影ナレを務めたのは櫻坂46の菅井友香と日向坂46の佐々木久美の両キャプテン。オープニングではそれぞれグループのメンバーが順々に登場し、出演メンバー全員が揃うと、まず菅井が「私たち3年前にここでライブをさせてもらっていて、それから新しいメンバーも増えて、こんなに早くまた一同に介することができると思っていなかったからとにかくうれしいです! 合同ライブを最高のライブにして、とにかく皆さんに楽しんで帰ってもらえたらと思います。気合ばっちりです!」と挨拶し、続けて佐々木久美は「いつか櫻坂さんとは合同でライブをやっていただけたらいいなと思っていたんですけど、まさかこんなに早くできるなんて思ってなかったので、気持ちをみんなで高め合って最高のライブにしたいと思います!」と高らかに宣言した。
菅井から意気込みについて聞かれた日向坂46の丹生明里は「今日は櫻坂さんのファンの“Buddies”の皆さんと、日向坂ファンの“おひさま”が一緒にこの会場に集まってくださっていることが、奇跡というかうれしいなと思っているので、今日は櫻坂さんの世界観と日向坂の世界観、どっちも楽しんでもらえるように精一杯パフォーマンスしたいと思います」とコメントし、佐々木久美から話を振られた井上梨名は「この2つのグループが集まってライブをすることは夢には思っていたんですけど、まさかこんなに早く現実になるとは思っていませんでした。今日は皆さんと一緒に全力で楽しんで、皆さんの今年の夏の1番の思い出になるように頑張りたいと思います!」と笑顔を見せた。
また「W-KEYAKI FES.2021」では体調不良により活動を休止していた櫻坂46の尾関梨香、日向坂46の佐々木美玲が復帰。日向坂46の小坂菜緒は活動休止中のため不参加となったが、佐々木久美は「きっとこさかな(※小坂の愛称)もこの配信を見てくれていると思うので、こさかなの気持ちを乗せて私たちも頑張りたいと思います!」とコメントした。
森田ひかる「大人・森田で行きたいと思います」
ライブは櫻坂46の「それが愛なのね」から幕を開けた。山崎天をセンターに据えたファンキーなナンバーで早速会場と配信で見ているファンを盛り上げると、続けて藤吉夏鈴センター曲の「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」を披露。櫻坂46のMCでは前日10日に20歳の誕生日を迎えたという森田ひかるを祝う場面も。森田は「初日(公演)は19歳ということで、10代最後のライブだったんですけど、今日は20歳になって最初のライブということで、今回は大人・森田で行きたいと思います!」と抱負を明かし、観客からは拍手が送られた。
日向坂46のライブは櫻坂46のメンバーからも人気が高いという「ドレミソラシド」からスタート。それから「ソンナコトナイヨ」を熱くパフォーマンスし、オーディエンスのボルテージを高めた。MCで加藤史帆は早速ライブに手応えを感じたのか、「Buddiesの皆さんも、おひさまの皆さんも一緒にクラップしてくれてうれしいですね! ありがとうございます」と喜びを露わに。高瀬愛奈は、櫻坂46の武元唯衣とのエピソードトークを披露した。なんでも前日に会話を交わしたようで、「『まなふぃ(※高瀬の愛称)さん、かわいくて面白くて好きです』と言ってもらえて本当にうれしかった」と会話の内容を告白。これに“1週間前から高瀬推し”になった富田鈴花は「ライバルが登場した…!」とリアクションしていた。
続けて櫻坂46が「君と僕と洗濯物」「Plastic regret」を連続で披露すると、日向坂46メンバーの先導により客席にウェーブが巻き起こる。それからグループは「キュン」「アザトカワイイ」といった「NHK紅白歌合戦」のステージでもパフォーマンスした楽曲で応戦して、会場のボルテージをさらに上昇させた。
