今年はコロナ禍により恒例のバースデーライブをオンライン配信で実施した乃木坂46。全体ライブに加え、期別ごとのライブも行い、4月には2期生、1期生が単独ライブを開催した。期別ライブの3日目公演には、2018年11月にグループに加入し、乃木坂46の次世代を担うと期待される4期生メンバーが登場。16名でおよそ5カ月ぶり2度目となる単独ライブを行なった。

清宮レイ「すごくうれしかった」と涙

 田村真佑、早川聖来、弓木奈於によるユーモアたっぷりな影ナレが行われた後、「Overture」を経てステージに登場した16人は、遠藤さくらをセンターに据えて「夜明けまで強がらなくてもいい」からクールにライブをスタートさせた。続けては、清宮レイ、筒井あやめWセンターによる「逃げ水」、その後も早川聖来がセンターに立ち「バレッタ」、そしてデビュー曲「ぐるぐるカーテン」と、過去に発表されたシングル表題曲を次々に畳みかけ、視聴者を興奮させた。

 最初のMCで賀喜遥香は「本当は、久しぶりに有観客で皆さんと一緒に時間を過ごせる予定だったんですけど、緊急事態宣言を受けまして、今回は配信のみの公演とさせていただきます。そこで、観客席に客席カメラというものを設置させていただきました。視聴者の皆さんも少しでもこの会場にいる気分を味わっていただけたら」と語ると「4期生全員で画面を飛び出すくらいの勢いで頑張りますので、みなさんよろしくお願いします!」と意気込んだ。

 またこの日の客席にはファンから寄せられたメッセージが置かれ、賀喜は「みなさんの気持ちが伝わってきて、すでに泣きそう」と感極まった表情を見せ、筒井は「皆さんの思いをメッセージカードにしてもらいました。私たちも皆さんと一緒にライブが出来ていると思って、今日は1日頑張ります」と笑顔を見せた。また「逃げ水」でセンターを務めた清宮レイは、「『逃げ水』を(リスペクトしている大園)桃子さんの位置でやらせていただいて、あやめちゃんとWセンターで『何かやりたいね』と言っていた中で、今回2人で大好きな先輩の『逃げ水』をやらせていただきました…今までで1番緊張して、上手く笑えていたのか、不安ですけど、すごくうれしかった」と大粒の涙を流した。

先輩のパフォーマンスを追体験

 続けてキャプテンの秋元真夏がVTRで登場。「私たちが経験してきたことを4期生にも経験してもらいたい」とリクエストし、2013年の全国ツアーで披露された“和をテーマ”にしたパフォーマンスに4期生がチャレンジした。まず、メンバーそれぞれが浴衣姿に和傘を持って、艶やかに「水玉模様」をパフォーマンスすると、その後は下駄を履いてタップダンス(通称:下駄ップ)をしながら「ガールズルール」を披露し、ファンを驚かせた。

 次にVTRで登場したのは齋藤飛鳥。彼女は「個人的に4期生はかわいらしい姿をよく見ているから、今日はかっこいい部分を見せて欲しい」とリクエストし、過去に先輩たちが挑戦した光る手袋を使ったパフォーマンスというお題を課した。この言葉を受け、4期生は「サイコキネシスの可能性」で光る手袋を使った難易度の高いパフォーマンスに挑戦。そして「かっこいいといえば鉄板の曲」ということで、田村を中心に「世界で一番 孤独なLover」をクールに披露した。

 最後は高山一実が登場し「めちゃくちゃ印象に残っている企画」として2013年の全国ツアーで行われた、ライブ中に自転車を漕いでステージの照明を発電させるという企画を提案。それから「千葉県のご当地クイズ対決」が行われ、4チームに分かれて白熱したバトルを展開。全4問で最下位となった柴田柚菜、筒井、林瑠奈、弓木が自転車を全力で漕ぎ、ライブ会場の電気が消えたりついたりする中で、残り12人のメンバーが「走れ!Bicycle」をキュートにパフォーマンスした。

 するとここでライブを視聴しているという秋元と松村沙友理がリモートで登場。秋元が「やってみてどうだった?」と聞くと、田村は「先輩方はこんなさまざまな企画をやっていて、改めてすごいなと実感しました。私たちも見習わないとと思います」と答えていた。松村は「私たちはコントとかもやったの。だからいつかやらせちゃおうかな~」と不敵な笑みを浮かべた。それから「転がった鐘を鳴らせ!」「狼に口笛を」「ダンケシェーン」といったアッパーチューンを立て続けに披露。ステージ中を使ったエネルギッシュなパフォーマンスを見せて、ファンのボルテージを高めた。

田村真佑センターの4期生楽曲「猫舌カモミールティー」を初披露

 ここからライブはユニットコーナーに突入。掛橋沙耶香、黒見明香、清宮、矢久保美緒による「2度目のキスから」が披露されると、早川、筒井、松尾美佑の3人で「ごめんねスムージー」をキュートにパフォーマンスした。賀喜、田村がミディアムテンポのナンバー「流星ディスコティック」を軽やかに歌い上げると、遠藤、金川紗耶、北川悠理、佐藤璃果が「偶然を言い訳にして」を息ぴったりに届けた。柴田、林、弓木の3人は「雲になればいい」で美しいハーモニーを響かせると、最後は全員で「悲しみの忘れ方」をしっとりと歌い上げた。「偶然を言い訳にして」をパフォーマンスした北川は「私は中3~高1の頃、人間関係で悩んだ時にずっと『ないものねだり』を聴いていて、その曲に何回も心を助けてもらっていました。今回ユニットに参加させていただいて、そんな憧れの先輩のパートだったり衣装だったりを着させていただいて、本当にうれしい…というか、練習の時から“幸せな時間”だと感じていました。ありがとうございました」と、涙を堪えながら思いを伝えた。

