――まずは今回のプロジェクトについて、発案者である黒羽さんはいつ頃から、どのような思いで構想を練られていたのですか?
黒羽麻璃央(以下、黒羽):構想というほどのものではなく、「こんなことがしたいな」と思っていたのはもう何年も前からです。これまで2.5次元舞台の作品などで運動会をやったりすると、多くのお客様がいらっしゃって楽しんでくださっていました。ではこれを、舞台俳優さんが集まった野球大会にすれば面白いだろうな、と。
――前々から仲間内では「こんな企画がやりたいね」というお話をされていたのですか?
黒羽:野球好きの俳優さんって本当にたくさんいらっしゃって、いろんな現場で仲良くなる1つのキーワードだったりするんです。初めましての人と距離を縮めるためのツールといいますか。ただ稽古中に「野球やろうよ!」という話になっても、みなさん忙しいのでなかなか難しい。それなら、これを仕事にしてしまえばみんなとできる、というのが発端ですね。
――和田さんはこのお話を最初に聞いた時、いかがでしたか?
和田琢磨(以下、和田):僕がこの話を聞いたのは今年に入ってからなのですが、ちょっと想定外のことだったので最初は「ほんとかよ!?」と思いました(笑)。ただ、「ぜひ形にしたい!」という熱い思いを聞き、僕もお役に立ちたいとすぐに参加のお返事させていただきました。でもまさか、キャプテンという大役を仰せつかることになるとは……! 麻璃央くんとは以前野球を題材にした映画で共演していて、そこで本当に野球が好きだということは知っていたので、今回一緒に試合ができることになって本当に嬉しかったですね。
黒羽:僕も対戦するチームのキャプテンに琢磨くんの名前が上がった時は、ぜひにという感じで二つ返事でお願いさせていただきました。
和田:あ、そうだったの!? よかった~!(笑)
黒羽:そうです、そうです! これまでお付き合いさせていただいた中で、対戦チームとしてキャプテンをお願いするなら琢磨くんがいいなとずっと思っていました。野球好きなところやお人柄、それからみんなをまとめてくれるキャプテン像が一番しっくりくる人だなって。
和田:もう、キャプテンの役はたくさんやってきたので、そこは間違いないです(笑)。
試合以外の演出の部分には舞台の要素も…「1つの作品として楽しんでもらいたい」
――試合が行われる場所が東京ドームということですが、ここでプレーをするということに対してはどのような想いがありますか?
黒羽:野球をかじったことがある人間なら一度は憧れる場所であり、まさに“聖地”ですよね。
和田:甲子園か東京ドームか、ってところはあるよね。
黒羽:野球をやっていても、ほんの一握りの人間しか立てない場所。そんな場所に俳優というお仕事を通してではありますが野球人として立たせてもらえて、とてもいい機会に恵まれたなと思っております。
――今回揃われたメンバーは、それぞれ野球経験があるみなさんですか?
黒羽:多少“疑わしい”メンバーもいますが(笑)。
和田:できるできる詐欺ね(笑)。
黒羽:今回生配信が決まったことで、より多くのみなさんに僕たちのプレーを見ていただけることになりました。そんな中でトンネルなんてした日にゃあ…大恥ですよね。だから僕のチームに関しては、みんな試合に向けて頑張って調整していこうぜっていう気持ちではいます。敵チームのメンバーには練習してほしくないですけど(笑)。
和田:お互いのチームメンバーを決める時に、僕も選考の場に立ち会わせてもらったんですよ。そこで、「この人はできる」と思うメンバーを何人か入れさせてもらったのですが、実は初めましての方もいて。そんな方たちとは、今後タイミングが合えば練習でコミュニケーションを深めて、試合の大事な場面で起用する判断材料にしていければいいなと思っています。
黒羽:スターティングメンバーなどは、それぞれのチーム監督(BLACK WINGS監督は山崎育三郎さん、DIAMOND BEARS監督は尾上松也さん)と相談かなとは思いますが、エンターテインメント性を大事にしたいので「この人をここで使ったら盛り上がるはず!」ということも計算に入れ、メンバーを組んでいきたいですね。
――エンターテインメント性の部分もプロデューサーとしてしっかり考えているということですね。
黒羽:もちろん、野球と俳優さん両方好きな方もいらっしゃるとは思いますが、反対に野球が全然わからないという方もたくさんいらっしゃると思うんですね。そういった方にもエンターテインメントを通して野球という球技自体に興味を持っていただきたいですし、さらには野球人気にも貢献できれば! またテーマソングの制作やオープニング演出はコミッショナーの城田優さんにお願いしております。試合以外の演出の部分には舞台の要素も取り入れようと思っているので、1つの作品を見ているような気分になっていただけると思いますよ。さらにゲスト解説として荒牧慶彦くんと佐藤流司くんがいらっしゃいますので、野球に詳しくない(笑)2人の解説にも注目です!
