「W-KEYAKI FES. 2021」は欅坂46(漢字欅)から改名した櫻坂46と、けやき坂46(ひらがなけやき)から改名した日向坂46という“1本の欅”をルーツに持つ2組が初めて行う合同イベント。2組が共演の舞台に選んだのは欅坂46時代に、2017年から3年連続で「欅共和国」という夏のライブイベントを行っていた聖地とも言える舞台・富士急ハイランド コニファーフォレスト。今回の合同イベントの開催を記念して、富士急ハイランドにはケヤキの木と記念碑も設立された。

山崎天「櫻坂46になって改めて、仲間の大切さに気付きました」

 今回のライブはパフォーマンスの随所でダンストラックを織り混ぜつつ、「Nobody's fault」「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」「Buddies」「BAN」などといったこれまで発表されたグループの全楽曲が披露された。14曲によるおよそ2時間のステージ中には、パフォーマンスだけでなく、大量の水による演出やステージ先端から火柱が上がるなどで観る者を楽しませた。

 最初のMCでキャプテンの菅井友香は「大変な状況の中、こうしてコニファーフォレストにお越しいただいてありがとうございます! 『欅共和国』で約2年前にここでライブをさせていただいたんですけど、こうして櫻坂に生まれ変わってもこうして、思い入れのある場所で皆さんとお会いすることができて本当にうれしいです!」と満面の笑みを浮かべた。守屋茜も2年ぶりのステージに「こうして花道のセットを見ていると、今までやってきた『欅共和国』と同じだと思って。いろんな“思いが染みてるな~”と思いました。ここでの2年ぶりのライブということもあって力が沸いてきています」と語った。

 またライブの中では体調不良により、活動を休止していた尾関梨香が復帰を果たした。大勢のファンに迎えられた尾関は「こうやって無事にステージに立てて、皆さんのお顔を直接見られて、大好きなメンバーと一緒にライブが出来ていることを本当に幸せに感じています」と笑顔を浮かべた。

 メンバー最年少の山崎天は自身がセンターを務める楽曲「Buddies」のパフォーマンス中に、「欅坂46から櫻坂46に変わって、ここに立てていることが本当に誇りです! 私は櫻坂46になって改めて、仲間の大切さに気付きました。辛い時には支え合い、うれしい時にはわかちあえる、そんな存在が近くにいることは本当に幸せです! みなさんいつも応援ありがとうございます。今日から皆さんはBuddiesです!」とファンに対し力強く語り掛ける場面も。迫力たっぷりの最年少の姿にネット上には「天才かよ…」「表現力がスゴいな」「天ちゃんの想いにめちゃくちゃ泣いてしまった」などの声が寄せられていた。

森田ひかる「皆さんがいてくださるからこそ」Buddiesに感謝

 アンコールのMCでは、渡邉理佐が「Buddiesの皆さんとこの場所でライブできた事を本当に本当にうれしく思います。楽しかったです」と感謝し、藤吉夏鈴は「皆さんに会うのが本当に何年ぶりって感じだったので、楽しすぎて今日は終始手を振っていました」と振り返った。2作連続でシングル表題曲のセンターを務める森田ひかるは「櫻坂になって、尾関さんも帰ってきてくれて全メンバーで、ステージに立って…ライブってオンラインならではの演出の良さもありますけど、皆さんがいてくださるからこそ、一体感とか本当の楽しさを改めて実感することができました。本当にすごく感動しました」と思いを明かした。

 また、9月より櫻坂46に改名後初の全国アリーナツアーが開催されることも発表された。ツアーは9月11日より福岡・西日本総合展示場、9月19日より愛知・Aichi Sky Expo、10月9日より大阪・丸善インテックアリーナにてそれぞれ2日ずつ開催。そのほか東京公演も予定されており、日程や会場は後日発表される。小林由依は「4箇所まわれるということで、いつもの熱い夏が戻ってきたということで、本当にすごくうれしいです。地方のまだ会った事のないBuddiesの皆さんと一緒に楽しみたいと思います!」と喜んだ。

 現状、櫻坂46のフォーメーションは森田、藤吉、山崎が楽曲によりそれぞれセンターを務める“3人センター制”だ。その3人を含む1列目、2列目メンバーが“櫻エイト”と呼ばれ、3列目メンバーが楽曲ごとに編成が変わる。6月16日~18日には2ndシングル「BAN」のフォーメーション3列目メンバーによるライブ「BACKS LIVE!!」が行われ、その中で副キャプテンの松田里奈が「私たちで櫻坂46を強くします!」と宣言していたが、今回のライブではまさにグループが一体となり、迫力満点のパフォーマンスを届けた。

 櫻坂46に改名し、グループのイメージカラーもピンクになり、雰囲気も明るくなった。そんな彼女たちの雰囲気の良さも、存分に伝わってくるようなライブパフォーマンスだった。ライブのMCで「来年もこの舞台で…」とメンバーが語っていたが、2022年もこの“聖地”のステージで櫻坂46が熱い夏を届けてくれることを今から、楽しみにしていたい。

■櫻坂46「W-KEYAKI FES. 2021」セットリスト

M00. OVERTURE

M01. Nobody's fault

M02. Microscope

M03. 半信半疑

M04. 君と僕と洗濯物 森田センター

M05. 偶然の答え

M06. 最終の地下鉄に乗って

M07. Plastic regret

M08. 思ったよりも寂しくない

M09. ブルームーンキス

M10. それが愛なのね

M11. なぜ 恋をして来なかったんだろう?

M12. Buddies

M13. BAN

EN1. 櫻坂の詩

※山崎天の崎はたつさきが正式表記

撮影:上山陽介