櫻坂46のMCコーナーでは“実はアザトカワイイ”メンバーをフィーチャーしたコーナーが展開。メンバーから指名された田村保乃が「好きだよ」とウィスパーボイスを響かせると、小林由依は「かわいい」と囁き、オーディエンスをメロメロに。しかし武元から「ぽんぽん」と弄られると、小林は「おい、おい、おい!」と鋭いツッコミをして“埼玉の狂犬ぷり”を見せ付けていた。また森田はドラマ「ボーダレス」で共演していた日向坂46の齊藤京子について「笑うタイミングが一緒で本当に面白かった」と相性の良さについて言及。会場を大いに盛り上げた後、藤吉が「この曲は本当に私にとって大切な曲になりました」と紹介してから「偶然の答え」を披露。切ない表情を交えながらのパフォーマンスで観客の心を鷲掴みにすると、続く「半信半疑」ではクールかつ切れ味鋭いダンスを繰り広げオーディエンスを魅了した。
続けて日向坂46は今回初めて“コニファーフォレスト”の舞台を踏んだ3期生のみでMCを展開。コニファーフォレストは2017~2019年に「欅共和国」が毎年開催されていたステージだが、上村ひなのは「ここにいる3期生は同じオーディションを受けたんですけど、その後レッスンで『欅共和国』のライブ映像を一緒に鑑賞したよね。そんなステージに私たちも立たせてもらってると思うと、感慨深いよね」と話し、高橋未来虹も「画面越しに見ていたステージに立たせてもらうのは不思議な感覚だよね。やっぱり先輩たちの偉大さを感じるよね」と同調した。
同じくコニファーフォレスト初体験となった櫻坂46の新2期生も6人だけでMCを実施した。日向坂46の加藤が推しメンだという大沼晶保は「昨日、話す事ができて思いを伝えることができました。『好きです』って伝えたら、『えー、私が好きだなんて変な子』って言ってもらえて、すごく可愛かった。写真も一緒に撮ってもらいました」と笑顔を浮かべながら報告した。また日向坂46の東村芽依が推しメンだという幸阪茉里乃も前日一緒に写真を撮ったことを報告し、頬を緩めていた。それから日向坂46がステージに登場すると、「膨大な夢に押し潰されて」「青春の馬」を迫力満点にパフォーマンスして、ファンの目を釘付けにした。
加藤史帆「Buddiesさんとおひさまが一緒にいる空間は奇跡」
ここからライブは中盤戦へ。櫻坂46が「ブルームーンキス」「思ったよりも寂しくない」をパフォーマンスすると、MCコーナーを挟んで、日向坂46は「JOYFUL LOVE」を歌唱。曲中、客席には7色のペンライトを使った虹が出現していた。それから日向坂46は最新シングル表題曲の「君しか勝たん」をキュートにパフォーマンスして、オーディエンスを幸福感で満たした。
ライブが終盤戦に突入すると、ここからは櫻坂46と日向坂46が交互に楽曲を披露していった。まずは白いスーツ風の衣装に着替えた櫻坂46が「Nobody's fault」で迫力満点なステージを届けると、日向坂46がダンスナンバーの「キツネ」でファンのボルテージを高めていく。すっかり日も暮れ、会場中が美しい照明で彩られている中で、続く櫻坂46は「Buddies」をパフォーマンス。曲中、センターの山崎は「Buddiesの皆さん! そしておひさまの皆さん! こんなに美しい景色を私たちに見せてくれてありがとうございます! これからも一緒に坂道を駆け抜けてくれますよね? ついてきてくれますよね? みんなのことが大好き!」と思いを叫び、会場を大きな感動で満たした。日向坂46が“ひらがなけやき”時代から歌い継ぐ「NO WAR in the future 2020」で応戦して会場の熱気を上昇させると、一方の櫻坂46はグループ史上もっとも激しく力強い振り付けの「BAN」でアグレッシブなステージを展開。この勢いをさらに加速させるように日向坂46は「誰よりも高く跳べ!2020」を熱くパフォーマンス。6曲ノンストップで届けられた怒涛のラストブロックが終了すると、両グループはそれぞれの熱演を讃え合った。
