開演前に流れたのは、DJ U-ICHIによるスペシャルRemix曲、「2nd D.R.B NON-STOP DIVISION MIX」。リングライトのきらめきと、トラックに合わせて振られるハンドサイン。オオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョン加入後初となる有観客ということもあり、フロアの熱は高まっていく。

 オープニングムービーで各ディビジョンから新幹線や飛行機でメンバーたちがやってくる様子が映し出され、ステージ上ではダンスチーム“D.D.B”がアクロバティックに観客を盛り上げる。メインステージを覆っていた幕が降ろされると、夏らしいリラックスモードの衣装をまとった18人が登場し「Hoodstar +」でオープニングパフォーマンス。続けて「Survival of the Illst +」「Hang out!」と全員曲が矢継ぎ早に披露されると、コメント欄では「こんなん絶対叫んでしまうよ」「この流れはやばいいい」「ちょちょ出だしから飛ばしすぎん????」など冒頭からボルテージの上がるセットリストに歓喜の声が相次いだ。

 続いて各ディビジョン曲を披露していくブロックに。トップバッターはオオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”。白膠木簓役の岩崎諒太が「盛り上がってまっかーぴあアリーナMM! さあここからは、ぶちあがリーナ!!」と簓お得意のダジャレでファンに呼びかけると、躑躅森盧笙役・河西健吾と天谷奴零役・黒田崇矢も笑顔でそれに応え息の合ったパフォーマンスを見せた。

 シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”はファンからの人気の高い「Stella」を披露。夢野幻太郎役・斉藤壮馬が“小説家・幻太郎が書いた架空のお話”という楽曲の世界観をポエトリーリーディングで表現すると、コメント欄は瞬時に絶叫の嵐となる。有栖川帝統役の野津山幸宏は亡国の王として、斉藤は盗賊として、飴村乱数役の白井悠介は孤独な科学者として、観客の心に物語を刻みつけた。

 しっとりとした空気を切り裂き登場したのはナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”。「Bad Ass Temple Funky Sounds」では、波羅夷空却役の葉山翔太が悪僧らしいオラつき感のあるパフォーマンスで客席を引っ張り、四十物十四役・榊原優希と天国獄役・竹内栄治もそれに続く。間奏で「待たせたな! 俺たちがナゴヤだ!!」と叫ぶと、会場はクールで毒気たっぷりの紫色に染め上げられた。

 続くヨコハマディビジョン“MAD TRIGGER CREW”はぴあアリーナMMが地元にあるということで、碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎が「ここヨコハマまでよく来てくれたなぁ、ご苦労なこったぜ。ありがとな」と楽曲冒頭に挨拶。入間銃兎役の駒田航と毒島メイソン理鶯役の神尾晋一郎とともにステージ上段に座り込むと、ドスのきいたパフォーマンスで「シノギ(Dead Pools)」を魅せた。

 イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”は、「IKEBUKURO WEST GAME PARK」で会場をイケブクロの西口公園へと変える。3兄弟のサイファーから楽曲が始まると、客席はハンドクラップで、コメント欄は「hoーー!」「いえーい!」と文字でレスポンス。山田一郎役・木村昴のビートボックス部分では、声援できない観客のため山田二郎役の石谷春貴と山田三郎役の天崎滉平が「たとえみんなが声出せなくても! その目見りゃわかる楽しいこと!」とアレンジ。さらに木村は「聴こえてますよ! ありがとう!」と叫びファンへ感謝の言葉を贈った。

 「Shinjuku Style ~笑わすな~」で殺気たっぷりのステージを魅せたのはシンジュク・ディビジョン“麻天狼”。神宮寺寂雷役・速水奨の静かな圧、観音坂独歩役・伊東健人の狂気に満ちた笑い声でフロアを手中にすると、伊弉冉一二三役の木島隆一が「ブクロシブヤハマナゴヤオオサカ、僕一二三が成敗する!」と吠え、前回バトルの王者として圧巻のパフォーマンスで各ディビジョンブロックを締めくくった。

 一呼吸置き、TVアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme AnimaのEDテーマ「絆」がライブ初披露された。イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクの4ディビジョンが、それぞれの“絆”をメロウなトラックに乗せる。アニメ放送時にも話題となった銃兎の「キズナァ」が今回もTwiterトレンド入りをするなど、大きな反響が寄せられた1曲となった。