 ライブはいよいよ終盤戦へ。筒井がセンターを張り、アンダー楽曲「日常」を熱くパフォーマンスすると、「今、話したい誰かがいる」では息の合ったステージを繰り広げ、ファンを魅了した。それから賀喜の「皆さん盛り上がってますか! 4期生のこと大好きですか!? ここから盛り上がっていきましょう!」という煽りから、「I see…」を披露。「キスの手裏剣」「図書室の君へ」「Out of the blue」と4期生楽曲を畳み掛け視聴者のボルテージを高めると、最後は初めてのオリジナル楽曲「4番目の光」を爽やかに歌唱。遠藤が「皆さん、今日は最後まで楽しんでいただけましたか? 皆さんの声はちゃんと私たちの元に届いています。私たちの声もしっかり皆さんの元に届いていたらいいなって思っています。今日は最後まで本当にありがとうございました!」と言って、全員で挨拶し、ライブ本編は幕を閉じた。

賀喜遥香「4期生の仲の良さを伝えたくてたまらなかった」

 コメント欄に並ぶ盛大な「アンコール」を受け、ステージに登場した4期生メンバーは6月9日に発売される最新シングル「ごめんねFingers crossed」に収録される4期生のオリジナル楽曲「猫舌カモミールティー」を初披露。同曲でセンターを務める田村は「まさか自分が乃木坂に加入させていただいてから、4期生の楽曲でセンターをやらせていただけることがあるなんて、思ってもいなかったので、“センターだよ”って教えてもらった時は、ここで勢いを止めちゃわないようにと不安に襲われました」と正直な思いを明かしてから、「そんな中でも、自分がセンターをやらせていただけることに感謝しているし、今までの4期生楽曲とはちょっと違う“かわいい”に振り切ったような曲なので、この曲で4期生のかわいさがたくさん伝わってくれたらいいなと思いながら今日は披露させていただきました」とコメントした。

 またシングル表題曲でセンターを務める遠藤は、リリースに際し「前回24枚目(『夜明けまで強がらなくてもいい』)でセンターをさせていただいた時よりは確実に成長した姿を見せなくてはいけないという焦りも本当はあって、この期間は多分自分にとって大きな壁みたいなのは、いくつかあると思うんだけど、それを乗り越えられるくらいに自分は強くなりたいと思うし、前回の24枚目シングルの時より先輩方と接する機会も増えたので、この期間は先輩方に甘えつつ、同期のみんなにも甘えつつ、一生懸命頑張れればいいなと思っています」と思いを伝えると、早川は「甘えてね」と言葉を掛けた。

 最後に賀喜が「次の曲が最後の曲になります。『BIRTHDAY LIVE』で先輩方の歴史を振り返ってきて、本当に9年間の重みとか、先輩の偉大さを感じて、自分たちも追いつきたいけど、追いつけないもどかしい気持ちだったり、力不足を感じることも多くて。でもそんな時、4期生のみんなで支え合ったりすると、乃木坂のあたたかさを改めて感じたというか。私はこの4期生ライブで4期生の仲の良さを伝えたくてたまらなかったんです。最後はそんな4期生の仲の良さが1番伝わるような楽曲だと思います」と言ってから、笑顔で「おいでシャンプー」を披露し、4期生ライブは幕を閉じた。

 昨年2月に正規メンバーに昇格した新4期生5名を含む、16人で開催された2回目の4期生単独ライブ。先輩たちのライブを追体験するコーナーもあれば、4期生のオリジナル楽曲を畳み掛け視聴者を歓喜させる時間もあった。さらなる成長を期待させたし、16人の絆が伝わってくるステージには、先輩が築きあげてきた乃木坂46を受け継いでいく者としての覚悟も感じられた。

 また公演中に印象的だったのは客席に置かれたファンからのメッセージに喜ぶ4期生の姿だ。残念ながら今回は無観客ライブとなってしまったが、“今できることを”とアクションを起こし、カメラに向かってメッセージを送る姿はファンにとってたまらない時間だったことだろう。

 2期生、1期生から受け取った単独ライブのバトン。乃木坂46の明るい未来を示した、素晴らしいライブだった。

■乃木坂46「乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~4期生ライブ~」セットリスト

M00. Overture

M01. 夜明けまで強がらなくてもいい

M02. 逃げ水

M03. バレッタ

M04. ぐるぐるカーテン

M05. 水玉模様/和傘

M06. ガールズルール/下駄ップ

M07. サイコキネシスの可能性

M08. 世界で一番 孤独なLover

M09. 走れ!Bicycle

M10. 転がった鐘を鳴らせ!

M11. 狼に口笛を

M12. ダンケシェーン

M13. 2度目のキスから

M14. ごめんねスムージー

M15. 流星ディスコティック

M16. 偶然を言い訳にして

M17. 雲になればいい

M18. 悲しみの忘れ方

M19. 日常

M20. 今、話したい誰かがいる

M21. I see…

M22. キスの手裏剣

M23. 図書室の君へ

M24. Out of the blue

M25. 4番目の光

EN1. 猫舌カモミールティー

EN2. おいでシャンプー

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