梅澤「“好きだ”という気持ちが伝わってくる関係性になれた」
――2年ぶりの「真夏の全国ツアー」真っ只中です。これまで大阪、宮城、愛知でライブを行っていますが、今の心境はいかがですか?
梅澤:すごく充実しています。今年のようにツアーを回らせてもらうと、“やっぱり夏はライブがなくちゃ”と思わされます。楽しいだけではなく、リハなんかの大変な時間も、良い思い出になるというのを改めて感じています。ライブの形は少し変わってしまったけれど、マスク越しでもファンの方の笑顔が見られるのは、やっぱり何よりうれしいし、楽しんでパフォーマンスさせてもらっています。
――大園さんはいかがですか?
大園:2年前の「真夏の全国ツアー」までは、すごくツアーって大変なイメージだったんですけど、今回は“最後だから”というのもあるかもだけど、すごく楽しめている実感があります。
――今までとはまた違う感覚ですか?
大園:そうですね。なかなか慣れなかったという意味で大変だったんですけど、もう3期生も5年目なので、ツアーを回る感覚は染み付いているんじゃないかなと思います。
――16年夏に行われたオーディションで乃木坂46の3期生となった大園さんと梅澤さんですけど、2人の関係性を教えてくれませんか。
大園:今となってはすごく仲良いんですけど、初期の頃はあんまり話せなかったんです。なんか、こういうタイプ(梅澤)の人ってこういうタイプ(大園)嫌いだろうなって勝手に思い込んでいたので(笑)。
梅澤:逆に私も同じこと思っていたから(笑)。桃子は私のこと苦手なんだろうなって。
大園:本当に(笑)? そんな風に、お互い同じことを思っていた2人なので、距離を縮めるには少し時間がかかりました。
梅澤:(2017年2月開催の)「3人のプリンシパル」の頃から、仲良くなったよね。でも、思い返すとその前から桃子は距離を縮めようとしてくれていたんです。「写真撮ろう」って声を掛けてくれたことがあったんですけど、“頑張って声を掛けた”ってことを後で知って。
大園:でもね。実はそれ、地元の先輩に「まだ誰とも仲良くなれてない」と相談したら、「とりあえず一緒に写真を撮りな」ってアドバイスされて、その指示を実行してみたの(笑)。
梅澤:そうなんだ(笑)。
――でも、そうした大園さんのアクションに、梅澤さんは何かを感じたわけですもんね。
梅澤:そうですね。私もあんまり自分から行けるタイプではなかったので、すごくうれしかったです。
――グループ加入5周年を迎えた、今の3期生の関係性は?
大園:すごくグループとして結束が強くなってきたと思います。加入した当初はみんな子供だったし、スタッフさんが心配になるくらいまとまれない時期もあったんですけど、5年も一緒に過ごすとこんなに関係性って変わるんだって思います。今は3期生で集まると、『みんなでご飯行こうね』って話になるし、それがすごく楽しいし、そうなれたことがうれしいです。
梅澤:そうだね。ここ最近で、一気にお互いが“好きだ”という気持ちが伝わる関係性になれたよね。
大園「振り返ると“なんであんなに泣いていたんだろう”って」
――大園さんは、18thシングル「逃げ水」(2017年発売)で同期の与田祐希さんとWセンターを務めました。加入した直後の大抜擢でしたが、あの頃の自分と比べ“成長したな”と感じる点を教えてください。
大園:自分から何かを変えたつもりはないんですけど、「逃げ水」の頃と比べて強くなったなと思います。「乃木坂工事中」(テレビ東京)でもよく泣いちゃっていたんですけど、振り返ると、“なんであんなに泣いていたんだろう”って。やっぱり緊張することが苦手なんです(笑)。でも5年経って、緊張もほぐれて、その場その場を楽しめるようになりました。時間の流れと共に成長できたと思います。
――鹿児島から上京した大園さんですけど、東京の生活に慣れるまでどのくらいかかりましたか?
大園:いつから慣れたんだろ? いつの間にか東京の生活に疑問を持たなくなってました(笑)。人が多いことにも慣れたし、電車を使って移動することも慣れた。でもやっぱり地元に帰って、交通量が少ない景色を見ると、ホッとする自分もいます。
――一足先にグループの先頭に立ち、パフォーマンスする大園さんと与田さんの姿を、当時、梅澤さんはどのように見ていましたか?