 ここでDAY2・1組目のゲストが登場。ライブタイトルにもなっている「SUMMIT OF DIVISIONS」をプロデュースしたスチャダラパーが、「GET UP AND DANCE」「今夜はブギー・バック」「サマージャム'95」を披露。ジャパニーズラップのレジェンダリーラッパーによるチルでピースフルなステージにコメント欄も熱狂。「こんなレジェンドたちが関わってるヒプマイすげぇよなぁ」「まじかブギー??」「これは夏フェス」と盛り上がった。

それぞれの信念と魂がぶつかり合う言葉の殴り合い

 ここからは一気にバトルの様相を呈していく。口火を切るのはDivision All Starsによる「ヒプノシスマイク -Glory or Dust-」。再びステージに集結した18人のキャスト陣が真っ直ぐに前を見据え、覚悟のフロウで宣戦布告。それぞれにバイブスを上げていく。

 どついたれ本舗は「笑オオサカ!~What a OSAKA!」でぶれない笑顔のステージを届け、Bad Ass Templeは「開眼」で見る者の心を引きずり回し、MAD TRIGGER CREWは「HUNTING CHARM」で地面にねじ伏せる。Buster Bros!!!は「Re:start!!!」でバトルへの覚悟を決め、麻天狼は「TOMOSHIBI」で弱さをさらけ出し、Fling Posseは「Black Journey」で未来を唄う。

 6ディビジョンが魂のパフォーマンスを終えると中王区のターン。リフト上の高い位置に陣取った東方天乙統女役の小林ゆう、勘解由小路無花果役のたかはし智秋、碧棺合歓役の山本希望。「Femme Fatale」で、支配者として男たちとは同じステージには立たないと表明するかのようなパフォーマンスを見せると、「これはひれ伏すわ…」「言の葉党最強」「支持率上昇中」といったコメントが続々寄せられた。さらに内閣総理大臣として小林から《2nd D.R.B》ラストスパートの宣言が。

 続いて《2nd D.R.B》1st Battle、2nd Battle、3rd Battleでしのぎを削った3組の対戦相手が、それぞれにバトル曲を披露していく。どついたれ本舗とBuster Bros!!!は、「Joy for Struggle」にて“楽しんで戦う”という新しいバトルのあり方を提示。時にコミカルな動きで時に漫才のようなリリックで、笑顔を生み出すステージとなった。

 2組目はBad Ass Templeと麻天狼。「Light & Shadow」は互いの信念をぶつけ合う、まさに魂の削り合いの死闘。声が枯れるほどに叫ぶ両ディビジョンの姿には、視聴者から多くの感嘆のコメントが。3組目のFling PosseとMAD TRIGGER CREWも気迫のこもりまくった「Reason to FIGHT」でバトルを繰り広げる 。互いにまったく引かない言葉の殴り合いとなった。

 息つく暇なくDAY2・2組目のゲストパフォーマンスへ。《2nd D.R.B》のFinal Battle曲「SHOWDOWN」の楽曲提供をしたDragon Ashが登場し、「New Era」「Fly Over feat. T$UYO$HI」の2曲を披露した。本ライブのTシャツを身につけパフォーマンスするKj(vo & g)の姿には、多くの視聴者が驚き喜びの声を上げた。

 その熱量のまま、3ディビジョンによる三つ巴のバトル曲「SHOWDOWN」のステージが幕を開ける。Dragon Ashの生演奏をバックにBuster Bros!!!、麻天狼、Fling Posseが登場すると、火柱が立ち会場全体の熱気をさらに上げていく。

 3チームが入れ替わり立ち替わりしながら思いをぶつけ合うというスタイルは『ヒプマイ』史上初。3つの方向性・9人の主張と、壮大でエモーショナルな楽曲が相まった熱量の高いステージには、「選べないよ…」「もうみんな優勝じゃダメ?」「どこに投票したらいいの……」と投票への苦悩の声が寄せられた。

