の歩みに寄り添った声が多く見られた。

 『Lightning』をパフォーマンスし終えると、川村は、「ありがとうございます。今日は最初から飛ばしては…いないんですよね(笑)。その分、気持ちの高まりは異常でした」と興奮気味に伝えた。吉野も、「やばかったね。いつもバイブスで乗り切れることが多かったけど、今回はバラードから始まったから、ソワソワしてたよね」と、やり切ったことへの安堵感か、笑顔を見せた。オープニングでピアノ伴奏を行ったRIKUも、ひと際緊張していたようで、「俺もだよ!いつも中盤戦で温まってきたときに(演奏していた)けど、“やらせてください”と言ったものの、めっちゃ緊張した(笑)」と朗らかに振り返っていた。

 本公演について、川村は「“新しいTHE RAMPAGEが見られる”と、ずっと言ってた。今までのセオリーをぶち壊しました。いろいろ今日は高まりすぎて、今でもブルブルでございます」と表現。吉野は、「今回、武者修行のルートA・B・Cでわかれて、3チームでパフォーマンスをしたのは、感慨深いというか。パフォーマンスしてて、ちょっと昔を思い出して、いい意味で初心に返れた。皆さんも応援していただいた頃を思い出すのでは?自分たちも新鮮な気持ちで、ウルウルしそうでした」と感慨深く話した。RIKUは、「ルートメンバーだけのリハーサルもあったじゃない。あの頃の、がむしゃらに“まずはデビュー”というひたむきな気持ちを思い出すことができた。ずっと大切に持ちつづけていきたいなと思った。本当にうれしかった」と、心を込めた。

 最後の挨拶として、川村は「暗い感じのこと(話)はなしにして、明日も2021年にも、強く明るくつなげられるように、最後ぶちあがって終わりたいです。皆さん、今この瞬間も、来年も、ついてこれますか?」と、視聴者に問いかける。メンバーが「イエーイ!」とマイクに伝わるほど大きな声でレスポンスをすると、川村は「まだまだぶちあがっていけますか!」とますます語気を強め、「…いくぞ、てめえら!!」と『HiGH&LOW THE WORST』で自身が演じた花岡楓士雄の台詞を引用し、シャウト。

 ラストはTHE RAMPAGEの代表曲ともなった『SWAG&PRIDE』。川村の掛け声とともにイントロが流れると、「最高、もうこの曲大好き!」、「一生ついてく」、「かっこいいが詰まりすぎ」と、色めき立つ声の嵐に。パフォーマンスでは川村・武知・長谷川のチームクランプ、LIKIYA・陣のリーダーズ、岩谷・山本の『HiGH&LOW』山王コンビ、吉野・龍・鈴木の同じく『HiGH&LOW』チーム、藤原・神谷の「しゃべ2(しゃれべれないふたり)」、RIKU・後藤・浦川・与那嶺の4人と縁のあるチームにわかれた。

 各チームが放つ輝きには、「目が追い付かない!」、「別れ方が最高!」とうれしい悲鳴が上がり、「ランペにしかない世界線」、「踊って歌ってくれてありがとう」、「ランペ、ありがとう!」と、この日一番の、彼らへの愛と感謝のコメントが多く寄せられた。最後は川村の「till the end」の歌声とともに、ライブ映像も終了。ノンストップ、31曲を披露したパワフルなステージングとなった。

 デビュー前の映像からたどり、デビュー曲や思い入れの深い曲をパフォーマンスすることで、改めて、彼らの気持ちの高まりも見られた貴重な一夜となった。と同時に、今彼らのことを好きになった人でも、デビュー前から応援していた人でも、同じくらい心の充実を図れる公演となった。そして、『Move the World』の歌詞が示す内容の通り、16人のパフォーマンスからは、その声や決意をたたえた鋭い瞳からは、世界を動かすエネルギーを確かに感じられた。彼らの一歩が未来につながることを信じさせてくれる、『LIVE×ONLINE』の幕開けにふさわしい一夜だった。

テキスト:赤山恭子

写真:LDH提供

【セットリスト】

Can't Say Goodbye

INTO THE LIGHT

ESCAPE

All day

Nobody

Knocking Knocking

BAD LUV

Change My Mind

So Good

Starlight

MY PRAYER

MPC Play (PSY DT)

DANCE TRACK

Determined

No.1

13 SAVAGE

GO HARD

THROW YA FIST

FAST LANE

100degrees

ELEVATION

FIRED UP

Fandango

LA FIESTA

Move the World

リフレイン

1st Place

FIGHTERS

FIND A WAY

Lightning

SWAG & PRIDE

ライブの一部を配信中【THE RAMPAGE『INTO THE LIGHT』】
ライブの一部を配信中【THE RAMPAGE『INTO THE LIGHT』】
ABEMA
【限定公開】THE RAMPAGE SPコメントムービー 前編
【限定公開】THE RAMPAGE SPコメントムービー 前編
ABEMA