梅澤:やっぱり当時の2人はずっと緊張していた印象です。でも、それはそうだろうなと思うんです。誰でもいきなりあの場所に立つことになったら、ものすごい重圧を感じるだろうし、特に桃子はアイドルを見てきて育ってきたわけではないから、“アイドルのステージはこういうもの”というのをわからないまま、センターに立って。3期生がお披露目された時もセンターだったし、本人が思っている以上に、プレッシャーは大きかったと思うんです。とはいえ、それを見ていた私たちも、何をどう助けていいのかがわからなくて。
――お互い、加入したばかりですもんね。
梅澤:そういう意味で、先輩に頼るしかなかったんです。例えば悩みを聞いても、私たちが同じことを経験しているわけではないから、どうしても気持ちを理解してあげられない部分があった。今となっては“あの時もっとできたことはあったな”と思うこともあるけど、当時は見守ることしかできなかったです。
――その梅澤さんの気持ちは今、4期生への接し方に活かされている?
梅澤:そうですね。先輩たちにしていただいたことを私たちも後輩にやっていきたいという気持ちはあるし、同期ではなく先輩だからこそできることもあると思っています。4期生は私たちにとって初めてできた後輩なので、一緒に頑張りつつ、支えてあげたいですね。
――大園さんにとって乃木坂46の先輩たちはどんな存在ですか?
大園:本当に優しくて、先輩の助けがあったからこそ、ここまで諦めないで頑張ることができたって思います。感謝でいっぱいですね。私は地元にいる頃から先輩に恵まれていて、ずっと優しくしてもらっていたんです。4期生が後輩として入ってきてくれて、でも私は後輩との接し方がいまいちわからなくて、先輩たちにしてきてもらったことをしてあげないとと思っていたけど、なかなか実行できなくて。最近ちょっと声を掛けられるようになったと思うんですけど、あんまり先輩らしい先輩ではなかったかもなって。
――後輩メンバーは大園さんの背中を見ていると思いますよ。ここ最近では4期生の遠藤さくらさんとはユニット曲「友情ピアス」で共演して関係性も深まっていると思いますが、後輩たちに伝えたいことは?
大園:本当にたくさんの可能性を持っていると思うので、無理なく楽しく乃木坂として過ごしてもらえたらいいなと思います。
梅澤「みんなが笑っている中心には笑顔の桃子がいた」大園「掛け替えのない仲間ができました」
――梅澤さんは大園さんの卒業の決意を受け、何を思いましたか?
梅澤:本当にここまでよく頑張ってくれたなというのが1番にあります。それこそ「逃げ水」の頃は、毎日泣いていたから本当に心配していたし、もしかしたらこのまま辞めちゃうんじゃないかなって時期もありました。けど今はこうして“楽しい”と言ってくれることが増えてきていて、その状態で卒業発表してくれたのは、うれしいことでした。
――なるほど。
梅澤:もちろん寂しい気持ちもありましたけど、決意を聞いたときは、すんなり受け入れられたというか。「考え直せないかな」と引き止めたこともあったけど、この先は桃子の人生だし、桃子は今すごく楽しそうで、それを見ているとこっちもうれしくなります。いろんな時期を見てきたからこそ、良い状態の時に卒業することになって、今は良かったなって思っています。
――大園さんがグループを卒業される9月4日は、3期生12人で5周年を迎える日です。運命的な日だと思いますけど、どんな時間にしたいですか?
大園:3期生として活動する時間も本当に残り少しなので、大切にしたいし…(感極まって涙)、迷惑もたくさんかけたので、今までの感謝を伝えつつ、良い時間にしたいと思います。
梅澤:3期生が最近すごくいい空気になったのは、桃子がすごく笑うようになったのも関係あるって思っています。思い返せばいつも、みんなが笑っている中心には笑顔の桃子がいたし、3期生の真ん中に立って、みんなの気持ちをまとめてくれていたのは、やっぱり桃子だったなって。9月4日で桃子は卒業するけど、3期生が12人というのはこれからも永遠に変わらないことだし、私たちも頑張っていかなくちゃって思います。
――大園さんは卒業後「芸能界を引退」と発表していますけど、12人の絆は消えないでしょうし、いつか同窓会などで再会できると思います。そんな未来がワクワクできるような前向きな卒業ということですね。
大園:そうですね。今の気持ちのまま卒業できるのはすごく良かったなって思います。掛け替えのない仲間ができました。
(8月22日にラストライブを控える大園桃子)