最後のMCコーナーで、佐々木久美は「3年前にここのステージに立った時は“出させていただいてる”という気持ちでやっていたんですけど、その時に一緒にやっていたゆっかー(※菅井の愛称)や櫻坂さんたちとこの舞台でこうして一堂に会することは、本当に3年前は想像してなくて。今では違うグループになったけど、坂道グループとして同じステージに立たせていただいてるのは、本当にありがたいことだなと今日ライブをしていて改めて思いました」と胸の内を明かす。
続けて菅井は「漢字欅とひらがなけやきとして頑張ってきて、お互い改名はしたけど、根っこは同じグループで…それぞれのグループにしかわからない辛い時期とか、波みたいなものもあったと思うけど、そういうのを乗り越えて、こうしてまたみんなで集まれたというのは本当に感無量です。それが実現できたのも、どんな時もサポートしてくださった皆さんがいるからだなと思います。本当に感謝の気持ちで一杯です」と感慨深げに話した。
日向坂46の加藤は「私は櫻坂さんと同じステージに立てたことと、Buddiesさんとおひさまがこうやって一緒にいる空間って本当に奇跡みたいだなと思っていて。こういう奇跡的な瞬間に私もこうしていられることって幸せだなと思って。そんな幸せを噛みしめながら、今日はパフォーマンスしました。本当にありがとうございます」と晴れやかな表情を見せていた。櫻坂46の副キャプテン・松田里奈は「本当にこの『W-KEYAKI FES.』を3日間やって、めちゃくちゃ楽しくて、花道に行った時、おひさまさんだったり、Buddiesだったり、皆さんの顔が見られて、自分はそんな皆さんのためにめちゃめちゃ頑張りたいなと思いました。そしてみんなで仲良しになったらすごい最強な気がするので、また来年『W-KEYAKI FES.』みたいなことがやれたら最高だと思います! 本当にありがとうございました!」と語った。
それから欅坂46とけやき坂46の合同楽曲として発表された「W-KEYAKIZAKAの詩」を櫻坂46と日向坂46でパフォーマンス。2021年のコニファーフォレストが、欅坂46のイメージカラーである緑色のペンライトで染まり、初めての合同イベントはこれにて幕を下ろした。
“1本の欅”をルーツに持つ櫻坂46と日向坂46。今ではグループのカラーも違う2組が、それぞれの進化を見せつけた。最後に菅井が「同じ欅坂46から生まれたグループとしていい関係を築きながら高め合っていきます」とコメントしていたが、今回のイベントで絆も深まったはず。佐々木久美は「またここに集まれるよう頑張っていきます」と力強く宣言していた。再び“欅の聖地”で、櫻坂46と日向坂46が共にライブを繰り広げる日が訪れることを、楽しみにしていたい。
写真/上山陽介
■櫻坂46&日向坂46「W-KEYAKI FES. 2021」合同ライブ セットリスト
M01. それが愛なのね(櫻坂46)
M02. なぜ 恋をして来なかったんだろう?(櫻坂46)
M03. ドレミソラシド(日向坂46)
M04. ソンナコトナイヨ(日向坂46)
M05. 君と僕と洗濯物(櫻坂46)
M06. Plastic regret(櫻坂46)
M07. キュン(日向坂46)
M08. アザトカワイイ(日向坂46)
M09. 偶然の答え(櫻坂46)
M10. 半信半疑(櫻坂46)
M11. 膨大な夢に押し潰されて(日向坂46)
M12. 青春の馬(日向坂46)
M13. ブルームーンキス(櫻坂46)
M14. 思ったよりも寂しくない(櫻坂46)
M15. JOYFUL LOVE(日向坂46)
M16. 君しか勝たん(日向坂46)
M17. Nobody's fault(櫻坂46)
M18. キツネ(日向坂46)
M19. Buddies(櫻坂46)
M20. NO WAR in the future 2020(日向坂46)
M21. BAN(櫻坂46)
M22. 誰よりも高く跳べ!2020(日向坂46)
M23. W-KEYAKIZAKAの詩(櫻坂46&日向坂46)
※高橋未来虹の「高」ははしご高が正式表記。
※山崎天の「崎」はたつさきが正式表記。