 楽曲披露後には、3ディビジョンのリーダーから感謝の言葉が届けられた。「正々堂々やりました。みなさんと一緒にこの景色が見れたことを、3兄弟共々心から感謝します」(木村)、「人を愛すること、愛されること。人を信じること、信じ続けること。その尊さを感じながら3人で歌いました」(速水)、「改めて2人とともにPosseのメンバーとしてステージに立てて幸せだなって思いつつも、すべての感情を1つになって出し切れたんじゃないかなと思います。永遠に語り継いでいけるような素晴らしいステージになったんじゃないかなと思います」(白井)、とそれぞれに語った3人。

 そして木村が「ラストスパート、盛り上がっていきましょー!!」とライブ最終盤へ向けて叫ぶと、キャスト全員が最後の力を振り絞り声を上げた。

 ラストは「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- +」「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- +」「SUMMIT OF DIVISIONS」の3曲。バトルを終えた18人は笑顔で手を振り上げ、ファンへアピール。「SUMMIT OF DIVISIONS」では6ディビジョン18人が立ち位置をシャッフルし、1つに。

 バースを担当するキャストの両隣がしゃがみ敵味方関係なくパフォーマンスを讃えたり、他のディビジョンのハンドサインを掲げたりと、チームの垣根を取っ払った“ヒプマイ・ディビジョン”を結成。そのパフォーマンスに会場も最後のプチョヘンザで応えた。

 ライブ後にはメンバーを代表して木村昴から感謝のメッセージ。「このライブを見てくださったすべての方に心から感謝申し上げます。みなさん声を出さずに我慢してくださっていたかと思いますが、楽屋でみんなで口を揃えて話していました。“声聞こえてくるよね”って。みなさんの気持ちが、心が僕ら全員に伝わりました。もちろん配信のみなさんも、ライブ・ビューイングのみなさんも、みんなの声が僕らのエネルギーになりました」と語った。

 そして最後には「今までの人生の中で一番の“C”を見せてください!」と呼びかけ、キャスト&観客全員で恒例の「ラップってたのC!!」。たくさんの笑顔と心の声援に包まれ、本公演は幕を閉じた。

※天崎滉平の崎は、正式にはたつさきの字。

テキスト/ichico

■ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 7th LIVE ≪SUMMIT OF DIVISIONS≫DAY2セットリスト

M1.Hoodstar +/Division All Stars(6Div)

M2.Survival of the Illst +/Division All Stars(6Div)

M3.Hang out!/Division All Stars(6Div)

M4.あゝオオサカ dreamin'night/どついたれ本舗

M5.Stella/Fling Posse

M6.Bad Ass Temple Funky Sounds/Bad Ass Temple 

M7.シノギ(Dead Pools)/MAD TRIGGER CREW

M8.IKEBUKURO WEST GAME PARK/Buster Bros!!! 

M9. Shinjuku Style ~笑わすな~/麻天狼

M10.絆/Division All Stars(4Div)

M11-A.GET UP AND DANCE/スチャダラパー

M11-B.今夜はブギー・バック/スチャダラパー

M12 サマージャム'95/スチャダラパー

M13.ヒプノシスマイク -Glory or Dust-/Division All Stars(6Div) 

M14.笑オオサカ!~What a OSAKA!/どついたれ本舗 

M15.開眼/Bad Ass Temple

M16.HUNTING CHARM/MAD TRIGGER CREW

M17.Re:start!!!/Buster Bros!!!

M18.TOMOSHIBI/麻天狼 

M19.Black Journey/Fling Posse 

DJ&Dance Brige

M20.Femme Fatale/中王区 言の葉党

M21.Joy for Struggle/どついたれ本舗 vs Buster Bros!!! 

M22.Light & Shadow/Bad Ass Temple vs 麻天狼 

M23.Reason to FIGHT/Fling Posse & MAD TRIGGER CREW

M24.New Era/Dragon Ash

M25.Fly Over feat. T$UYO$HI/Dragon Ash

M26.SHOWDOWN/Buster Bros!!!/麻天狼/Fling Posse/Dragon Ash 

M27.ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- +/Division All Stars(6Div)

M28.ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- +/Division All Stars(6Div)

M29.SUMMIT OF DIVISIONS/Division All Stars(6Div)

これまでで一番の「ラップってたのC」!!誰もが待ちわびた約2年ぶりの有観客ライブ「ヒプマイ7th」DAY2
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【Day1】ヒプマイ 7th LIVE《SUMMIT OF DIVISIONS》
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