2013年3月に乃木坂46の2期生メンバーとして加入した堀。加入からわずか半年の研究生だった頃に、7thシングル「バレッタ」でセンターに大抜擢された。冠番組「乃木坂って、どこ?」(テレビ東京)の選抜発表では突然の出来事に号泣する場面もあったが、当時について聞くと「あの時は本当に状況が理解できませんでした」と振り返る。
「研究生という立場でセンターに指名されて、とにかく先輩方に追いつこうと必死でした。“迷惑を掛けない”という意識が第1で、自分の見せ方にこだわったり、それこそパフォーマンスを楽しんだりというのは、まったく考えられませんでしたね」
岐阜からの上京。東京の生活に慣れるまでは「3年くらい」かかったという。「なかなか東京には慣れなかったです。電車の乗り換えとか本当に難しくて、それはいまだに間違えたりしています(笑)。お母さんのご飯が恋しかったですね」と明かした。
初期は正統派美少女な印象だった堀。活動を続ける中で女性誌「ar」(主婦と生活社)のレギュラーモデルに抜擢されるなど数々の転機も訪れた。グループ内でも美容やメイクに人一倍こだわり、演技など表現力の面でもグループをけん引する存在として認知されるようになった。
「メンバーがたくさんいるので、歌番組やライブで自分の個性をいかに際立たせるかというのは大切な部分です。それは『バレッタ』でセンターを経験したからこそ、早い段階で気付けたかも。メイクやファッションに力を入れるのも、常に最高の自分でいないと乃木坂の中では輝けないと思っているからなんです」
最新シングル「僕は僕を好きになる」では、3期生の山下美月が初めてのセンターに選ばれ、4期生の清宮レイ、田村真佑が初の選抜入りを果たすなど、後輩が注目される機会が増えてきている。そんな中、堀は今作で“2列目の真ん中”という役割を担った。
「今作では前にも横にも後ろにも後輩がいます。特に4期生は頑張っている姿が初々しいなと思うし、そんな後輩を支えるのも先輩の役割だと思っています。私にとって最後のシングルではあるけれど引っ張っていくところは引っ張って、きちんと自分の責任を果たさなければという気持ちでしたね」
2期生ライブが行われる28日は加入8周年の記念日にあたる。4期生の林瑠奈のように、“堀未央奈推し”を公言する後輩も育ってきた。乃木坂46に憧れ、岐阜から上京してきた少女も今では影響力を持つ1人のトップアイドルへと成長した。「本当にこのグループに入ることができて良かった」と力を込める。
「さまざまな経験を積むことができました。MV撮影ではクリエイティブな監督さんと出会えたり、衣装にも触れる機会が多くて、アイドルとしてはもちろん、女優業やモデルのお仕事でもたくさんの刺激を受けました。1人の女性として、この8年間はかけがえのないものだったと思います」
卒業後は、女優業を中心に芸能活動を続けていく。「自分自身“1から”という気持ちで頑張らないといけない」と前を見据える。
「これまでは乃木坂46という帰る場所があった上での、女優業だったと思うんです。でもこの先は1人になって甘えられる場所もない。ここからは自分自身と戦いながら、お芝居というジャンルを突き詰めていかなくてはいけないと思います。その不安やプレッシャーはありますけど、役者として存在感を示せるようにきちんと演技というものに向き合っていきたいですね」
乃木坂46としての活動は2期生ライブが最後となる。「8人でやるというプレッシャーもあります。良くも悪くも1人ひとりが目立つので、そこは個々がしっかりと表現して8年間の成果を出したいと思います」と意気込みを語る。
2期生のエースとして活躍した堀のラストステージ。当然多くのファンが、どんな言葉を残して舞台を去るのか注目していることだろう。しかしそんな中でも「自然体で臨みたい」と強調する。
「“これを話す”などしっかりとシナリオを決めてステージに上がるのがあまり好きじゃないんです。そこは心のままにというか、その時に思ったことをMCでも伝えたいと思っていて、最後のことはあまり想像していないですね。自分でもその時に何を思うかは気になるけれど、ファンの方にどんなことを伝えられるか、当日まで自分自身も楽しみにしていたいと思います」と明かした。