医療現場とエンターテインメント界、そのどちらにも恩返しがしたい
――両キャプテンから見て自分のチームのキーマンになりそうなメンバーは誰ですか?
和田:僕のチームは横山真史くんです。彼は大学まできっちり野球をやっていた人で、草野球でもバンバンホームランを打つような人なんです。だから、横山くんが重要な場面でバッターとして立てるようにしたいな。やはり打った方がわかりやすく盛り上がるので、うちのチームは打撃を中心にしていきたいですね。
黒羽:うちは投手陣に注目ですね。
和田:投手陣は謎なところが多いけど、実際のところどうなの?
黒羽:琢磨くんとチームメンバーを決めた時、ドラフトに近いことをしたのですが、実は相手チームの方に体が大きい選手が固まってしまったんですよね。ですので、打撃に関してうちのチームは若干不安があるかも。ただ投手陣に関しては結構いいメンバーが揃っていると思います。井阪郁巳くんたちと夜中に室内練習場を借りて練習をしたのですが、彼結構いい球を放ってましたよ。
和田:120kmとか出ちゃう……?
黒羽:出ると思いますよ。
和田:ええっマジ!? やばい、今まで110kmで練習してたから球速あげなくちゃ!
黒羽:なので、僕のチームは充実した投手陣にご期待ください。
――今回行われる「ACTORS☆LEAGUE 2021」では、収益の一部を医療従事者のみなさまに寄付するという発表がされています。このコロナ禍で本イベントを行う意味・意義についてお聞かせください。
黒羽:僕自身、昨年新型コロナウイルスに感染し、入院していた間は本当にしんどい症状が続きました。それを助けていただいたのが医療従事者の方々だった。一方で、心の治療というのはベッドの上で見ていた映画だったりエンターテインメントがしてくれたんですね。ですので、あの苦しい時に助けてもらった医療現場とエンターテインメント界、そのどちらにも恩返しがしたいなと。さらには暗いニュースばかりが流れる世の中に何か明るいニュースをファンのみなさまにお届けしたい。そして仲間である俳優たちにも楽しい気持ちになってもらいたい。そんなシンプルな想いがありました。
和田:僕たち俳優って、世の中が本当に大変になった時には何もできない職業なんですよ。できることといったらみなさまを“楽しませること”、“その瞬間だけでも笑顔にすること”だと思うんです。そういった貢献の仕方ってすごく素敵なことだと思いますし、今回1回だけで終わらずこのようなイベントが継続的に続けられるようになれば素晴らしいですよね。
――それでは最後に、球場と配信で試合の行方を見守ってくださるファンのみなさんにメッセージをお願いいたします。
黒羽:野球界と俳優界の歴史が動く初戦。できることなら、このようなイベントを毎年開催できるようにしたいですし、俳優だけでなく、さまざまなジャンルのみなさまと交流できる場になればいいなと思っています。そのためには大事な初戦をみんなで盛り上げて、成功に導いていければ。ぜひ球場でも、配信でも応援してください!
和田:まずは今回のプロジェクトを立ち上げてくれた麻璃央くんに、俳優仲間として感謝ですね。その上で、自分たちがこのプロジェクトで与えられた役割をしっかり理解し、お客様に楽しんでいただく。イベントが継続的に開催できるよう、キャプテンとして一生懸命頑張りたいと思っています。